中高一貫校の英語の定期テストが返却され、思っていたより点数が低かったとき、保護者様が最初にすべきことは「何点だったか」を繰り返し確認することではありません。学校の平均点や出題内容を把握し、間違いを単語・文法・本文理解・初見読解・英作文などの原因ごとに整理して、次回までに修正できる項目を決めることです。今回の点数だけでは、本人の理解がどこで止まっているかは分かりません。
とくに中高一貫校の中1・中2では、同じ英語でも学校ごとに教材、授業の進度、課題、考査の形式が違います。保護者様が問題の難易度や平均点を把握せずに全国一律の基準で評価すると、必要な対策を見誤る可能性があります。この記事では、返却から48時間以内の確認、答案の5分類、学校への相談、14日間の復習、外部指導が必要かの判断までを説明します。
点数を見た直後に確認する3つの前提
1.学校の平均点と問題の内容を確認する
同じ60点でも平均点が異なれば相対的な位置づけは変わります。ただし平均点より高ければ問題がないという意味でもありません。基礎的な文法や単語の誤りが繰り返されていないかは別に確認する必要があります。学校が平均点を示していなければ、推測で数字を置かず、問題と誤答を中心に見ましょう。
2.本人が答案を共有できる状態か確かめる
お子様が返却された答案を見せたがらない場合は、その理由を成績不振や怠慢と決めつけないようにします。「一緒に次の小テストに役立つところを探したい」と目的を伝え、本人が同意した範囲から確認します。強引に全答案を調べるより、まず文法の数問だけ共有してもらう方法もあります。
3.学校の正式な評価方法を把握する
定期考査の得点がそのまま学期の評定となるとは限りません。国立教育政策研究所が公開する中学校外国語の学習評価資料は、指導と評価を関連づける考え方を示しています。ただし、各私立中高一貫校の評定配分や進級基準は学校独自の資料で確認する必要があります。試験一回の点数から進級や内部進学を断定してはいけません。
答案を5種類に分類する:同じ点数でも対策は違う
- 単語・熟語:意味は分かるがつづりを書けない、意味そのものが分からない、語形変化を間違える
- 文法・語順:主語と動詞、時制、疑問文、否定文、並べ替えや書き換えを誤る
- 教科書本文・授業プリント:授業で扱った英文の意味や重要表現が分からない
- 初見読解:初めて読む文章の主語・動詞、指示語、内容一致が分からない
- 英語表現・4技能:英作文、リスニング、スピーキング等の学校で出題・評価される内容につまずく
例えば、100点中20点分を英単語と文法の書き取りで失った場合は、その形式を中心に練習する選択があります。これは説明のための仮想例であり、特定の学校の配点や平均的な失点を示すものではありません。採点済み答案の各設問を分類して、実際の配点を記録します。
そのまま使える「答案分析シート」記入例
ノートに「設問番号/配点/間違えた原因/次に解く類題/再確認日」の5列を作ると、保護者様とお子様が同じ資料を見ながら復習できます。以下は説明用の架空の記入例です。学校の実際の配点・設問ではありません。
| 誤答の例 | 原因をどう確かめるか | 再テスト例 |
|---|---|---|
| Does he plays tennis? | doesの後の動詞原形を説明できるか | Does she study English?を自力で作る |
| I go to the library yesterday. | yesterdayと過去形の対応を説明できるか | I went to the park yesterday.を書く |
| 長文の理由問題を推測で選択 | 本文のbecause節などに根拠の線を引けるか | 別の短文でWhyへの答えを本文から探す |
文法の誤答で正解を写しただけでは、次の初見問題への転移を確認できません。上の各行は「解説を読んだ直後」と「2〜3日後」の二度、答えを見ずに別文で確認します。学校の授業が進んでいる場合は、直近の次単元と関係する誤答を先に選ぶと学習を絞れます。
学校の英語に対応した失点分析の進め方
問題用紙・答案・模範解答・範囲表を並べる
