中高一貫校に通うお子様が、英語の定期テストや小テストの結果によって学校から「指名補習」「補講」「再テスト」などの案内を受けたとき、保護者様が最初にすべきことは、叱ることでも、急いで塾を増やすことでもありません。まず学校に補習の目的・対象範囲・到達条件を確認し、直近の答案と教材から「何ができないのか」を特定することです。補習を受けるだけで解決する場合もあれば、補習の前提となる単語や中1文法まで戻る必要がある場合もあります。
特に中1・中2は、理解が不十分な単元を残したまま次の学年へ進むと、授業で扱う英文の構造を追いづらくなります。一方で、補習通知だけを理由に内部進学ができないと決めつける必要もありません。補習・成績評価・進級の扱いは学校ごとに異なります。この記事では、通知直後の確認事項、英語の失点診断、30日間の復習計画、学校補習と外部指導の使い分けを整理します。
まず確認:指名補習は何のために実施されるのか
「指名補習」という名称だけでは、実施理由も到達目標も確定できません。単語小テストの再学習を目的とするもの、定期考査の理解不足を補うもの、長期休暇中に学習の遅れを取り戻すものなど、学校の設計によって異なります。例えば青山学院横浜英和中学高等学校の公式Q&Aには、定期試験や小テストで遅れがある生徒への指名制補習と、夏休みの指名制補習・選択制補講が案内されています。これは同校の制度についての説明であり、全国の中高一貫校に共通する基準ではありません。
通知が届いたら、次の5点を学校配布資料や担当教員に確認してください。
- 補習の対象になった理由:定期テスト、単語テスト、提出物、複数指標のいずれか
- 実施日、欠席時の扱い、家庭で必要な準備と宿題
- 補習終了後にどの問題をどの程度できるようにするのか
- 再テストや提出物、面談などの確認方法
- 現在の状況が評定・進級・高校への内部進学にどう関係するのか(該当する場合)
とくに最後の項目は学校の規程や面談で確認する事項です。「赤点を1回取ったら進級できない」「補習に呼ばれたら退学になる」などの一般化はできません。補習通知の書面と最新の学校規程を優先してください。
補習に出ているのに成績が上がらない4つの原因
原因1:補習の説明を聞いても、前提文法が抜けている
授業が受動態を扱っていても、主語・動詞の区別やbe動詞の活用が曖昧なら、解説を理解しても自力で英文を書けません。いま学ぶ単元よりも前に抜けている項目がある場合は、授業進度に合わせた復習だけでは改善しにくくなります。
原因2:分かる問題と自力で書ける問題を混同している
解説を読めば納得できるのに、翌日には同じ英文を再現できない場合があります。英語では日本語から英語へ書く練習、動詞の形を変える練習、英文を声に出して読む練習を分けて確認することが重要です。
原因3:単語を『見たら分かる』だけで終えている
英単語を見て意味が言えても、つづりを書けない、発音を聞き取れない、文中で使えないことはあります。学校の小テスト形式が日本語から英語を書く形式なら、家庭での練習もその形式に合わせる必要があります。教材を変えるより、出題形式と採点方法の一致を先に確認します。
原因4:補習と宿題で勉強時間が埋まり、復習が回らない
補習のプリントに追われ、間違い直しや確認テストの時間が残らない状態です。やることを増やすより、宿題・テスト範囲・基礎復習を整理して優先順位をつけましょう。提出義務のある学校課題を勝手に省くのではなく、担当教員と相談して調整することが前提です。
答案を使った10分診断:次のテストで何を優先するか
答案、問題用紙、模範解答、学校の英語教材、直近2〜3回の小テストを用意します。間違いを次の5種類に色分けし、同じ原因で何点落としているか確認しましょう。
- 単語:意味・つづり・語形変化を答えられない
- 文法:語順、時制、疑問文、否定文などのルールを適用できない
- 本文:教科書英文の内容、和訳、重要表現を説明できない
- 初見読解:知らない文章の主語・動詞・指示語・内容把握で止まる
- 表現:英作文、リスニング、スピーキングで再現できない
例えば、100点満点で英単語の書き取りに12点、文法の語順問題に15点の失点が集中していた場合、最初の2週間はその2領域を優先する判断ができます。ここで挙げた点数は手順を示すための架空例であり、実際の学校テストの配点を示すものではありません。
答案が返却されていない場合は、学校配布プリントと宿題から5〜10問ずつ出題し、解説を見ない状態で再現できるか調べます。「時間をかけたか」ではなく「翌日も解けるか」で復習の効果を評価します。
実際の学校で「指名補習」の仕組みはどう違う?
