中高一貫校に通う中学生が、英語の単語テストや文法小テストで不合格を繰り返す。保護者が「このまま定期テストも下がるのでは」「毎日勉強しているのに、なぜ覚えられないのか」と不安になるのは自然です。最初に確認すべきなのは、勉強時間ではなく、小テストの『何ができなかったか』と、家でどの方法で覚えていたかです。
小テストの点数が低い理由には、単語の意味が分からない、意味は分かるが綴れない、家ではできるのに翌日に忘れる、文法は理解したつもりでも自力で英文を作れない、準備する範囲がずれているなど、異なる問題があります。対応を間違えると、勉強量だけ増え、本人の自信と家庭の時間を消耗しかねません。
この記事では、点数から原因を切り分ける5つの観点、結果別の学習の変え方、1週間の学校優先プラン、親子で話す内容、学校・塾への相談の目安を整理します。学校名・教材名にかかわらず使える基本的な考え方ですが、評価基準や授業進度は在籍校の案内を必ず優先してください。
結論|小テストの不合格は「理解不足」「再現不足」「学習設計」の3層に分ける
同じ20点満点の8点でも、間違えた理由が異なれば学習方法も変わります。保護者は点数を責めるより、①知っているか、②見ずに使えるか、③翌日も残っているかの順に確認すると、次に何をするかを決めやすくなります。
- 理解不足:単語の意味が分からない、英文の主語・動詞が分からない、授業の説明を理解できていない。まず学校教材に戻る。
- 再現不足:解説を読めば分かるが、自力で単語や英文を書けない。答えを隠した短い再現練習を増やす。
- 学習設計の問題:テスト前夜だけ詰め込む、範囲表を見ていない、答え合わせをしない、翌日の確認をしていない。学習の順序とタイミングを変える。
この3層は慶英会が家庭で学習課題を整理するために提案する枠組みです。医学的な診断、知能・能力の判定、標準化された学力検査ではありません。学校の授業を受けているのに極端に困難が続くときは、保護者だけで原因を決めず、学校に相談してください。
小テストの種類を分ける|単語テストと文法テストは同じ対策にしない
1.英語を見て日本語を書く小テスト
英単語を見て意味を答える問題では、まず語と意味の対応が重要です。スペルを一字ずつ暗唱させる前に、学校が指定した語の意味を自分の言葉で言えるかを確かめます。選択肢なら答えられるが、選択肢を外すと答えられない場合は、見覚えと再現できる知識を区別してください。
2.日本語を見て英語を書く小テスト
こちらは意味を見て英単語を取り出し、正しい綴りを書く必要があります。英単語の意味を言えるだけでは不十分です。例えば『必要な』と聞かれてnecessaryと書く場合、意味は知っていても、綴りの一部が抜けて失点することがあります。本人の解答に実際にどのような誤りがあるかを記録し、綴りが曖昧な語に絞って復習します。
3.並べ替え・空所補充の文法小テスト
時制・主語と動詞の一致・助動詞・不定詞などの知識が必要ですが、選択問題の正答と自力で文を作る力は一致しません。例えばHe (play / plays) soccer.の選択はできても、日本語からHe plays soccer.と書けないなら、英文を自分で組み立てる練習を優先します。
4.教科書本文・リスニング・音読に関係する確認テスト
本文の内容を問う試験では、語彙だけでなく文構造や内容理解が問われます。音声を伴う確認では、聞き取れない音と意味が分からない語を分けてください。『英語をひたすら書く』対策が、すべての小テストに有効とは限りません。
小テストを返却された日の5分間|保護者が聞く質問
保護者が英語を教えなくても、答案を一緒に見ながら状況を整理できます。重要なのは原因を決めつけないことです。
- 今回のテストは何をできるようにするテストだった? 単語の意味、綴り、文法、教科書本文などの形式を確認する。
- どの問題なら解説なしで今すぐ解き直せる? その場で再現できる問題とできない問題を分ける。
- 家庭で勉強したときは答えを見ていた? 眺めた回数と、自力で取り出した回数を区別する。
- どの教材・範囲から出た? 学校の範囲表、授業ノート、プリント、指定問題集を確認する。
- 次の小テストはいつ? 他科目や部活動、提出物と重なる日を見て現実的な準備日を決める。
この段階で『何回書いたの』『なぜできないの』と追及すると、本人が分からない部分を言い出しにくくなる場合があります。実際の答案から、次に直すことを1〜2点に絞る方が、短い面談でも行動につながります。
原因別の改善法|何を変えればよいかを対応表にする
A.意味を見ても答えが分からない
