中高一貫校の英語で「学校の授業が分からない」「小テストに落ちる」「学校ワークは終わったのに定期テストが低得点」「ほかの科目は取れるのに英語だけ下がる」と困っている保護者へ。最初に必要なのは、勉強時間をむやみに増やすことではなく、いまの問題に最も近い状態を選ぶことです。
本記事は、答案・小テスト・学校教材の情報から5つの困りごとを選び、それぞれの具体的な解説記事へ進める相談ナビです。5つの状態は互いに排他的ではありません。複数に当てはまるときには、学校が定める提出や補習・追試の期限を優先します。
ここで紹介する問いは、保護者の学習相談を整理するためのチェックであり、標準化された診断検査ではありません。能力、健康、学習障害の判定にも使用しないでください。学校の評価方法、進級・内部進学要件、補習の制度は学校によって異なります。
最初に選ぶ|今の悩みに当てはまる項目から読む
- A|英語が赤点・平均点以下になった:赤点・平均点以下の対処と7日間の立て直し方。学校への確認事項と補習・追試の期限を優先します。
- B|英単語や文法の小テストで不合格が続く:小テストで失点する原因の見分け方。意味、綴り、翌日の再現を区別します。
- C|学校ワークを3周したのにテストで点が取れない:ワークと答案の照合・学習方法の改善。練習形式と本番形式の違いを確認します。
- D|数学や国語はできるのに英語だけ下がる:英語だけ成績が下がる原因と保護者の対応。科目間の素点だけで結論を出しません。
- E|英語の授業が分からず、何から戻るべきか不明:中高一貫校で英語が伸びない原因の全体像。今の単元に必要な既習知識を調べます。
5つの質問で確認|答案と学校教材を手元に置く
子ども本人に点数を責めるための質問ではありません。最近の答案、定期テストの範囲表、学校ワーク、小テストの結果があれば、親子で短時間だけ確認してください。
- Q1:補習・追試・提出課題など、学校から期限付きの連絡が来ていますか。
- Q2:英単語・文法の小テストで、同じ間違いが繰り返されていますか。
- Q3:学校ワークには解答できるのに、本番の英作文・初見長文・書き換えで失点していますか。
- Q4:国語・数学などは得点できているのに、英語の点数だけが下がっていますか。
- Q5:子ども自身が、何年生のどの単元から分からなくなったのか説明できませんか。
Q1が「はい」なら最優先はAです。Q2ならB、Q3ならC、Q4ならDを参考にします。Q5ならEを参考にしてください。いずれも「分からない」場合は、学校の答案と配布資料を揃え、誤答2〜3問だけを見て「どの問題形式で止まったか」を探します。
複数の質問に「はい」と答えても、最初から学習内容をすべて追加する必要はありません。学校の期限と現在の授業の進度から、今週扱う課題を一つか二つに絞ります。
A:赤点・平均点以下|まず学校の制度と期限を確認
赤点を取ったという連絡があっても、学校ごとの欠点基準、追試、補習、通知表への反映は同じではありません。「全国共通で何点以下なら留年」とは断言できません。学校の規定と教科担当の説明を確認してください。
確認するものは、試験本紙・解答・平均点(公表されていれば)・範囲表・補習や追試の案内です。直後に新しい問題集を買うより、どの大問で失点したかを見ます。語彙か文法か、英作文か長文かで対応は変わります。
学校には「今回の結果で必要な手続きや期限はあるか」「どの既習単元を優先して復習すべきか」「次の評価に向けて何が必要か」を具体的に確認します。
次に読む:中高一貫校の英語が赤点・平均点以下になった場合の家庭対応。最初の48時間と7日間の立て直し手順を解説しています。
B:英単語・文法の小テスト|何を問われているかを分ける
英語を見て意味を答える小テストと、日本語から英単語を書き出す小テストは、必要な技能が異なります。意味を知っていても綴れない場合があります。英文法の穴埋めができても、英文を一から作る問題に対応できない場合もあります。
家では満点だったのに学校でできないときは、家で答えを見ながら練習していなかったか、同じ順番の問題だけ覚えていなかったか、翌日になっても解けるかなどを確認します。緊張・時間制限の影響も考えられるため、原因を一つに決めつけません。
小テストだけを見て、内申点や内部進学への影響を断定することも避けてください。学校の評価の仕組みは担当教員に確認します。
次に読む:小テストで不合格が続く原因と保護者ができる対応。単語、綴り、文法、学習の順序を分けて解説しています。
C:ワークを終えたのに低得点|提出と自力回答を分ける
