中学生の定期テストが返ってきて、「前回は80点だったのに60点になった」「中1までは問題なかったのに中2から急に下がった」「本人は勉強しているのに点数が取れない」と不安になる保護者様は少なくありません。
結論から言えば、定期テストの点数が下がったときに最初にするべきことは、勉強時間を増やすことではなく、点数が落ちた原因を答案から特定することです。
同じ60点でも、平均点が大きく下がったテストと、基礎問題を大量に落としたテストでは意味が異なります。また、原因が「知識不足」なのか「演習不足」なのか「時間不足」なのかによって、次に行う勉強も変わります。
この記事では、中学生の成績が急に下がる主な原因、定期テスト結果の正しい見方、英語・数学・国語・理科・社会それぞれの立て直し方、中1・中2・中3で注意するポイント、塾へ通っているのに成績が下がる場合の判断基準まで整理します。
結論|「何点下がったか」より「どこで失点したか」を見る
定期テストで前回より10点、20点下がると、まず点数に目が向きます。
しかし、点数だけでは原因は分かりません。
確認する順番は次の通りです。
- 今回の点数
- 今回の平均点
- 前回の点数・平均点
- 大問別・単元別の失点
- 解けなかった問題の種類
- テスト前に何を勉強したか
- 学校ワークや提出物の状況
例えば数学が、
前回70点 今回60点
だったとしても、
前回平均65点 今回平均48点
なら、単純に「学力が10点分下がった」とは言えません。
一方、
平均点はほぼ同じなのに、自分だけ70点から50点へ下がった
のであれば、原因を詳しく確認する必要があります。
点数は結果であり、答案は原因を探す資料です。
中学生の成績が下がる8つの主な原因
1.前の単元が理解できていない
英語と数学では特に多い原因です。
例えば英語は、
be動詞 ↓ 一般動詞 ↓ 三単現 ↓ 過去形 ↓ 助動詞 ↓ 不定詞 ↓ 比較 ↓ 受動態
というように、以前の知識を使いながら新しい内容へ進みます。
数学も、
正負の数 ↓ 文字式 ↓ 方程式 ↓ 比例・反比例 ↓ 一次関数
など、前の理解が次の単元に影響します。
現在のテスト範囲だけ勉強していても、土台となる単元が曖昧なら得点が安定しません。
2.「分かった」で終わり、問題演習が足りない
授業を聞いて、
「分かった」
と思うことと、テストで自力で解けることは別です。
例えば数学で先生の解説を聞けば理解できても、何も見ずに類題を解けなければ定着したとは言えません。
英語でも、文法説明は理解しているのに、
日本語から英語を書く 穴埋めする 語順を並べ替える
といった問題になると解けないことがあります。
勉強しているのに点数が上がらない生徒では、インプットに対してアウトプットが不足している場合があります。
3.学校ワークを「提出すること」が目的になっている
学校ワークを期限内に提出することは重要です。
しかし、
答えを見ながら埋める ↓ 提出する ↓ 終わり
では、テスト対策として十分とは限りません。
本来は、
1回目:解く 2回目:間違いだけ解き直す 3回目:まだできない問題を再確認する
という形で、できない問題を減らしていく必要があります。
「ワークは全部終わったのに点数が取れない」という場合は、何周したかより、間違えた問題を自力で解けるようになったかを確認してください。
4.テスト勉強を始める時期が遅い
テスト3日前になってから、
英単語 数学ワーク 理科 社会 国語
をすべて始めれば、勉強時間が足りなくなるのは自然です。
特に範囲の広い期末テストでは、直前だけで対応することは難しくなります。
テスト前に全部を覚えようとするより、普段から、
- 英単語
- 数学の授業内容
- 小テスト
- 学校ワーク
を少しずつ処理しておく方が、直前期の負担を減らせます。
5.テスト範囲と勉強内容がずれている
長時間勉強していても、出題範囲とずれていれば得点にはつながりません。
例えば英語のテストで、
- 教科書本文
- 単語
- 文法
- 学校プリント
が中心なのに、市販問題集だけを進めているケースです。
定期テストは学校の授業内容から出題されるため、まず、
- テスト範囲表
- 教科書
- 学校ワーク
- 学校プリント
- 授業ノート
- 小テスト
を優先してください。
6.時間配分で失点している
実力不足ではなく、テスト中の時間配分が原因の場合があります。
例えば、
「最後の大問までたどり着かなかった」 「英作文を書く時間がなかった」 「数学の最初の問題に時間をかけすぎた」
というケースです。
この場合、必要なのは基礎から全部やり直すことではなく、
- 時間を測って問題を解く
- 解けない問題を飛ばす
- 見直し時間を残す
といった試験運用の改善です。
7.ケアレスミスが多い
「ケアレスミスだから次は気をつける」
だけで終わらせてはいけません。
ミスにも種類があります。
例えば、
- 符号
- 単位
- スペル
- 三単現のs
- 問題文の読み飛ばし
- 答えの写し間違い
などです。
