海外から帰国して中高一貫校に通う中学1・2年生の保護者様で、「英語で自然に会話できるのに学校の定期テストで点数が取れない」「英検2級相当の読解はできても三単現や文法問題を間違える」「英語の授業が簡単すぎて退屈そうだが、英作文では失点する」とお悩みではありませんか。重要なのは『帰国生は英語ができる』とも『日本の中学英文法を最初から全部やり直すべき』とも決めつけず、本人の英語での理解・発話・読解・記述を別々に確認することです。海外で身に付けた会話・読書・論述の力を保ちつつ、日本の学校で求められる語句整序、文法説明、英文和訳、条件付き英作文などは、実際の授業・採点条件に沿って必要な箇所だけ復習します。本記事では文部科学省の帰国児童生徒教育の方針と英検公式形式を基に、4技能+学校の答案による診断、独自の英語12問と解答、英作文添削例、8週間の学習計画をご紹介します。学校ごとの教材・評価方法は異なるため、返却答案を最優先にしてください。
帰国生が英語の定期テストで失点する理由:会話と記述は異なる
例えば日常会話で「She go to school by bus.」と言っても、相手は意味を理解してくれる場合があります。しかし学校の記述では「She goes to school by bus.」のように動詞の形が採点対象となることがあります。逆に、会話では高度な語彙を自然に使う生徒でも、学校で学ぶ文法用語の日本語に慣れず、設問の「下線部の動詞を適切な形に直しなさい」の意味が取りにくい場合もあります。
本人にとって必要な学習は、海外の生活経験、英語を使っていた授業の種類、英語圏で過ごした期間、帰国後の学習環境、日本語での読み書きの習熟などにより異なります。『帰国子女』という一つの言葉だけで英語能力・日本語能力を決めることはできません。
文部科学省は海外経験の尊重と特性の活用を重視
文部科学省「帰国・外国人児童生徒教育等に関する施策概要」では、帰国児童生徒について、国内学校生活への適応だけでなく、海外での学習・生活体験を尊重し、その特性を伸ばして活用する教育の重要性が示されています。CLARINETには帰国・外国人児童生徒教育の情報がまとめられています。
これは『帰国生は一律に英語の定期考査が免除される』『学校には必ず英語の取り出し授業がある』という意味ではありません。英語の取り出し授業・高度な読書課題・日本語による試験指示への支援など、実際に利用できる制度は在籍する学校・学年の案内で確認してください。
保護者様が最初に集めたい4種類の材料
- 学校の英語範囲表・ワーク:教科書名、Lesson、単語、文法、読解、作文、提出物と期限を一覧にする。
- 直近の返却答案:選択問題と記述問題でどこに失点が多いか分類。採点コメントがあれば残す。
- 本人が自由に話し書いた英文:得意な話題の会話や作文を確認し、英語表現の強みを評価する。
- 本人の希望と学校の支援:英語をもっと伸ばしたい分野、学校で相談できる担当教員・クラス編成・課外活動を確認。
記述が苦手でも、そもそも学校の指定問題を丁寧に読めていない場合があります。問題文が日本語であれば、文法そのものに加えて、指示を理解しているかを個別に確認しましょう。
学校英語と日常英語のギャップを5種類へ分解する
- ① 文法の形:三単現、過去形、助動詞、冠詞、語順を自然に発話できても、筆記で正確に書けない。
- ② 語彙・綴り:英語を聞いて意味を理解できても、学校指定の単語を正確に綴れない。
- ③ 日本語での設問理解:「並べ替え」「時制」「下線部を訳す」など、学校特有の指示が分からない。
- ④ 読解の根拠:英文の大筋は理解できても、設問が求める一文・理由・日時を本文から示せない。
- ⑤ 構成のある英作文:英語で長く話せても、指定された語数・設問・主張と理由の形式に沿って答案を書けない。
同じ試験で複数の原因が重なる場合、返却答案の誤答10問にA〜Eの分類ラベルを付けましょう。語彙問題で失点しているのに難しい英語の会話だけ増やしたり、文法問題が満点なのに基本の穴埋めを大量に繰り返したりするのは効率的とは限りません。
中1の対策:文法を全部やり直すより『失点した型』を直す
中1で三単現・be動詞・一般動詞の混同がある場合、理解した文を写すだけでなく、主語や時制を変えて別の文を書きます。例えば、He plays tennis.をDoes he play tennis?、He doesn’t play tennis.へ変え、playが原形になる理由を説明できるか確認します。
しかし、すでに正確な英文を書ける帰国生へ同じ基本問題を何十問も繰り返す必要はありません。本人が自発的に書いた英文の文法が安定しているなら、学校ワークで未習の形式だけを確認し、英語での読書・討論・発表など得意な技能を維持する時間も確保してください。
中2の対策:読解・英作文と発表をつなぐ
中2では、学校で既習の現在完了、助動詞、不定詞、動名詞、比較、接続詞などが重なる場合、問題の意図に合った英文を書けるかを確認します。本人の授業で未習の文法は対象から外してください。例えば「I enjoy to read books.」は「I enjoy reading books.」とし、enjoyの後に動名詞を置く仕組みを確認します。
自分の意見を述べるときは「I think …」だけで終わらず、理由を1文、具体例を1文加えます。英会話では自然に出てきた表現でも、学校の英作文では課題に求められた語数や文の構成に合わせる必要があります。
独自12問|帰国生の『英語は話せるのに筆記が難しい』を確認
次の問題は慶英会が学習用に作成したオリジナル教材です。学校の実際の定期テストや英検公式過去問ではありません。学校で学習済みの問題だけを利用し、学校の返却答案と比べてください。
A|英文の形を正確に書く(問1〜5)
- 問1:誤りを直しなさい:My brother go to school by train.