学校ワークの指定ページが終わったことと、答えを見ずにその単元の問題を解けることは別です。丸付けの直後に同じ問題を解き直せても、翌日に違う例文で答えられない場合があります。
学校ワークと実際の答案を一つだけ照合します。ワークの選択問題は解けても、本番で短い英作文を書けなかったなら、英文の主語・動詞・時制を自力で組み立てる練習が必要かもしれません。
出題範囲に授業プリント、本文、小テストの復習が含まれていた場合には、ワーク以外の準備が不足していることもあります。学校の範囲表や授業中の指示を確かめましょう。
次に読む:学校ワークを3周しても英語の定期テストで点が取れない理由。15分で始められる答案とワークの照合方法を説明しています。
D:英語だけ成績低下|他教科との点数差をどう見るか
国語が80点、英語が45点でも、科目間の難度や平均点が違えば、点数だけで「英語の理解が国語より35点分遅れている」とは判断できません。平均点が公表されていれば比較の補助になりますが、平均点も全員の理解度を表すものではありません。
英語の答案では、語彙、文法、長文、英作文、リスニングのどこに失点が集中しているかを確認します。国語が得意だから英語の長文は読めるはず、数学が得意だから英文法は理解できるはず、と決めつけるのは適切ではありません。
英検に合格している場合でも、在籍校の現在のLessonやテスト形式と一致しているとは限りません。現在の学校教材から確認してください。
次に読む:他教科はできるのに英語だけ成績が下がる理由と対処法。答案に基づく4象限チェックと7日間の学習見直し例があります。
E:どこから分からないか不明|今の授業から一段ずつ戻る
英語の文法は以前に扱った内容を使うことがあります。例えば過去形の疑問文には一般動詞とdidの知識が必要です。受動態ではbe動詞と過去分詞を使います。いま習っている単元が理解できないとき、過去の知識を確認すると原因に近づく場合があります。
ただし「中1の最初から何冊もやり直す」と即決する必要はありません。現在の学校教材で間違えた問題を一つ選び、その問題に必要な前の知識だけを確認する方が、現在の授業へ戻る計画を立てやすいことがあります。
学校で質問しにくい、学習の負担が大きい、生活や体調への影響がある場合には、勉強時間を増やす前に学校と相談してください。
次に読む:中高一貫校で英語が伸びない原因と基礎からの立て直し。
文法のどこまで戻るか迷う場合:基礎・標準・発展の36問と解答では、6分野のオリジナル練習問題を、学校で習った内容だけ選んで確認できます。未習問題は飛ばし、学力不足として扱わないでください。
どのルートでも使える|英語の誤答を5領域に分ける
- 語彙:英文中の語の意味が分からないのか、意味は分かっているのに英単語を書けないのか。
- 文法:選択問題は解けるが、語順を変えたり文を一から作ったりすると誤るのか。
- 読解:英文の語彙が分からないのか、主語・動詞を読み違えるのか、答えの根拠を本文から探せないのか。
- 英作文:主語・動詞・時制を決められないのか、言いたい内容に必要な単語が出てこないのか。
- リスニング:音声の聞き取りが難しいのか、スクリプトを見ても意味が分からないのか。
これらの観点は、問題形式によって複数が重なることがあります。ひとつの間違いで「この生徒は語彙力が低い」と断定せず、同じ種類の問題をいくつか確認してください。
答案を手元で整理したい場合:慶英会が公開しているA4・2ページの無料PDF「英語答案の4領域チェックシート」も活用できます。語彙・文法・英作文・読解の誤答を記録し、次に確認する課題を選ぶための補助資料です。上記の5領域にはリスニングも含めていますが、このPDFの対象は4領域です。資料の概要と利用上の注意点もご確認ください。標準化された学力診断や成績向上の保証ではありません。
PDFを開けない場合|コピーできる4領域の簡易チェック欄
PDFの閲覧や印刷が難しい場合は、以下の文字版をコピーして家庭で利用できます。これはPDFの全文転載ではなく、このページ用に作成した簡易記録欄です。答案を見ながら、語彙・文法・英作文・読解の4領域について分かる範囲を記入してください。リスニングの誤答は必要に応じて別にメモします。
【英語答案の簡易チェック欄】 学年:__ テスト日:__ 学校教材・Lesson:__ ① 語彙:意味・綴りで困った問題 問題番号:__ 状況:__ ② 文法:語順・時制などで困った問題 問題番号:__ 状況:__ ③ 英作文:一文を自力で書けなかった問題 問題番号:__ 状況:__ ④ 読解:根拠を見つけられなかった問題 問題番号:__ 状況:__ 最優先で解き直す一問:__ 解答を隠して解けた?:はい/まだ 別の日に類題を解く日:__ 学校へ確認したい質問:__