問題用紙だけでは、本人がどこでつまずいたかを正確に把握しにくいため、可能であれば本人の解答、先生の採点、模範解答と照合します。試験範囲表と対応させ、学校教材のどの単元が対象だったかを調べます。配布プリントや別冊ワークの比重が大きい学校なら、その情報も確認します。
誤答の理由を本人の言葉で確認する
『単語を覚えていなかった』『解説を見たら分かる』『主語に合わせた動詞の形を間違えた』など、誤答の種類を具体的にしましょう。誤答理由を本人が説明できないときもあります。その場合は、講師や学校の先生が短い類題を出し、どの基本事項が抜けているか確かめます。
正解した問題も『偶然』でないか軽く見る
選択肢の消去法で正解した問題や、教科書本文を暗記して正解した問題は、形式を変えると解けない場合があります。ただし全問をもう一度解く必要はありません。間違いが集中した分野を中心に、同じ文法の新しい問題を数問試します。
返却後48時間の保護者様の動き
最初の24時間は、点数の評価よりも資料の整理を優先します。本人が共有できる答案、問題用紙、学校からのコメント、小テストの結果、次の授業範囲を揃えます。保護者様がその場で大量のやり直しを命じる必要はありません。本人が落ち着いてから、気になる項目を二つ程度選びます。
次の24時間では、選んだ項目について基本問題が解けるか確かめます。単語なら日本語から英語へ、文法なら和文英訳や並べ替えなど、学校の出題形式へ近づけます。本人の体調や予定に応じて実施日を調整してください。48時間という区切りは作業整理の例であり、すべての生徒へ一律に適用する期限ではありません。
14日間の復習計画:答案を次の小テストにつなぐ
1〜3日目:誤答の多い2領域を選ぶ
まず失点が大きい領域と、次回の学校の授業に必要な領域を区別します。単語と疑問文の語順が不安定なら、学校ワークと範囲表を使い、その二つを優先して確認します。
4〜7日目:基礎へ戻って同じ形式で解き直す
中2でも必要なら中1の動詞の形や語順に戻ります。ただし学年全体を一から復習するのではなく、目の前の誤答の原因へ遡ります。学校の課題が多い場合は、学校のワークの解き直しを中心にして追加教材を増やしすぎないようにします。
8〜11日目:解説を見ずに類題を解く
答案の正解をそのまま覚えただけで終わらないよう、同じ文法を使う別の英文を自力で作れるか試します。正答率を記録する場合は問題数が少ないことを踏まえ、絶対的な学力評価として使わないようにします。
12〜14日目:次の学校課題へ接続する
次回の小テスト範囲と現在の授業を確認し、過去の誤答が新しい単元でも繰り返されていないかを見ます。必要であれば学校の先生へ具体的な質問をまとめます。この14日間は復習を始めるための計画例であり、次の定期考査の点数改善を保証するものではありません。
学校の先生へ相談するときの質問
- 今回の英語の答案で、今後の学習に特に影響する誤りはどこでしょうか
- 次の単元を理解するために優先して復習する文法や語彙は何でしょうか
- 学校の補習や質問対応、再テストの機会はありますか
- 授業プリント、教科書、ワークのうち、家庭学習で重視すべきものはどれでしょうか
- 評価や進級に関わる正式な条件を確認する資料はどこでしょうか
『成績が悪いのでどうすればいいですか』という一般的な質問だけでなく、設問や単元を示せると相談が具体的になります。学校が提供できる情報の範囲や相談方法は学校ごとの規程に従ってください。
中1の答案で優先したい内容
中1では、be動詞、一般動詞、疑問文、否定文、基本語彙、基本的な英文の語順などが、後続の単元を理解する土台となります。もっとも、授業で扱った単元や内容は学校によって異なります。現在の教材と出題された問題を確認し、できない文法に絞って復習してください。
中学受験では優秀だった生徒も英語の学習経験はさまざまです。以前の成績と比較して叱るのではなく、今できる問題とできない問題の違いを把握しましょう。
中2の答案で優先したい内容
中2になると、学校の新しい文法が難しくなったように見えても、その前提となる中1の語順や動詞の活用が理解できていない場合があります。受動態で失点しているなら、be動詞の変化や過去分詞を区別して確認するなど、誤答から復習する単元を決めます。学校によって単元の配列は異なるため、学年だけで範囲を推測しないでください。
