中高一貫校の英語定期テストで、四択や穴埋めなら正解できるのに、和文英訳・書き換え・自由英作文になると手が止まる。そんな中学1・2年生は、単語や文法を「見て選べる力」と、ヒントなしで「思い出して組み立てる力」を分けて確認することが出発点です。問題集を増やす前に、同じ文法を①選択する、②短い英文を自力で書く、③主語や時制を変えて応用する、の順に試してください。この記事には、選択式12問と自力英作文12問を対にした独自診断、全24問の解答・解説、失点別の直し方、1日15〜20分を目安にした14日間の復習計画を収録しました。中高一貫校の授業進度は学校・学年ごとに異なるため、未習単元は飛ばし、試験範囲表と学校指定教材を最優先してください。
結論:選択問題が解けても英作文が書けない理由は4つに分けられる
①再生の問題:選択肢に正解があれば分かるが、何もない紙には必要な単語や動詞の形を思い出せない。②文の骨組みの問題:主語・動詞の位置や、be動詞と一般動詞の区別が曖昧。③文法の運用の問題:三単現、過去形、助動詞、疑問文など、条件が変わると活用できない。④設問理解の問題:英文は一応成立しているものの、指定語句、理由、文数、質問への対応などを落としている。どの原因かで練習法は変わります。
例えば「彼女は毎日英語を勉強します」を英語にするとき、She (study / studies) English every day. の正解を選べることと、白紙からShe studies English every day.を綴れることは同じ課題ではありません。さらに「彼女たち」に主語を替えたときThey study English every day.と変えられるかまで確認すると、選択肢の丸暗記と文法の運用を区別しやすくなります。
なぜ選択式から記述式へ段階を踏むのか:指導要領にも根拠がある
文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」は、書く活動の前に手本となる文章を示し、表現を入れ替えて学んだ後、自分の力で書く段階へ進むことを説明しています。また、書くことのつまずきは綴り・語順・文法・語彙だけでなく、発想や構成にも及ぶとしています。したがって、選択式を捨てるのではなく、選択→語句変更→白紙記述へ橋を架けるのが合理的です。これは一律の得点向上を保証する方法ではなく、本人の答案から弱点を特定するための指導案です。文部科学省公式資料(外国語編、66〜67ページ付近)を参照してください。
5分+10分で診断|選択式12問と自力英作文12問
診断方法:最初にAの選択式12問だけを解き、答えを閉じます。時間を空けてBの和文英訳12問を白紙で書きます。AとBは同じ文法事項を使う別の文章です。両方とも学校や英検の過去問ではなく、慶英会が独自作成した家庭学習用の例題です。Aは1問1点、Bは意味・文法・表記の条件を満たす1文につき1点として、A・Bを別々に12点満点で記録します。完全一致だけを正解条件にはせず、別解も判断します。これは学校の実際の採点基準ではありません。
A|選択式(ヒントがあれば選べるか)
A1.My sister (is / does) busy.
A2.They (play / are) soccer after school.
A3.Ken (study / studies) English every day.
A4.She (don’t / doesn’t) like math.
A5.I (visit / visited) my grandmother yesterday.
A6.(Did / Does) she watch TV last night?
A7.They (are / do) studying English now.
A8.She can (speaks / speak) English.
A9.We stayed inside (because / so) it was raining.
A10.I want (go / to go) to the library.
A11.This box is (heavier / heaviest) than that one.
A12.If it (rains / will rain) tomorrow, we will stay home.