まず今回の範囲に出てきた単語を、学校教材の文脈とともに確認します。例文を読んで意味が分かるか、似た語と混同していないかを確かめ、分からなかった語だけ再確認します。最初から何十語も手当たり次第に書くより、説明できない語と、知っているが取り出せない語を分けることが重要です。
B.意味は分かるが綴りを間違える
一度正しい綴りを確認したら、教材を閉じ、紙に書いて比較します。スペルミスの種類を残します。例えば文字の抜け、母音の取り違え、語尾の変化などです。同じ単語を連続で10回書くより、別の学習を挟んで再度書けるかも試します。ただし、書く練習が必要な単語を『見るだけ』に置き換えるのも適切ではありません。
C.家では満点だが翌日の学校では解けない
直前の反復で正解できても、時間がたつと忘れることがあります。その場の正解と翌日の再現は別に記録します。例えば夕方に覚えた単語を、翌朝に答えを見ずに5問だけ確認し、間違えた語は次の復習に残します。学校のテスト時間や緊張などの影響もあるため、忘却だけが原因とは決めつけません。
D.文法の規則を説明できるが、英作文は書けない
be動詞、一般動詞、三単現、過去形などの既習範囲で、『日本語から短い英文を組み立てる』練習をします。例文を1つ覚え、主語や時制を変更した別の例文でも答えられるか確認します。例えばShe studies English.を学んだら、Does she study English?にできるか、なぜstudiesがstudyに戻るか説明できるかを確かめます。
E.範囲を勘違いしていた、そもそも準備していない
覚え方ではなく段取りの問題です。範囲表がどこにあるか、いつ準備を始めたか、学校ワークの提出期限と重なっていないかを確認します。本人が管理できる範囲に合わせ、次回のテスト範囲・日付・優先する課題だけ決めます。予定を作り過ぎると守れずに終わるため、まず必要最小限から始めます。
研究の根拠|読み直すだけではなく、答えを隠して思い出す
学習法については、心理学の研究レビューが、練習テストや学習を時間的に分散させる方法を比較的有用性の高い技法として評価しています。例えばDunloskyら(2013)のレビューは、単なる読み直しだけに頼らず、答えを見ずに取り出す練習や学習機会を分ける工夫を検討する根拠になります。参考:Association for Psychological Science掲載の研究紹介。
ただし、研究は『単語なら一律何回書けば合格する』という数値基準を示しているわけではありません。語の難度、既習の程度、教材、試験形式によって最適な方法は異なります。小テスト対策へ応用するときも、学校で問われる技能に合わせ、短く思い出す練習と誤答の確認を組み合わせることが前提です。
次の小テストまで7日ある場合の現実的な進め方
毎日長時間の英語学習を新たに足すのではなく、すでに取り組む学校課題の一部を『見て覚える』から『見ずに答える』へ置き換える方法です。以下は学校のテスト範囲・本人の体調・他科目の課題に合わせて変更する一例です。7日で必ず満点になるという意味ではありません。
- 7日前:次の小テストの範囲と形式を確認し、まだ説明できない単語・文法を探す。
- 6日前:意味が分からない語と、意味は分かるが書けない語を分け、学校指定教材で確認する。
- 5日前:教材を閉じて少数の問題に自力回答。できなかった語や文だけを残す。
- 4日前:別単元の学校課題と組み合わせ、前日に間違えた内容を再確認する。
- 3日前:単語の意味・綴り・文法のうち、学校が実際に問う形式で短い確認をする。
- 2日前:学校ワーク・本文・プリントに戻り、曖昧な箇所を再度確かめる。
- 前日:間違えた内容を短時間で見直し、睡眠を削る過度な詰め込みを避ける。
テストまで3日しかない場合も、最初に範囲と形式を確認することは変わりません。何を問われるか不明なまま新しい教材を増やすより、範囲内で確実に得点へ結び付く基礎部分を優先します。再試験や提出課題がある場合は、学校から指定された期限を最優先してください。
小テストが週2〜3回ある場合|毎回を一夜漬けで処理しない
英語以外の小テストや提出物もある中高一貫校では、英語だけを毎日何時間も増やす計画は続かない場合があります。考え方は、次回範囲の確認、前回誤答の短い復習、翌日の確認という3つをルーチン化することです。
- 前日準備だけで終えない:テスト後に残った苦手語も週の中で少しずつ再確認する。
- 全部を一からやり直さない:繰り返し間違える部分と初見の部分を分ける。
- 英作文の小テストなら文章を作る:日本語から英文を書く形式なら、単語の眺め直しだけでは不足する。