中3の答案で優先したい内容
中3では学校の進級・内部進学の案内も確認すべき場合があります。しかし、試験一回の失点から内部進学の可否を断定できません。学校の成績規程、補習・再テストの扱いを確認し、当面の考査範囲と不足する基礎を分けて学習を進めます。
家庭学習だけで進めるか、個別指導を検討するか
家庭と学校の補習で対応しやすい場合
本人が答案の誤りを説明でき、学校のワークで解き直しができており、翌週の小テストでも同じ種類のミスが減っている場合には、すぐに外部指導を追加する必要はないかもしれません。本人と学校の先生が課題を共有し、学校の補習を利用する方法を優先できます。
個別指導を比較する価値が高い場合
同じ単語・文法を何度も間違える、学校の解説についていけない、英作文を自力で作れない、学校の進度と家庭復習が噛み合わない場合には、個別指導で原因を診断する価値があります。特に中1・中2で基礎の抜けが重なる場合は、現在の学校範囲に対応しながら前の単元へ戻れるかを確認するとよいでしょう。
塾を選ぶ際は、学校で使っている教科書・ワーク・配布プリントと返却答案を基に指導できるか、授業中に本人が類題を解けるか、次週に再テストを行うかを見ます。NEW TREASURE(ニュートレジャー)などの教材は学校によって採用状況や版が違うため、必ず現物で確認してください。
テスト返却後の声かけで避けたいこと
『こんな点数でどうするの』『中学受験ではできたのに』など、過去の結果と比較して本人を責めても、英語の誤答原因は明らかになりません。『次の授業で使う文法はどれ?』『この一問ならどこから分からない?』と、本人が答えやすい質問へ切り替える方法があります。
テストの話で親子の対立が強い場合は、保護者様が直接教えることにこだわらず、学校の先生や外部講師に問題の説明を任せる方法もあります。本人が答案の共有を嫌がる場合には、共有できる教材から学習を始める選択を尊重してください。
よくある質問
Q. 平均点以下ならすぐ塾に通わせるべきですか?
A. 平均点以下という事実だけで決める必要はありません。単語や文法のどこを間違えたか、学校の補習や家庭学習で改善できるか、本人の負担はどうかを確認します。
Q. 返却された答案を子どもが見せたくないときは?
A. 無理に全答案を確認するより、本人が同意した部分や学校の範囲表から学習を始めます。叱るためではなく次の小テストへつなげる目的を説明してください。
Q. 英語のテストが悪かったら英検対策をやめた方がよいですか?
A. 必ずしも中止する必要はありません。ただし学校の基礎文法や提出物に負担が出ている場合は、英検と学校英語の学習時間を再配分した方がよいことがあります。
Q. テスト直しはすべての問題をもう一度解くべきですか?
A. 時間や学習状況によります。すべての問題を解き直す前に、誤答が集中する項目と次の授業に必要な基礎を優先して確認すると取り組みやすくなります。
Q. 中高一貫校の進級に影響する点数は何点ですか?
A. 全国共通の点数基準はありません。学校の最新規程、担当教員からの説明、補習や再テストの条件を確認してください。
初見長文の誤答が集中していた場合は、初見英語長文が読めない5原因と14日間の練習法を使い、語彙・構文・指示語・設問根拠・時間不足のどこで止まるか具体的に確かめてください。NEW TREASUREを使用する学校では、Stage別の学習記事一覧から既習範囲に合う教材を選べます。
慶英会のオンライン個別指導について
慶英会では中高一貫校の英語・定期テスト・英検対策に対応するオンライン個別指導を行っています。学校の教科書、配布プリント、返却答案などを共有できる範囲で確認し、単語・文法・英作文・読解の弱点に合わせて復習を組み立てます。学校の進度と本人の理解状況を合わせることを重視します。
中1・中2の英語の点数が下がった、答案のどこから復習すべきか分からない、学校の補習だけでは理解が追いつかない場合は、慶英会公式サイトの最大1か月完全無料体験をご確認ください。
参考にした主な公式情報
情報確認日:2026年10月11日。学校別の使用教材、評定方法、補習、進級・内部進学の条件は学校の最新資料で確認してください。