B|白紙で和文英訳(自力で組み立てられるか)
B1.彼女は今、眠いです。
B2.私は日曜日にテニスをします。
B3.私の兄は毎朝走ります。
B4.彼は魚が好きではありません。
B5.私たちは先週、京都に行きました。
B6.彼は昨日、宿題をしましたか。
B7.私は今、本を読んでいます。
B8.私の父はピアノを弾けます。
B9.私は眠かったので早く寝ました。
B10.彼女は医師になりたいです。
B11.私は弟より背が高いです。
B12.もし明日雪が降ったら、私たちは家にいます。
全24問の解答と、間違えたときに戻る文法
1.be動詞と状態 A:is/B:She is sleepy now. busyやsleepyは状態を表す形容詞。be動詞+形容詞で文を作る。
2.一般動詞 A:play/B:I play tennis on Sundays. 習慣的な動作は一般動詞の現在形で表す。playの前にareを不要に置かない。
3.三人称単数現在 A:studies/B:My brother runs every morning. 主語が三人称単数で現在の習慣なら、動詞に-sや-esなどが必要。run→runs。
4.一般動詞の否定 A:doesn’t/B:He doesn’t like fish. 三人称単数の否定はdoesn’t+動詞原形。likesとはしない。
5.過去形 A:visited/B:We went to Kyoto last week. 過去の出来事なのでgo→went。時間表現last weekに注目する。
6.過去形の疑問文 A:Did/B:Did he do his homework yesterday? Did+主語+動詞原形の順。didと過去形didの組み合わせにはしない。
7.現在進行形 A:are/B:I am reading a book now. be動詞+動詞-ing。主語Iに合わせてam。
8.助動詞can A:speak/B:My father can play the piano. canの後は動詞原形。主語が単数でもplaysにはしない。
9.理由を表すbecause A:because/B:I went to bed early because I was sleepy. becauseの後ろは通常主語と動詞のある節。理由と結果を取り違えない。
10.want to+原形 A:to go/B:She wants to be a doctor. want to+動詞原形。主語Sheではwantに-s、職業名にはaを使う。
11.比較級 A:heavier/B:I am taller than my younger brother. 2者比較のtallはtaller、比較対象はthanの後。
12.条件を表すif節 A:rains/B:If it snows tomorrow, we will stay home. 未来の条件を表すif節では通常現在形を使う。主節はwillでもよい。
Bの模範解答は一例です。例えば「私は日曜日にテニスをします」はI play tennis on Sundays.のほか、意味に大きな違いがない適切な英文もあり得ます。実際の定期テストでは学校の指示、指定語句、既習表現、採点基準を優先します。11・12など比較・条件節が未習の場合は得点に含めず、授業で学習済みの設問だけで比較してください。
診断結果の読み方|AはできるのにBが書けないとき
AもBも誤答:文法の区別がまだ曖昧です。最初に学校教材の説明へ戻り、肯定・否定・疑問などの型を整理します。Aは正答・Bは誤答:ヒントがあれば認識できても、自力で単語を出す・並べる過程に課題がある可能性があります。Bの正答を確認後、解答を隠し、主語や時を示す語を一つ変えて再記述します。AもBも正答:基本文の作成ができているので、指定語句付きの問題や、理由・具体例を加える問題へ進みます。正答率に普遍的な合格ラインはありません。学校の進度と答案で比較してください。
誤りの記録例:「She don’t like fish.」→主語と助動詞の不一致。「Did he did his homework?」→didの重複。「I am read a book now.」→現在進行形の-ing不足。「I went early bed because sleepy.」→語順とbecause節の主語・動詞不足。誤りを単に×として終わらせず、同じ型の別問題で修正できるか確認します。
英作文が書けるようになる4段階の練習法
①完成した英文のどこが正しいか説明する
例文She studies English every day.を見て、主語She、動詞studies、時間表現every dayを指で示します。「彼女だからstudiesになる」と説明できなければ、全文を暗記する前に三人称単数の規則を確認してください。
②英単語・主語・時制を一つだけ変更する
She studies English every day. → He studies math every day. → They study math every day. → They studied math yesterday. という順に少しずつ条件を変えます。変更した部分以外が同じか、主語がTheyになったときstudies→studyになる理由を確認します。
③日本語だけ見て全文を書き、模範解答と照合する
「彼らは昨日、数学を勉強しました」を見てThey studied math yesterday.と白紙から書きます。間違えたら、完成英文を1回写した後すぐ閉じ、もう一度書く。翌日と3日後に同じ文型の別文で確認します。丸暗記の正答と、初見問題へ応用できる状態を区別するためです。