学校公式資料を比較すると、指名補習は全国一律の制度ではありません。青山学院横浜英和中学高等学校のQ&Aでは、定期試験・小テスト等で遅れのある生徒に指名制補習を実施し、夏休みには指名制補習と選択制補講があると説明しています。跡見学園中学校の公式教育課程案内では、中1〜中3の国語・数学・英語について少人数の指名補習を行い、学習方法の見直しを重視すると説明しています。これらは各校の例であり、参加の基準点や扱いを別の学校に当てはめることはできません。
特に確認すべきは「補習への参加が必要か」だけではなく、何ができるようになれば補習の目的を満たすのかという到達目標です。答案と範囲表を持参して担当教員に聞くと、家庭学習との役割分担を決めやすくなります。
オリジナル5問|補習後に自力で解けるかをチェック
次の設問は慶英会が理解度確認用に作成した一般的な例題です。学校の過去問や出題予想ではありません。学校で未習の単元を除き、答えを見ずに解いてください。
- 次の誤りを訂正する:She study English every day.
- 次の誤りを訂正する:Does your brother plays soccer?
- 次の誤りを訂正する:I didn’t went to school yesterday.
- 次の日本語を英文にする:彼は今、数学を勉強しています。
- 次の2文を比べ、意味の違いを説明する:I want to read the book. / I went to the library to read the book.
模範解答:① She studies English every day.(三人称単数現在)。② Does your brother play soccer?(does の後は原形)。③ I didn’t go to school yesterday.(didn’t の後は原形)。④ He is studying math now.(現在進行形)。⑤ 前者は「その本を読みたい」という希望、後者は「その本を読むために図書館に行った」という目的です。答えを書けても規則を説明できなければ、同じ文法の別問題で確認してください。
①〜③に誤答が集中する場合、補習でより難しい文法を扱う前に、動詞の語形と疑問・否定文の基礎を優先します。④で迷う場合はbe動詞と進行形、⑤で迷う場合は不定詞の用法へ戻ります。3日後に再び解き、同じ誤答が残るなら次回の学校補習で質問すると、学習が具体的になります。
中1・中2の英語を立て直す30日間の計画
1〜3日目:学校情報と答案を集める
補習日時と学校課題を一覧にして、保護者様・お子様・担当教員で同じ到達目標を共有します。失点の多い2領域を選び、1日15〜25分程度の復習をどこに置けるか生活予定を確認します。この学習時間は一律の推奨基準ではなく、無理なく続けるための計画例です。
4〜10日目:できない単元を1つずつ修復する
中1ならbe動詞、一般動詞、疑問文、三単現、過去形など、実際に抜けている箇所から始めます。中2でも理解の穴が中1内容にあれば戻ります。新しい教材を何冊も買う前に、学校の教科書、ワーク、配布プリントから基本問題を抜き出す方が進度とのずれを抑えられます。
11〜20日目:学校の範囲へ戻して再現する
補習で扱った問題を、当日、翌日、数日後に再テストします。単語は日本語から英語へ、文法は日本文から英文へ、読解は英文の主語・動詞と内容理解へと、学校の試験に近い形で確認します。初見問題が多い学校なら、本文暗記だけに偏らないようにします。
21〜30日目:小テストと定期考査に接続する
以前に間違えた問題をランダムに解き直し、できた問題と再び間違えた問題を分けます。再び間違えた箇所だけを短い復習リストに残し、次の学校小テストや補習後の確認に向けて調整します。テスト結果が出たら点数だけでなく、同じ誤答が減ったかを確認します。
1日単位の学習が強い負担になっている場合は、分量を減らしてください。睡眠を削る、体調不良でも無理に続けるといった方法は推奨しません。学習への抵抗や不安が強い場合には、学校の担任・教育相談担当等にも相談します。
学校の補習だけでよい場合、個別指導を検討したい場合
学校の補習を中心に進めやすいケース
- 補習の課題が明確で、本人が説明を理解できている
- 翌日の解き直しで正答が増えている
- 学校の課題と補習を両立でき、家庭学習が回っている
- 短期間のテスト不振で、基礎内容の大きな抜けが見つからない
