中高一貫校で英語の成績が下がったとき、最初に迷うのは「学校の先生に相談するべきか、塾に相談するべきか、それとも家庭で様子を見るべきか」という点です。結論から言えば、学校での評価基準・授業・提出物・補習など学校側にしか分からないことは学校へ、本人の答案や学習手順を分析して次の勉強を組み立てることは塾へ、毎日の時間と取り組み方を整えることは家庭で扱います。三者の役割を分けると、同じ説明を何度も繰り返したり、保護者が学校と塾の間を伝言役として走り回ったりする負担を減らせます。

慶英会 塾長|慶應義塾大学卒・英検1級
中高一貫校の学校英語・NEW TREASURE・英検対策を専門とするオンライン個別指導塾です。塾長紹介
ここでは、特定の学校の内部情報や独自の評価基準を推測せず、一般的な中高一貫校の英語学習で使える判断軸を整理します。実際の成績評価、補習・追試の条件、質問方法、連絡手段は学校ごとに異なります。学校から配布された学習案内・生徒手帳・保護者向け連絡を確認し、不明点は学校の定める窓口で確認してください。
最初に決めるのは「誰が悪いか」ではなく「何を確認するか」
英語の成績が下がると、本人は「授業が難しい」、保護者は「家で勉強していない」、塾は「基礎が抜けている」と、立場によって見えている原因が違うことがあります。どれか一つが必ず正しいとは限りません。学校の授業で扱った内容を理解していないのか、理解はしているが自力で解けないのか、覚えた内容をテストで使えないのか、提出物や小テストの条件を把握できていないのかを分けてください。
「英語が下がった」という一つの結果だけでは、必要な対応は決まりません。定期テストの点数、観点別評価、課題の提出状況、授業中の理解、家庭学習の時間は、それぞれ別の情報です。点数だけを見て塾を変える、提出物だけを増やす、保護者が毎晩つきっきりで教えるといった対応を急ぐ前に、どの情報が不足しているかを確認します。
学校の先生に相談するべきこと
学校の先生に相談する価値が高いのは、学校の授業・評価・課題・補習に関する事実を確認したいときです。例えば、今回の試験範囲に含まれた単元、授業で重視された表現、提出物の条件、未提出の扱い、観点別評価の見方、補習や再テストの対象・日程などです。これらは塾が外から推測しても正確には分かりません。学校の配布物や学習ポータルに書かれている内容を先に確認し、書かれていない点だけを質問すると、やり取りが短くなります。
- 試験範囲・授業内容:授業で特に確認してほしい単元や、教科書・ワークの指定範囲。
- 評価の基準:点数以外に、どの課題・発表・小テスト・学習活動が評価に関係したか。
- 提出物:提出期限、提出方法、再提出の可否、未提出分の扱い。
- 授業中の様子:指示を聞き取れているか、ノートや活動に参加できているか、質問できずに止まっていないか。
- 学校内の支援:補習、質問時間、再テスト、学習相談など、学校で利用できる制度や手順。
先生に「どうすれば成績が上がりますか」とだけ尋ねるより、「今回の答案では、文法問題と読解問題のどちらで失点が多かったでしょうか」「授業で扱った課題のうち、本人が自力でできていない部分はどこでしょうか」「次の単元までに学校で優先して復習してほしい内容は何でしょうか」と、確認したいことを一つずつ聞く方が具体的です。
塾に相談するべきこと
塾に相談するのは、答案・ノート・宿題・学習時間を材料に、本人がどこでつまずいているかを分析したいときです。学校の授業で何を扱ったかを共有したうえで、語彙の定着、文法の理解、英文の構造把握、設問の読み違い、記述の組み立て、復習の間隔などを確認します。学校の評価基準を塾が決めることはできませんが、本人が自力で解けるようになるまでの練習手順は具体化できます。
相談前に準備する6つの情報
相談の前に、学年・時期、使用教材と試験範囲、答案の失点、課題の提出状況、本人の言葉、相談の目的をメモしてください。完璧な資料は不要です。答案やノートを塾へ共有する場合は、不要な個人情報を隠し、本人と保護者が共有に同意した範囲にとどめます。
- いつから成績や学習の様子が変わったか。
- 学校の教科書・ワーク・配布プリントと直近の試験範囲。
- 単語、文法、読解、英作文、リスニングのどこで失点したか。
- 提出できた課題、遅れた課題、時間がかかった課題。
- 本人が「分からない」「質問しにくい」と感じていること。
- 評価基準、補習、授業理解、学習方法など、最初に確認したいこと。

慶英会 塾長|慶應義塾大学卒・英検1級
塾長の経歴・指導方針