同じ種類のミスを毎回しているなら、それは単なる偶然ではなく改善対象です。
「何を間違えたか」だけでなく、
どんな間違いを繰り返しているか
まで分類してください。
8.勉強方法が現在の難易度に合わなくなった
中1では、
「テスト直前に暗記すれば取れた」
という生徒でも、中2、中3になると同じ方法では通用しなくなることがあります。
学習内容が難しくなり、
- 理解
- 暗記
- 演習
- 応用
が必要になるためです。
成績が下がったときは、
「本人が怠け始めた」
だけでなく、
これまでの勉強法では対応できなくなった可能性
も考えてください。
定期テストが返ってきたら最初にする5つのこと
1.平均点を見る
自分の点数だけではテスト難易度が分かりません。
平均点が公表されるなら必ず確認します。
2.大問ごとに正答・誤答を分ける
英語なら、
- 単語
- 文法
- 長文
- 英作文
- リスニング
数学なら、
- 計算
- 方程式
- 関数
- 図形
- 文章題
などです。
3.間違いを原因別に分類する
おすすめは次の5分類です。
- 知らなかった
- 分かっていたが解けなかった
- 時間がなかった
- 覚えていなかった
- ケアレスミス
4.テスト前の勉強と照合する
例えば単語問題を大量に落としているのに、テスト前に単語学習をしていなかったなら原因は明確です。
5.次回変えることを3つ以内に決める
改善点を10個決めても続きません。
例えば、
- 英単語を毎日15分
- 数学ワークをテスト1週間前までに1周
- 間違えた問題をもう1回解く
程度に絞ります。
英語の成績が急に下がった場合
英語は積み上げ型なので、一度つまずくと点数が下がり続けることがあります。
英単語が原因の場合
テスト答案を見て、
- スペルミス
- 日本語の意味が分からない
- 長文中の単語が読めない
が多ければ、語彙不足を疑います。
単語はテスト前だけで大量暗記するより、毎日少量ずつ進めます。
文法が原因の場合
例えば中2で現在の文法が分からない場合、中1文法まで戻る必要があることがあります。
「今のLessonだけ」ではなく、どの文法から曖昧になったか確認します。
教科書本文が原因の場合
学校の定期テストでは、教科書本文や授業で扱った英文が重要になることがあります。
少なくとも、
- 英文を読める
- 意味が分かる
- 重要表現を説明できる
状態を目指します。
数学の成績が急に下がった場合
数学では、答案を見ると原因を比較的分類しやすいです。
計算問題も落としている
基礎から確認します。
公式や解法以前に、
- 正負の数
- 分数
- 文字式
- 方程式
等が正確に処理できるか確認してください。
計算はできるが文章題ができない
問題文を式へ変換する練習が必要です。
解説を読むだけでなく、自分で式を作る練習を増やします。
後半だけ白紙
理解不足ではなく時間不足の可能性があります。
時間を測って演習します。
解説を見れば分かるが一人ではできない
典型的な演習不足です。
同じ種類の問題を、解説を閉じて再度解きます。
国語の点数が下がった場合
国語は、
「センスだから対策できない」
と考えられがちですが、定期テストでは確認できる部分があります。
例えば、
- 漢字
- 語句
- 文法
- 授業で扱った文章
- 教科書本文
- 学校プリント
です。
まず知識問題を確実に取れているか確認します。
読解問題についても、
「何となく選んだ」
のではなく、本文のどこを根拠に回答するかを確認してください。
理科の点数が下がった場合
理科では、
- 用語暗記
- 実験
- 計算
- グラフ
- 理由説明
が混在します。
「理科が苦手」とまとめず、どの種類で落としているか分類します。
用語だけ覚えていて計算問題を落としているなら、暗記時間をさらに増やしても改善しません。
社会の点数が下がった場合
社会でも、
「暗記すればよい」
だけでは高得点を取りにくい場合があります。
例えば、
- 用語
- 地図
- 資料
- 年表
- 因果関係
- 記述
が出題されます。
用語を単独で覚えるだけでなく、
「なぜ起きたか」 「何と何が関係しているか」
まで説明できるようにすると応用問題へ対応しやすくなります。
「勉強しているのに成績が下がる」場合に確認すること
保護者様から見て、本人が毎日机に向かっているのに点数が下がる場合があります。
この場合、学習時間ではなく学習内容を確認してください。
例えば1時間勉強していても、
40分:ノートをきれいにまとめる 20分:教科書を読む
だけでは、問題を解く時間がほとんどありません。
一方、
20分:復習 30分:問題演習 10分:間違い直し
なら、同じ1時間でも内容が異なります。
勉強時間より「その時間で何をしたか」を確認することが重要です。
中1で成績が下がった場合
中1は小学校との違いに注意します。
中学校では、
- 定期テスト
- 教科数の増加
- 部活動
- 提出物
- 教科担任制
- 学習内容の難化
など環境が大きく変わります。