この場合は外部の塾をすぐ追加せず、補習を受けながら2〜4週間の変化を確かめる選択が合理的です。学校の先生にどの単元を復習すべきか尋ね、学習記録を簡単につけると判断しやすくなります。
外部の個別指導を比較する価値が高いケース
- 学校の補習に参加しても、同じ単語・文法の誤答が繰り返される
- 授業と補習の説明が速く、本人がどこから分からないのか言語化できない
- 学校の教材やプリントに沿った質問の機会が足りない
- 英検の勉強を追加すると学校の英語がさらに遅れる
- 保護者様による声かけが親子の衝突になり、学習管理が機能していない
外部指導を選ぶ場合、単に『中学生の英語対応』という表示を見るのではなく、学校の範囲表と教材、返却答案を使って弱点を確認できるかを尋ねてください。学校の補習と競合する時間帯に授業を増やすのではなく、補習で不足する部分に絞ることが重要です。
塾選びの体験授業で確認したい6項目
- 学校配布の範囲表・英語教材・テスト答案を使って具体的に診断するか
- 今の授業範囲より前の文法へ戻る判断ができるか
- 英単語・文法・英作文・長文を失点の内容で優先順位づけできるか
- 学校補習の課題を尊重し、宿題を過剰に増やさないか
- 体験時に間違えた問題について、翌週の確認方法を説明できるか
- 保護者様に学習状況や次回までの課題を簡潔に共有できるか
体験授業では『今日分かった』だけでなく、授業の最後に本人が自力で同じ種類の問題を解けるようになったか確認しましょう。次の授業までに何を復習するかが具体的であれば、入塾後の運用も判断しやすくなります。
保護者様の声かけ:責めるより確認する
補習の通知を見て、『なぜこんな点を取ったの?』と問い詰めても、学習上の原因を発見できるとは限りません。『この問題、どこまでなら自分でできそう?』『学校の補習で何を質問したい?』『次の小テストまでに一つだけ直すならどれ?』など、行動に変換できる質問を試してください。
反抗的な反応が出る場合は、保護者様が毎日採点することにこだわらず、本人がチェックリストに印をつけ、週1回だけ状況を共有する方式も選べます。親子の関係を維持しながら学習を進めることも、長期的には重要です。
よくある質問
Q. 指名補習に呼ばれたら高校へ内部進学できなくなりますか?
A. 指名補習だけで一律に判断できません。補習と成績評価、進級、系列高校への内部進学は別の条件で運用される場合があります。学校の規程と最新の案内を確認し、不明点は担当教員に直接質問してください。
Q. 中1のうちに塾へ通い始めるべきですか?
A. 学年だけで決めるのではなく、本人が自力で誤答を直せるか、学校補習で改善しているか、家庭で復習が回っているかで判断します。英語の基礎が複数単元にわたって抜けている場合は、早めに原因を整理する価値があります。
Q. 補習と英検対策は同時に進めてもよいですか?
A. 学校英語の小テストや基本文法が不安定なら、まずその範囲の再現を優先すると学習負担を管理しやすくなります。英検の申込済み試験が近い場合は、日程と残りの学習時間を確認して両立計画を調整してください。
Q. 子どもが答案を見せたがらない場合は?
A. いきなりすべての点数を確認するより、『次の小テストで一つだけ改善したい』と目的を限定して、本人の了承を得ながら一部の問題から取り組む方法があります。強いストレスが続く場合は学校の相談窓口も利用してください。
Q. NEW TREASUREなどの教材を使っている学校はどうすれば?
A. 学校で実際に使用している教材の版・Stage・Lessonと配布プリントを確認し、その範囲に合わせて復習してください。すべての中高一貫校が同じ教材を使うわけではありません。教材だけでなく、学校が出題する問題形式との一致が重要です。
慶英会のオンライン個別指導でできること
慶英会では、中高一貫校の英語や定期テスト、NEW TREASURE等の教材に合わせたオンライン個別指導を行っています。学校の補習と競合する課題を増やすのではなく、答案・学校教材・学習進度を確認し、現在つまずいている単語や文法から必要に応じて復習を組み立てます。英検対策も学校の学習状況に応じて相談できます。
学校の英語についていけない、指名補習後も改善しない、家庭での学習管理が難しいとお困りの保護者様は、慶英会公式サイトでオンライン個別指導と最大1か月完全無料体験をご確認ください。
参考にした主な公式情報
情報確認日:2026年10月11日。補習・評定・進級に関する具体的な扱いは各校の最新資料を必ずご確認ください。