ひとつの誤答が複数の領域にまたがることもあります。分類は本人の能力を確定する診断ではありません。記入後は、まず学校が指定する課題・追試・提出期限を確認し、自力で解けなかった一問を学校の教材と照合してください。正答が分からない場合には推測で採点せず、英語担当の先生への質問例を使って相談内容を整理できます。
保護者が学校・塾へ相談する前に整理する4点
- 1:学校名・学年、使っている英語教材・Stage・Lesson・授業進度。
- 2:最新の定期テスト答案と試験範囲、小テストの失点傾向。
- 3:本人が自力でできることと、答えを見ても理解しにくいこと。
- 4:補習・追試・提出物や、次回の定期テストの期限。
学校への相談では「成績が悪くて困っています」だけでなく、「過去形の選択はできるが否定文を自分で書けません」「小テストで日本語から英語が書けません」など、実際の誤答を伝えると相談内容が具体的になります。
保護者が英文法の解説をすべて教える必要はありません。必要な資料を揃え、本人の困りごとを具体的な質問にすることも重要な支援です。個人情報や答案の画像は公開コメント欄へ投稿せず、学校や相談先が指定する適切な経路で共有してください。
学校の英語担当へ何を聞くか迷うとき:保護者が英語の先生に聞きたい12の質問と連絡文例では、補習・追試の期限、教材の復習範囲、学校の質問機会を確認する方法を整理しています。答案を手元に置き、学校が指定する連絡方法で相談してください。
保護者自身が英語を教えられない場合:英語が苦手な中高一貫校生を支える家庭学習7日間ガイドで、親が英文法を説明せずにできる答案確認・声かけ・学校への質問の整理方法を紹介しています。
相談先の使い分け早見表|家庭・学校・外部指導の役割
学校の英語が苦手なとき、必ずしも最初から塾を追加する必要はありません。学校固有の制度や試験範囲は学校へ、自力で解けるかの確認は家庭で、継続的な復習設計が難しいときは必要に応じて外部指導へと役割を分けると、不要な課題や費用を増やさずに済む場合があります。以下は判断の手がかりであり、入塾を推奨・保証する判定表ではありません。
| 現在の状況 | 最初に確認する先 | 具体的な一手 |
|---|---|---|
| 追試・補習・提出の期限や進級条件が分からない | 在籍校の指定窓口 | 対象条件、期日、必要な提出物と手続きを確認する |
| 学校ワークをやり直せば、自力で解ける問題が増える | 本人と家庭 | 答えを閉じて別問題を解き、数日後にも再現できるか確認する |
| 試験範囲や授業プリントの優先順位が分からない | 英語担当・担任など学校指定の窓口 | 直近の答案とLessonを示し、優先する教材と既習単元を尋ねる |
| 学校の指示を確認しても、前学年の基礎が分からず一人で復習できない | 学校の補習・質問機会を確認し、必要に応じて外部指導 | 本人が解けない具体的な問題を示し、学校の現在の進度と復習を両立できるか確認する |
| 外部指導の体験を受けるか迷っている | 本人と保護者 | 体験前に答案・教材・目的を整理し、指導内容・担当・費用・振替などを比較する |
学校の先生への質問の整理には英語担当に聞きたい12の質問と相談文例を、外部指導を比較する段階では体験授業で確認したい15項目と契約チェックリストを参照してください。体験を受けることと入塾契約は別の判断です。学校の支援だけで十分な場合は、追加の受講を急ぐ必要はありません。
今日することを一つ選ぶ
学校から期限付きの連絡が来ている場合
最優先は補習・追試・提出物の期限と学校の指定する手続きです。新しい勉強法を始める前に、必要な連絡を確認してください。
単語テストが苦手な場合
次回の範囲から少数の単語を選び、答えを閉じて意味と綴りを別々に確認します。間違えたものは翌日にもう一度試してください。
ワークが終わっている場合
定期テストで間違えた一問をワークの対応箇所と照合し、同じ文法の別の例文でも自力で答えられるか確かめます。
英語だけ成績が下がる場合
英語の前回・今回の答案を比較し、語彙・文法・英作文・長文などの失点が多い箇所を一つ探します。
本人が「全部分からない」と言う場合
現在の学校のLessonにある短い一問を選び、そこに必要な一つ前の基礎へ戻ります。複数の教材を同時に増やさないことが重要です。
よくある質問
このチェックだけで苦手の原因を確定できますか?