小学校で高得点だった生徒でも、中学校で急に点数が下がることがあります。
中1では、
「まだ最初だから」
と長期間放置せず、英語・数学の基礎が理解できているか早めに確認してください。
中2で成績が下がった場合
中2は特に注意したい学年です。
中1で曖昧だった内容を使いながら、新しい単元が進みます。
また、高校受験はまだ先に感じるため、学習への緊張感が下がる生徒もいます。
数学では一次関数や図形、英語では新しい文法事項が増え、単純暗記だけでは対応しにくくなります。
中2で点数が落ち始めた場合、
「次のテストだけ頑張る」
のではなく、
中1からどの部分が抜けているか
を確認することが重要です。
中3で成績が下がった場合
中3では高校受験との関係も考える必要があります。
定期テストだけでなく、
- 内申
- 模試
- 過去問
- 志望校
- 入試問題
を総合して見ます。
学校の定期テストだけ下がったのか、模試も下がっているのかによって原因は異なります。
中3では残された期間も重要なので、「全部やり直す」のではなく優先順位を付けます。
中高一貫校で成績が下がった場合
中高一貫校では、公立中学校向けの一般的な進度と異なる場合があります。
学校によっては、
- 英語や数学の進度が速い
- 学校独自教材を使用する
- 小テストが多い
- 課題量が多い
- 高校内容へ早く進む
ことがあります。
そのため、
「市販の中2問題集をやればよい」
とは限りません。
まず確認するのは、
- 学校で現在どこを学んでいるか
- どの教材を使っているか
- 定期テストが何から出題されるか
- どこから理解が止まっているか
です。
中高一貫校では高校受験がない場合でも、成績低下を長期間放置すると高校内容へ進んだときの負担が大きくなる可能性があります。
前回より20点下がったら塾へ行くべき?
「何点下がったら塾」という絶対基準はありません。
一度のテストだけで判断せず、原因を確認します。
例えば、
- テスト自体が難しかった
- 特定単元だけ苦手だった
- 学習開始が遅かった
なら、家庭学習の変更だけで改善できることがあります。
一方、
- 複数回連続で下がっている
- 授業自体が分からない
- 前学年まで戻る必要がある
- 何を勉強すればよいか分からない
- 家庭では学習計画を管理できない
場合は、塾や家庭教師等の外部支援を検討する価値があります。
塾に通っているのに成績が下がる場合
すでに塾へ通っているのに成績が下がると、
「塾が合っていないのでは」
と考える保護者様もいるでしょう。
すぐ転塾する前に、次を確認してください。
塾で何を勉強しているか
学校の定期テスト対策が目的なのに、塾では受験向け先取り授業だけをしている場合、目的がずれている可能性があります。
宿題を実行できているか
週1回60分の授業だけでは、学習量が不足することがあります。
授業外で何をする設計になっているか確認します。
現在の学力に合っているか
集団授業についていけていない場合、授業を追加しても改善しないことがあります。
塾へ相談しているか
最新の学校テストを塾へ見せて、
「どこが原因ですか」
と具体的に相談してください。
答案を見ずに塾を変えるより、まず現状を共有する方が合理的です。
集団塾から個別指導へ変えた方がよいケース
例えば、
- 集団授業の内容を理解できない
- 前学年まで戻れない
- 学校の進度と塾が合わない
- 一人では質問できない
- 特定科目だけ大きく遅れている
という場合、個別指導の方が調整しやすいことがあります。
一方、集団塾でもクラス変更や補習等で対応できる場合があります。
まず現在の塾へ相談してください。
次のテストまでの4週間立て直しプラン
4週間前
前回テストを分析します。
苦手単元を3つ以内に絞ります。
3週間前
普段の学校授業に合わせながら、苦手単元を復習します。
英単語など暗記系はこの時期から始めます。
2週間前
テスト範囲が分かったら、学校ワークを進めます。
できない問題に印を付けます。
1週間前
新しい問題集を増やすより、間違えた問題を再度解きます。
暗記科目も確認します。
前日
すべてをやり直すのではなく、
- 単語
- 公式
- 漢字
- 間違いやすい問題
など最終確認に絞ります。
保護者様がやらない方がよいこと
点数を見た瞬間に叱る
先に答案を確認します。
「もっと勉強しなさい」で終わる
何をどう変えるか具体化します。
勉強時間だけ増やす
方法が間違っていれば、同じ方法を2倍行っても改善しない場合があります。
他の子と比較する
見るべきなのは本人の前回結果と今回結果です。
すぐ教材を大量に買う
まず学校教材を十分使えているか確認してください。
保護者様ができるテスト返却後の声かけ
例えば、
「何点だったの?」
だけで終わらず、
「今回はどこが一番難しかった?」 「時間は足りた?」 「次は何を変えたら上がりそう?」
と聞く方法があります。
目的は反省させることではなく、
次に何を変えるかを一緒に特定すること
です。
よくある質問
Q1.中学生の成績が急に下がるのはよくありますか?