中高一貫校の英語・定期テスト・英検の学習状況を整理し、必要な復習の優先順位を考えたい方は、無料体験・学習相談のご案内をご確認ください。最大1か月完全無料体験の対象・回数・担当講師は、お申し込み時にご案内します。
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連絡文例:学校と塾では質問を分ける
学校への連絡例:「英語の直近の定期テストについて、本人と答案を確認したところ、文法問題と読解問題で失点があり、授業内容の一部を十分に理解できていないと話しています。学校での授業中の様子や、優先して復習すべき内容について、差し支えない範囲で教えていただけますでしょうか。学校で確認しておくべき課題や支援制度があれば、併せてご教示いただけますと幸いです。」
塾への相談例:「本人は授業内容を復習していますが、解説を見ずに解き直すと正答できない問題があります。答案をもとに失点の原因を分類し、次の2週間で優先する単元・練習方法・家庭で確認する項目を決めていただけますか。学校課題と塾の宿題が重なりすぎないよう、課題量も相談したいです。」学校への連絡は指定された窓口・手順に従い、文例は実際の状況に合わせて調整してください。
ケース別:最初に誰へ相談するか
- 点数は下がったが授業は理解できている:答案を見て失点の種類を確認。採点条件は学校へ、解き方や復習方法は塾へ。
- 授業中に説明が分からずノートが空白:授業中の様子や質問機会を学校へ確認。前提知識の補強は塾へ。
- 提出物は出しているのに評価が低い:評価規準や課題の評価方法を学校へ確認。塾では不足している学力を補う。
- 塾の宿題が終わらず学校課題にも遅れが出る:学校課題の必須条件は学校へ、塾課題の量と優先順位は塾へ。
- 本人が答案を見せず相談を嫌がる:家庭では責めず、何を避けたいのかを聞く。必要なら学校の相談窓口へ共有する。
相談後の2週間で確認すること
相談後は、学校・塾・家庭それぞれで一つずつ行動を決め、2週間後に実行できたかを確認します。最初の数日は学校で授業・評価・提出条件を確認し、次に塾で優先単元と練習方法を決めます。その後、本人が復習して解説を見ずに解けたかを記録し、最後にできたことと残った課題を振り返ります。確認する指標は学習時間だけではありません。「分からなかった点を一つ質問できた」「前回間違えた問題を解説なしで解けた」「提出期限を本人が把握していた」など、行動や理解を示す項目を使います。
成績表の観点をどう確認するか
文部科学省は中学校等の学習評価を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の観点で整理しています。ただし、この枠組みだけで個々の学校の評定理由を断定することはできません。具体的な評価規準や課題の扱いは学校へ確認してください。「主体的に学習に取り組む態度」を、単純に提出回数やノートの量だけと同一視しないことも大切です。
相談先を選ぶ8つのミニケース
次のケースは、相談先を決める練習用の独自チェックです。実際の学校制度を示すものではありません。各ケースで最初に確認する相手を選び、理由も考えてください。
- 試験範囲の指定が配布物と本人の記憶で違う:まず学校へ。範囲の正式な確認が必要です。
- ワークの答えを見れば分かるが、翌日は解けない:塾へ。解き直しの方法と定着確認を相談します。
- 授業中に質問する時間があるか分からない:学校へ。質問窓口や授業のルールを確認します。
- 塾の宿題に時間がかかり、学校課題が遅れる:塾へ課題量を相談し、学校へは提出条件を確認します。
- 観点別評価の意味が分からない:学校へ。学校の評価規準と今回の説明を確認します。
- 英作文で同じ文法ミスを繰り返す:塾へ。誤りの種類を整理し、書き直しと再現練習を依頼します。
- 本人が英語の話をすると怒る・黙る:家庭で責めずに理由を聞き、必要なら学校の相談窓口へつなぎます。
- 学校から補習の案内が来たが、塾の予定と重なる:補習の目的・必須条件は学校へ、塾の振替や課題調整は塾へ相談します。
相談先を決める判断フロー|最初に確認する相手
相談先は「成績が下がった」という結果だけで決めず、今、誰に何を確認したいのかで分けます。学校にしか分からない制度・評価・授業の事実は学校へ、答案から学習上のつまずきを分析して練習方法を決めることは塾へ、毎日の時間・教材・提出予定を整えることは家庭で扱います。まず一つの疑問について、答えを持っている相手に確認してください。
