漢字の練習は、同じ字を繰り返し書くことに加え、文の意味に合う語を選び、使った理由を説明するところまで行います。大学生講師の準備では、字形の誤りと、同音異義語の選び間違いを分けて扱うことが大切です。
同じ読みでも場面が違う例
「会場」は人が集まる場所、「開場」は会場を開くことです。創作例「講演の会場は市民ホールです。開場は午後1時です」なら、場所と動作の違いが見えます。「かいじょう」と読めるだけでは、書き分けられるとは限りません。
「対象」は働きかけや考察の相手、「対照」は比べて違いを確かめることなどを表します。例「調査の対象を決める」「二つの回答を対照する」。講師は、辞書で意味と用例を確かめてから出題し、似た文でもどちらか一方に決まる文脈を用意します。
字形と語の意味を別々に確認する
「会場」を選ぶべき文で「開場」と書いた場合、正しい形で書けていても意味の選択に課題があります。一方、語は合っていても部品が抜けている場合は字形の確認です。両方をまとめて「覚えていない」と判断しないようにします。
オンラインでは、見本を見て書いた一字と、見本を隠して書いた一字を比べます。画面の解像度で細部が見えないときは、誤字と断定せず、該当部分を拡大するか本人に説明してもらいます。
短い確認テストと解説
問1「発表の(かいじょう)までの道を調べる」。答えは「会場」。道を調べる対象が場所だからです。問2「(かいじょう)前なので入口で待つ」。答えは「開場」。ここでは会場が開く時点を表します。
問3「新入生を調査の(たいしょう)にする」。答えは「対象」。問4「二枚の写真を(たいしょう)して変化を探す」。答えは「対照」。正解した後に一問だけ自分の文を作ってもらい、選択問題での偶然の正解を区別します。
家庭学習へつなげる小さな課題
次回までの練習は、間違えた語を含む短文を二つ作る、といった範囲にします。書く量は生徒の負担を見て調整します。次回は前回と異なる文脈で出題し、覚えた例文の再現だけになっていないか確認します。
講師の自己点検は、読み、意味、字形を分けて見たか、誤りの理由を本人に聞いたか、曖昧な文を出題していないかの3点です。意味が複数ある語は、今回扱う意味の範囲を明示しておきましょう。
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