- 家庭で新しい市販教材を増やす前に:学校配布プリント・指定問題集・小テスト解答を揃える。
例えば毎週のテストで同じ語尾変化を間違えるなら、それは『ケアレスミスだから次は注意』ではなく、練習するべき技能が残っていることを示しています。逆に単発のミスを過大評価して、長時間の罰則的な勉強を増やす必要はありません。
中1・中2・中3で見方を変える
中1|英語の学習手順そのものが身についていない
英語を『見て覚える』段階から『何も見ずに書いて確かめる』段階へ移行できていない場合があります。be動詞と一般動詞、主語による動詞の形の変化、疑問文・否定文など、現在の範囲以前につまずきがないか確認します。小学校での英語経験だけで判断せず、中学校で求められている問題形式を具体的に見ましょう。
中2|単元が増えて、前の理解不足が表面化してくる
授業で新しい文法に進む一方、過去形、疑問文、語順などの既習範囲が曖昧だと、授業を聞いていても答えを作りにくくなります。新しいテスト範囲ばかり追うのではなく、どの文法から戻ればよいかを1つずつ確かめます。
中3|学校の進度と到達目標を確認する
一部の中高一貫校では中学段階から高校の内容に接続した指導が行われます。ただし、すべての学校で同じ教材・同じ進度とは限りません。英検の目標だけを優先して学校の小テストを放置することも、逆に英検を一律に中断することも、個別事情を見ずには決められません。学校の成績評価や次の学習目標も含めて判断します。
保護者が避けたい4つの対応
- 小テストの点数だけで本人の努力を否定する:本人が実際にした準備と、点数が出なかった理由を分けて確認する。
- いきなり英単語を大量に書かせる:テストが意味・綴り・文法のどれを問うのかを確かめる。
- 教材を次々と買い足す:学校教材の課題が未消化なら、まず現状を整理する。
- 学校の小テストと定期テストの基準を混同する:小テストの評価への反映は在籍校の説明を優先する。
子どもが『分からない』と言えない状態になっている場合は、成績の話題そのものが負担になっている可能性があります。まず話し合う時間を短くし、勉強内容を一度に決め過ぎない方がよい場合もあります。家庭だけで対応しきれないときは、学校の先生や既存の塾に相談してください。
学校に確認したいこと|小テストと通知表・補習の関係
中学校の学習評価に関しては、国立教育政策研究所が『指導と評価の一体化』のための参考資料を公表しています。中学校外国語に関する資料も閲覧できます。国立教育政策研究所・学習評価に関する参考資料。
一方、実際の成績評価や追試・補習の運用、通知表への反映は学校や教育課程・学年によって異なります。保護者から先生へは、次のように聞くと確認が具体的になります。
- 小テストで繰り返し失点している部分は、語彙・文法・英作文などのどの技能でしょうか。
- 小テストの結果は、定期テストや平常点、年間の成績評価でどのように扱われますか。
- 現在の本人が最優先で復習すべき、既習範囲の単元はどこでしょうか。
- 次回テストまでに、学校教材のどの部分を自力で解ける状態にすべきでしょうか。
『家庭で何分勉強すれば必ず改善しますか』と聞くより、『次の小テストで何ができれば前進と言えるか』を具体化する方が、家庭でも行動しやすくなります。
外部の個別指導を検討する目安|1回の失敗だけで決めない
小テスト1回の不合格だけで塾の追加を判断する必要はありません。学校の補習や本人の自学で改善できる場合もあります。次のような状態が続く場合は、現在の支援方法が本人に合っているか確認する価値があります。
- 前学年からの基本文法が理解できず、現在の授業が分からない。
- 単語の意味と綴り、文法、読解のどこが弱いかを本人が説明できない。
- 何度も同じ失点を繰り返すが、解き直しや復習の仕組みがない。
- 学校教材が多く、どの課題を優先すべきか家庭で整理できない。
- 補習・追試の対象となり、学校の期限に対応する必要がある。
個別指導を選ぶなら、学校の教材と直近の答案を確認し、できていない単元まで戻れるかを判断基準にしてください。英検の級だけで授業内容を決めず、学校の進度や定期テストの優先順位も調整できるかが重要です。
単語・文法のどこから復習すべきか判断しにくい場合:小テストの答案、学校教材の該当ページ、次回テストの日付を整理すると、学校の先生や個別指導者へ具体的に相談できます。慶英会の中高一貫英語の指導内容と無料体験の受付案内は公式サイトでご確認ください。小テスト1回の不合格だけで入塾の必要性を決めるものではありません。
よくある質問
英単語の小テストで毎回不合格です。1日何語を覚えればよいですか?