| 確認したいこと | 最初の相談先 | 具体的な確認内容 |
|---|---|---|
| 試験範囲・評価規準・補習・追試・提出期限 | 学校 | 正式な範囲、対象条件、期限、校内支援 |
| 授業中の理解・質問方法・課題の指示 | 学校 | 授業で扱った内容、質問できる時間、困っている場面 |
| 単語・文法・読解・英作文の誤答原因 | 塾・個別指導 | 何を理解していないか、どの手順で止まるか |
| 解説後に自力で解けるか・復習の組み立て | 塾・個別指導 | ヒントなしの解答、別問題への応用、復習の間隔 |
| 学習開始時刻・教材の置き場所・提出予定 | 家庭 | 本人が続けられる時間、課題の優先順位 |
| 睡眠・登校・生活への大きな影響や安全面の心配 | 家庭と学校の相談窓口 | 学習量を増やす前に、本人の状態と必要な支援を確認 |
この表は相談の出発点であり、役割を固定する規則ではありません。学校から追試や再提出の期限が示されている場合は、まず学校の指示を確認します。授業内容を理解できずに困っている場合も、授業中の様子や校内支援を学校へ確認します。一方、授業で扱った内容を理解しているのに自力で英文を書けない場合は、答案や短い確認問題を使って学習手順を分析する価値があります。
一度の点数低下だけで、すぐに塾を増やす必要はありません。学校の補習や家庭での復習で対応できる場合もあります。反対に、同じ誤りが続く、本人が質問できない、何を復習すればよいか分からない状態が続くなら、外部の個別指導や学習相談を比較する選択肢があります。「塾に通うか」から始めず、「今の方法で解決できていないことは何か」から考えてください。
相談後の合意メモ|誰が・何を・いつまでに行うか
相談後は、長い議事録を作るより「担当する人」「具体的な行動」「期限」「できたかを確かめる方法」を短く残します。口頭で決めたことが曖昧なままだと、保護者が学校と塾の間で何度も伝言することになり、本人も次に何をすればよいか分からなくなります。次のように、役割ごとに一つずつ決めてください。
| 担当 | 決める行動の例 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 学校 | 試験範囲・評価・提出条件・補習の対象を確認する | 学校からの案内、教員の説明、本人が理解した期限 |
| 本人 | 学校課題を進め、分からない問題に印を付ける | 一問を自力で解いたか、質問したい点を一つ言えるか |
| 塾・外部指導 | 誤答を分類し、優先単元の説明と類題演習を行う | 解説を閉じた後に別の問題を自力で解けるか |
| 保護者 | 予定・教材・期限を確認し、取り組める時間を整える | 毎問の採点ではなく、決めた行動が無理なく続いているか |
本人の行動を確認するときは、「何時間勉強したか」だけで評価しないでください。学校課題を終えた後に答えを閉じて一問解き直せたか、間違えた理由を説明できたか、先生に質問する内容を一つ決められたか、といった具体的な行動を見ます。短期間で点数が上がることを約束するものではありませんが、何ができるようになったかを残せば、次に必要な支援を判断しやすくなります。
2週間後の振り返りで確認する3点
- 学校:試験範囲、提出期限、補習・追試など、確認したかった事実が分かったか。
- 本人:前回間違えた問題と同じ型の別問題を、解説を見ずに解けたか。
- 家庭・塾:決めた課題量が生活時間に合い、同じ課題を重複して出していないか。
うまく進まなかった場合は、本人の努力不足と決めつけず、課題が多すぎたのか、説明が不足していたのか、学校の範囲と合っていなかったのかを分けて見直します。塾との面談後に決めた改善が実行されているかを詳しく確認したい場合は、英語塾の保護者面談後30日間の確認方法も参考になります。
よくある質問
一度テストの点数が下がっただけでも、学校へ相談するべきですか。
必ずしも、すぐに面談を申し込む必要はありません。まず答案や小テストで失点の種類を確認し、試験範囲や提出期限など学校にしか分からない条件があれば、学校の指定窓口で確認します。補習・追試の期限が迫っている、授業中の理解に支障がある、同じ問題が続いている場合は、早めに相談する価値があります。
答案が手元になくても、塾へ相談できますか。
相談できます。学校の範囲表、教材の単元、宿題、小テスト、本人が解けなかった短い問題などから、現在の学習課題を確認できます。学校が答案を回収・保管している場合は、閲覧・撮影・記録のルールを守ってください。答案が家庭にない場合の復習方法も参考になります。
