力の矢印は、どの物体にはたらく力かを決めてから、作用点、向き、大きさを表します。大学生講師は、動く向きの矢印と力の矢印を混ぜず、生徒が一つの物体に注目して図を描けるよう支援しましょう。
場面1:机の上で静止する本
本だけを対象とします。重力は下向き、机から受ける垂直抗力は上向きです。ほかに鉛直方向の力がなく静止している条件なら、二つの力の大きさは等しくなります。模式図では重力を重心に、机からの力を接触部に表すなど、教材の作図方法とそろえます。
場面2:糸でつるして静止する物体
物体には重力と糸による張力がはたらきます。糸が鉛直なら張力は上向きです。「手が上に引く力」を、物体に直接はたらく力として重ねて描かないよう、何が何を引いているかを聞きます。重力が2Nなら、静止するこの条件で張力も2Nです。
場面3:床の上の箱を右に引く
箱には下向きの重力、上向きの垂直抗力、右向きの引く力、摩擦がある場合はその状態に応じた摩擦力が考えられます。箱が右へ等速で滑り、引く力が水平3Nという条件なら、動摩擦力は左向き3Nです。右へ動くから合力も右向き、とは限りません。
力の大きさを矢印の長さで表すなら、1Nを1cmなど基準を先に決めます。別々の図で基準を変えた場合は明記し、見た目の長さだけを比較させないようにします。
つり合いと作用・反作用を混ぜない
本にはたらく重力と机からの力は、同じ本の上でつり合っています。作用・反作用の一対は別々の物体にはたらくため、この二つをそのまま一対と呼べません。「本が机を押す力」は机の図に描く、と対象ごとに紙を分けると整理できます。
授業前の最終チェック
対象物体を囲んだか、力を及ぼす相手を言えたか、運動の矢印を別の記号にしたかを確認します。大きさが問題に与えられていなければ、数値を勝手に追加せず、分かる関係だけ説明する練習をしましょう。
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