一律の語数を決める前に、テスト範囲・難度・現在の正答状況を確認してください。例えば20語のうち15語を書ける生徒と、20語の意味をほとんど知らない生徒では、必要な学習が異なります。量の目標よりも、前日に覚えたものを翌日に自力で再現できるかを確認します。
家では書けているのに学校の小テストで点数が取れません。なぜですか?
答えを見ながら練習していた、同じ順番だけで覚えていた、翌日には忘れていた、試験形式が違った、緊張や時間制限の影響を受けたなど、複数の可能性があります。家と学校の問題形式を比較し、答えを見ずに初見の順番で再現できるかを確認してください。
小テストの点数が悪いと内部進学できませんか?
小テストの一回分の結果だけで内部進学の可否は決まりません。日常の評価、定期テスト、年間評定、進級・内部進学要件は学校ごとに異なります。個別の条件は学校の公式案内や担当教員に確認しましょう。
保護者が英語を教えられなくても対応できますか?
できます。教材と次回テストの範囲を揃える、本人が『見ずに答えられるか』を確認する、誤答の種類を先生に伝えるなどの支援は、教科の専門知識がなくても可能です。保護者が解説役を担う必要はありません。
NEW TREASUREを使っている場合も同じ勉強法でよいですか?
基本となる『出題範囲を確認し、自力で答え、誤答に戻る』という考え方は応用できます。ただし、NEW TREASURE(ニュートレジャー)のどのStage・Lessonを扱っているかや、小テストの出題形式は学校によって異なります。教材本文を無断転載したり、学校の出題内容を推測して断定したりせず、学校配布の範囲表を最優先にしてください。
関連記事|定期テストに影響が出たとき
小テスト以外にも心配な点がある場合:英語の定期テスト、学校ワーク、授業についていけないことなど、複数の悩みを整理するには、保護者向け・中高一貫校の英語5つの原因別ガイドをご利用ください。学校から追試・補習の連絡がある場合は期限の確認を優先します。
学校ワークを最後まで終えたのに英語の定期テストで点数が取れなかった場合は、学校ワークを3周しても英語の点が伸びない原因と、答案からの確認手順も参考にしてください。単語の意味・綴りと、穴埋め・英作文の違いを区別する方法を解説しています。
学校の進度に合った学習の優先順位を整理したいご家庭へ
小テストの不合格が続くときは、焦って英語の学習量を増やす前に、学校教材、答案、既習範囲、次回テストの期限を確認することが第一歩です。学校に合わせて、基礎の復習と現在の授業への対応を同時に進める必要がある場合は、第三者の指導を活用する方法もあります。
慶英会では、中高一貫校の英語と英検対策を扱うオンライン個別指導を行っています。指導内容や無料体験の案内は、慶英会公式サイトをご確認ください。無理に入塾を決めるのではなく、現在の学校の課題やテスト結果を整理し、何から取り組むべきかを確かめることが重要です。
LINEでの無料体験・英語学習のご相談:慶英会の公開案内に記載されている公式LINEからもご連絡いただけます。最初のメッセージには、学年・学校で使用している英語教材・現在困っている内容(例:英単語・文法の小テストで不合格が続く)・相談したいことを簡潔にお知らせください。個人情報や答案の画像は公開コメント欄へ投稿しないでください。無料体験の条件や受付状況は公式サイトの案内をご確認ください。
監修:慶英会 塾長
参考にした主な公式情報・研究
- 国立教育政策研究所『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料
- Dunloskyほか(2013)学習方略に関する研究レビュー・Association for Psychological Science
- Education Endowment Foundation:学習内容を思い出す練習の研究と現場導入上の注意点
※記事内の質問手順・原因別の分類・7日間プランは、教育的な判断を整理するための慶英会による提案です。特定の学校・生徒を調査した結果、効果検証済みの独自プログラム、定期テストの得点保証を意味するものではありません。