テスト範囲や難易度、学習内容の変化によって点数が上下することはあります。1回の点数だけで学力低下と断定せず、平均点や答案内容を確認してください。
Q2.10点下がったら心配した方がよいですか?
点数差だけでは判断できません。平均点が同程度なのか、どの問題で失点したのかを確認する必要があります。
Q3.勉強しているのに成績が下がるのはなぜですか?
問題演習不足、勉強内容とテスト範囲のずれ、過去単元の理解不足などが考えられます。勉強時間より内容を確認してください。
Q4.中2になって急に成績が下がりました。
中1内容を前提に学習内容が難しくなるため、過去の弱点が表面化することがあります。現在単元だけでなく、中1の必要部分まで戻って確認してください。
Q5.塾に行っているのに成績が下がっています。辞めるべきですか?
すぐ辞める必要はありません。学校テストを塾へ見せ、現在の課題、授業内容、宿題、今後の対策を確認したうえで判断してください。
Q6.中高一貫校で成績が下がっています。
学校独自の進度や教材がある場合、一般的な中学生向け教材だけでは合わせにくいことがあります。学校教材・授業範囲・定期テスト範囲を基準に現在地を確認してください。
Q7.次のテストですぐ点数を戻せますか?
原因と現在の理解度によります。一度のテストで完全に戻すことだけを目標にせず、次のテストまでに改善する項目を2〜3個に絞る方が現実的です。
まとめ|成績低下は「もっと勉強する」前に原因を特定する
中学生の定期テストの点数が下がったとき、
「勉強不足」 「スマホのせい」 「やる気がない」
と最初から決めつけないことが重要です。
確認するべきなのは、
- 平均点
- 答案
- 単元別の正答
- 基礎問題
- 応用問題
- 時間不足
- ケアレスミス
- テスト前の勉強内容
です。
そのうえで、
原因を一つずつ次の行動へ変えます。
英単語不足なら単語学習を増やす。
数学の基礎が抜けているなら必要な単元まで戻る。
時間不足なら時間を測った演習を行う。
学校ワークを1回解くだけで終わっているなら、間違い直しを加える。
「もっと頑張る」ではなく「何を変えるか」まで具体化できれば、次の定期テストへの対策が明確になります。
参考にした主な公式情報
- 文部科学省「全国的な学力調査(全国学力・学習状況調査等)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/
- 文部科学省「令和8年度 全国学力・学習状況調査」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/zenkoku/1417152_00016.htm
- 文部科学省「中学校学習指導要領」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm
情報確認日:2026年10月6日
定期テストが下がり続けている保護者様へ
慶英会では、中学生・中高一貫校生を対象にオンライン個別指導を行っています。
定期テストの点数が下がっている場合も、単に授業時間を増やすのではなく、
- 最新のテスト答案
- 学校教材
- 現在の授業範囲
- 過去の理解不足
を確認し、どこから立て直す必要があるかを整理します。
特に中高一貫校では、学校ごとに教材や進度が異なるため、学校で実際に使っている教材とテスト範囲に合わせた対策が重要です。
「勉強しているのに点数が上がらない」 「集団塾へ通っているが学校のテストに合っていない」 「中1・中2のどこから戻ればよいか分からない」
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