④設問条件を加えて定期テスト形式に近づける
学校の考査で「becauseを使い、一文で理由を説明」「5語以上」などの条件が出る場合は、内容・指定語句・語形変更・文数・語数を順に確認します。単なる記述力不足と、設問の読み落としを同じ原因として扱わないことが大切です。指定語句の課題は指定語句を使う英作文20題と解答解説で別途練習できます。
中1と中2で復習の優先順位は異なる
中1:be動詞と一般動詞、三人称単数、肯定・否定・疑問文など学校で既習の型を優先します。選択式に正解した直後に長い自由作文へ進めず、まず一文を正確に作れるか確認してください。中2:学校で現在学んでいる構文に加え、その土台となる中1文法だけを選んで補います。例えば現在完了で躓いていても、過去形の疑問文や動詞の原形の理解が曖昧なら、そこを短時間復習する価値があります。現在の学校授業と提出物を止めて全単元を無差別にやり直す必要はありません。
NEW TREASURE・PROGRESSなどの学校指定教材を使用している場合は、本人が使っている版・Stage/Book・Lessonを正確に確認し、学校ワーク・教科書例文・配布プリントから既習構文を選びます。学校名だけで採用教材・学年の進度・考査の配点を決めつけないでください。
14日間の復習計画|1日15〜20分から始める
1日目:A・B各12問から既習問題だけ実施。誤りを「単語・語順・動詞・条件」に分ける。 2日目:AとBの両方を間違えた単元を学校教材で確認。文法の理由を口頭で説明する。
3日目:be動詞・一般動詞の既習例文を主語変更で3文作る。 4日目:三単現と否定文を、主語を替えながら各3文書く。
5日目:過去形とDidの疑問文を、昨日・先週の出来事で3文ずつ作る。 6日目:現在進行形・can・want toから習った構文だけを応用する。
7日目:初日のB問題を答えなしで再テストし、同じ誤りの再発数を記録する。 8日目:becauseを用いて身近な理由を1文で書く。
9日目:比較級やif節が既習なら2文ずつ作る。未習なら弱点単元に置き換える。 10日目:学校の教材から選択問題5問を抜き出し、答えを隠して全文を書き直す。
11日目:返却答案の誤答5問を、主語か時制を変えた類題にして自力で解く。 12日目:設問の指定語句・文数・意味を確認しながら3題書く。
13日目:学校の試験範囲に合う初見類題を制限時間内に解く。 14日目:Bの既習設問と学校の誤答を再テスト。正答数と誤答原因の変化を記録する。
14日間で必ず成績が上がるという意味ではありません。成果の目安は「Bの既習問題を何題自力で書けたか」「同種の誤りを繰り返した回数」「新しい文で文法を使えるか」です。復習負担が大きい場合は、1日3文を正確に仕上げることを優先してください。
英検3級ライティングとの違いも確認する
日本英語検定協会の公式情報では、英検3級のライティングはEメールへの返信1題と、質問への意見英作文1題の記述式です。基本の短文が作れるようになれば、理由を追加した文章へ発展しやすくなりますが、学校の和文英訳と英検の意見英作文は課題の条件が異なります。英検に取り組む際は公式の出題形式と過去問も別に確認してください。日本英語検定協会「3級の試験内容」、公式過去問。
保護者様が答案を見て確認する3つのこと
①できなかった理由:「難しかった」ではなく、単語を思い出せなかったのか、語順を間違えたのか、指示を読めなかったのか本人に聞く。②翌日の再現:正解を見て理解した後、翌日同じ文型の別文を白紙で書けるか確かめる。③学校との整合:学校から指定された範囲や提出物に合う練習か確認する。保護者様が英文を逐一添削できなくても、正答の説明ができるか、誤答が減っているかを確認するだけで学習支援になります。
関連:中高一貫校の英語・間違いノートの作り方、問題の聞かれ方が変わると解けないときの対策。
よくある質問
学校ワークの選択問題を何周もすれば英作文も書けますか?
選択問題の反復は基礎の理解に役立ちますが、それだけで自力記述が身についたとは判断できません。正答を見ないで同じ文法の別文を書けるかを確認してください。
中2でも中1の文法に戻るべきですか?
誤答に直結する既習文法から戻るのが合理的です。学校の授業を止めて全範囲を一律に復習するのではなく、答案から必要な単元を特定します。
自由英作文を最初から長く書かせるべきですか?
1文も安定して書けない場合は、主語と動詞の整った短文から始めます。書けるようになったら、質問への回答、理由、例の順に内容を広げます。
英検3級に受かっていれば学校の英作文はできるはずですか?
必ずしもそうではありません。英検と学校では文章の長さ、形式、指定条件、採点基準などが異なります。返却答案を用いて学校形式での自力記述を確かめてください。
学校教材と返却答案を使った個別の英作文対策
慶英会では、中高一貫校の英語で「選択問題なら分かるのに書けない」という悩みに対し、学校教材・テスト答案・授業進度を確認し、語彙の再生、文の骨組み、動詞の使い方、設問条件の読み方を分けて学習方針を考えます。一般的な問題集を追加する前に、本人の学校で実際に起きている失点の原因を整理したい場合は、慶英会公式サイトのオンライン個別指導・無料体験のご案内をご確認ください。
参考資料・更新日
参考:文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」(書く活動と段階的指導)、日本英語検定協会「3級の試験内容」(ライティング形式)。情報確認日:2026年10月11日。診断24問、解答、失点分類、14日間の計画は慶英会の独自作成です。学校の過去問・公式採点基準ではありません。