数学の別解は、数が多いほどよいのではなく、何が同じで何が違うかを比べるために使います。大学生講師は一つの問題について二通りを用意し、それぞれが使える条件と、今の生徒にとっての見通しを確認しましょう。
独自問題:二数を求める
二つの実数の和が10、積が21のとき、その二数を求めます。答えは3と7です。最初から答えを当てることもできますが、どの条件を使ったか説明してもらい、二通りの解法につなぎます。
解法1:一つをxとして方程式へ
一方をxとすると他方は10−x。積の条件からx(10−x)=21、整理してx²−10x+21=0。(x−3)(x−7)=0よりx=3または7です。どちらを最初の数に選んでも、二数の組は3と7になります。解が二つあることと、異なる二組があることを混同しないようにします。
解法2:平均からのずれを見る
和が10なので平均は5。二数を5−dと5+dと表すと、積は25−d²=21。d²=4でd=±2、同じ二数3と7が得られます。大きい方を5+dと決めるならd≧0としてd=2にできます。二数が平均を中心に同じだけ離れるという見方です。
どちらが使いやすいかを話す
因数分解を学んでいる生徒には解法1が既習手順につながります。平方の差を理解している生徒には解法2が構造を見やすくします。片方を『賢い解法』と持ち上げず、使った知識、途中計算、条件を比較します。解法2が理解できない場合、無理に増やさず解法1で意味を確認します。
条件を変えて検証する
和10、積26なら、解法2で25−d²=26、つまりd²=−1となり実数の組はありません。3と7という数だけを覚えた解き方では、この違いを扱えません。最後に『和の条件はどの行に、積の条件はどの行に使った?』と聞き、別解が単なる追加の暗記になっていないか確かめましょう。
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