できません。学習相談を整理する質問であり、標準化された診断テストではありません。学校の答案・小テストの正誤や授業での状況を合わせて確認してください。
小テストで不合格でした。すぐ塾に入る必要がありますか?
1回の結果だけでは判断できません。学校の支援や現在の家庭学習で改善できる場合があります。失点が続き、授業内容が分からない、家庭だけで優先順位を決められない場合は、個別指導を検討することも選択肢です。
英検に合格しているのに学校英語が苦手です。おかしいですか?
必ずしもおかしくありません。英検の試験形式や合格時期と、現在の学校のテスト形式は同一ではありません。学校の直近の答案と範囲表を優先してください。
塾に通っているのに全教科の成績が伸びません。
英語だけに限定しない課題も考えられます。塾に通っているのに成績が上がらない原因や中学生の成績が急に下がったときの見方も参考にしてください。
NEW TREASURE(ニュートレジャー)を使っています。特別な対策が必要ですか?
教材名だけでは判断できません。学校が扱うStage・Lesson・授業プリントや小テストの形式を確認し、どの技能が問われているかを整理してください。
相談前の1分メモ|学年・教材・困りごとを整理する
上で紹介した「英語答案の4領域チェックシート」は間違い方を整理する資料です。一方、学校の英語について外部の個別指導に相談する際は、以下のメモに共有できる範囲だけ記入すると、状況を簡潔に伝えられます。全部を埋める必要はありません。
【中高一貫校・英語学習の相談メモ】 学年: 使用教材・Stage/Lesson: 現在の困りごと(単語・文法・英作文・読解など): 最近、特に自力で解けなかった問題形式: 学校から指示された補習・追試・提出期限(あれば): 次の定期テスト・小テストの日程(分かれば): 相談したい内容(学校の授業/定期テスト/英検など):
記入した内容は必要な項目だけコピーして、下の慶英会公式サイト・公式LINEの案内からご相談いただけます。初回連絡で氏名や答案画像などを無理に送る必要はありません。資料の共有が必要になった場合は、案内される方法と共有範囲を確認してください。学校の補習・追試の期限が迫っている場合は、外部指導への相談より先に学校所定の手続きを確認してください。
学校の英語に合わせた個別指導・無料体験
慶英会では中高一貫校の英語、NEW TREASURE(ニュートレジャー)、英検などのオンライン個別指導を扱っています。学校の今の単元と、必要な既習範囲への復習を両立させたい場合は、慶英会公式サイトから指導内容と無料体験の案内をご確認ください。
慶英会が公開案内で使用している公式LINEからの相談も可能です。最初のメッセージには、学年、使用教材、直近の困りごと、次回の試験日などを簡潔にお知らせください。無料体験の条件や受付状況は公式サイトの案内が優先です。
監修:慶英会 塾長
参考にした主な公式情報・学習研究
- 国立教育政策研究所|「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料(中学校・外国語)
- Education Endowment Foundation|Metacognition and Self-Regulated Learning(第2版、2025)
※記事内の5つのルート、5つの質問、家庭での行動案は、慶英会による学習相談のための整理方法です。研究機関が検証した診断尺度ではありません。個別の学校の学習評価・進級判定・補習規定を示すものでもありません。