子どもが答案を見せたがらない場合は、保護者が確認してもよいですか。
無理に取り上げる前に、何を見られたくないのか、どこまでなら共有できるのかを本人に尋ねます。答案全体ではなく、本人が選んだ一問や教材の単元名から始める方法もあります。英語テストを見せないときの声かけと対応では、共有を強制しない確認方法を紹介しています。
学校に補習があるなら、外部の塾は不要ですか。
学校の補習で授業内容を理解でき、自力で解ける状態まで戻れるなら、外部指導を追加しなくてもよい場合があります。一方、補習の時間だけでは練習量が足りない、質問する機会が少ない、別の問題で再現できない場合には、必要な部分だけ外部の個別指導を組み合わせる選択肢があります。学校と塾の課題が重複しないよう、目的と役割を先に確認してください。
学校と塾の連携が必要な場合|共有する情報は必要最小限に
学校の補習と外部の個別指導を併用する場合や、塾の宿題が学校課題と重なる場合は、本人と保護者が共有してよい情報を選び、両方の目的を整理します。学校の先生と塾の講師が自動的に同じ情報を把握しているとは限りません。必要な場合は、本人・保護者が合意した範囲で、学校の予定や学習上の課題をそれぞれに伝えてください。
- 学校に確認する情報:補習・追試の日時、授業で扱う範囲、提出期限、学校で優先する課題。
- 塾に伝える情報:学校の範囲、本人が自力で解けない問題、塾の宿題に使える時間。
- 家庭で共有する情報:本人が無理なく取り組める曜日・時間、提出予定、次に質問したいこと。
例えば、学校の補習で過去形を復習する予定なら、塾では同じ説明を最初から繰り返すのではなく、別の英文で自力解答できるかを確認する方法があります。学校の課題が多い週は、塾の宿題を減らす・別日に移すなど、担当者と調整します。保護者が学校と塾の連絡をすべて代行するのではなく、本人が次にすることを理解できる状態を目指してください。
連携のために、答案や学校配布物を丸ごと共有する必要はありません。学校の規則、教材の利用条件、個人情報の扱いを確認し、必要な単元名や誤答の傾向だけで足りるかを先に考えます。学校・塾・家庭の間で説明が食い違った場合は、学校の制度や提出条件は学校へ、塾の指導内容は塾へ、それぞれの担当範囲に戻して確認してください。
相談を始めるときに避けたい3つのこと
- 点数だけで原因を決めつける:平均点や順位だけで判断せず、本人の答案や課題で実際に止まった箇所を確認します。
- 学校と塾へ同じ質問を重ねる:学校固有の制度・評価は学校へ、練習方法や自力解答の確認は塾へ分けて伝えます。
- 資料や宿題を一度に増やす:本人の負担と提出期限を確認し、今週取り組む課題を一つか二つに絞ります。
相談の目的は、保護者がすべてを管理することでも、塾へすべてを任せることでもありません。学校で確認する事実、本人が取り組む課題、外部指導で補う練習を分け、次に何をするかを本人にも分かる形にすることです。
参考にした主な公式情報
- 文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」:学校における生徒指導の基本的な考え方・取組。
- 文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」(平成31年通知):中学校等の学習評価の3観点と指導・評価の考え方。
- 国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料・中学校外国語(令和2年3月):外国語科の評価規準・評価方法の参考。
- 教職員支援機構(NITS)「保護者と信頼関係を築く②~連絡・相談~」(令和5年3月30日掲載):学校と保護者の連絡・相談に関する教職員向け研修教材。
確認日:2026年10月31日。学習評価の3観点は文部科学省の平成31年通知を参照し、中学校外国語の評価事例は国立教育政策研究所の令和2年3月資料を参照しています。NITSの動画教材は教職員向けの連絡・相談研修資料であり、家庭や学校に一律の連絡手順を義務付けるものではありません。個々の学校の評価基準・補習制度・連絡方法は、在籍校の最新案内を優先してください。本文の判断フローや連絡例は、慶英会が一般的な学習相談用に整理した提案であり、文部科学省等が定めた診断法ではありません。
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