- 問2:誤りを直しなさい:She doesn’t likes coffee.
- 問3:They (was / were) at home yesterday. 正しい方を選びなさい。
- 問4:疑問文にしなさい:You can play the guitar.
- 問5:誤りを直しなさい:I enjoy to read novels.
B|語順・訳・日本語の指示を読む(問6〜8)
- 問6:次の語句を正しい語順に並べなさい:why / you / do / study / English / ?
- 問7:英文「I have lived in this town for three years.」を意味の自然な日本語にしなさい。
- 問8:「次の英文を過去の文に書き換えなさい:She visits her friend every Sunday.」ただし時をlast Sundayに変える。
C|内容一致・理由を説明する(問9〜10)
短文:Last month, Riku joined a school art club. At first, he was nervous because he had never painted with other students. His friend Aki showed him how to mix colors. After three weeks, Riku finished his first picture and showed it to his classmates. He wants to teach new members next year.
- 問9:Why was Riku nervous at first? 英語で答えなさい。
- 問10:What does Riku want to do next year? 英語で答えなさい。
D|条件に合う意見英作文(問11〜12)
- 問11:Do you think students should read books in English? に、英語で意見・理由・具体例の合計3文で答えなさい。
- 問12:学校で「好きな授業とその理由を英語2文で説明」と指示された。自分の実体験に基づく2文を書きなさい。
12問の解答・解説と失点原因
- 問1:My brother goes to school by train. brotherは単数で現在の習慣には三単現の-sが必要。
- 問2:She doesn’t like coffee. doesn’tの後は動詞原形。
- 問3:were。They+過去のbe動詞はwere。
- 問4:Can you play the guitar? canを主語の前へ。
- 問5:I enjoy reading novels. enjoy+動名詞。
- 問6:Why do you study English? 疑問詞Why+do+主語+動詞原形。
- 問7:私は3年間この町に住んでいます。現在完了とfor three yearsにより、過去から現在までの継続が分かる。「3年前に住んでいた」だけでは継続の意味が落ちる。
- 問8:She visited her friend last Sunday. visits→visitedに変え、時をlast Sundayへ。
- 問9:Because he had never painted with other students. never paintedという未経験が根拠。
- 問10:He wants to teach new members. 最後の文を確認。
- 問11:例:Yes, I do. Reading English books helps us learn new words. For example, I learned several useful expressions from a story last week. 意見・理由・具体例が対応していれば別解可。
- 問12:例:My favorite subject is science. I like it because I enjoy doing experiments. 本人の事実に基づき、指定の2文を満たせば別解可。
問1〜5は文法と綴りの正確さ、問6〜8は学校の語句整序・和訳などの形式、問9〜10は本文の根拠、問11〜12は指定条件に沿った英作文を確認します。この12問で本人の総合英語力や海外経験の価値、学校成績の予測はできません。
添削例:自然な英会話を『減点されにくい学校の英文』へ変える
- 会話での省略:Because interesting. → It is interesting because I can learn about other cultures. 理由節も主語と動詞を含む英文にする。
- 時制の不一致:Yesterday I go to the museum. → Yesterday I went to the museum. 過去の出来事はwent。
- 接続関係:I like science. I want to be a doctor. → I like science because it helps me understand the human body. 主張と理由を接続。
- 日本語の指示との不一致:理由を2つ書く課題に、関連のない例を3つ挙げてしまう。語数・条件・求められた理由の数を先に確認する。
学校が求める英作文の正答は一つとは限りません。生成AI・翻訳ツールが出す英文をそのまま正解扱いせず、学校の指定採点基準、教員の添削を優先してください。
日本語の設問を読み取れない場合は、学習技能を分ける
英語で討論・読書が得意でも、日本語で書かれた問題の「下線部の理由を答えよ」「指示に従って書き換えよ」などの言い回しに慣れない場合があります。学校英語で点数が下がった理由が英語力そのものではなく、設問の指示の取り違えなのか、英語の文法・内容理解なのかを区別することが大切です。
家庭では、よく出る出題指示を短い言葉で言い換える練習ができます。例えば「下線部の内容を本文に沿って説明」なら「本文のどこに答えがあるか示し、その意味を述べる」ということです。日本語での読み書きの支援が必要な場合は、担任や学校の相談担当と学習上の配慮を相談してください。
NEW TREASUREやPROGRESSの採用は必ず学校で確認
中高一貫校でNEW TREASUREやPROGRESSなどを使用する場合、学校の授業では指定された語彙・文法・長文・英作文の復習が必要です。ただし帰国生向けの教材が必ず同じとは限らず、同じ学校でも学年・コース・英語経験によって課題が違う場合があります。
本人が実際に使う教科書名・Stage・Edition・Lesson、定期テストの範囲表を確認してください。帰国生だからといって教科書の基本を全て免除されるわけでも、すでに知っている語彙を一律に最初から暗記し直す必要があるわけでもありません。
英検3級・準2級・2級は『会話力が高いから上位級』と決めつけない
英検の級別試験はリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングなどを評価します。日本英語検定協会公式の2級試験内容では英文要約・意見論述、長文内容一致、リスニング、面接などの形式が確認できます。準2級には別のEメール返信などもあります。
日常会話が得意でも、英文要約や論理的な意見記述に慣れていないなら、その形式に合わせて対策が必要です。反対に、英検2級へ合格していても学校の指定文法の語句整序を自動的に満点にできるとは限りません。受験級は公式の過去問・本人の技能・受験日・学校の定期考査との両立を考えて決めてください。
帰国後の英語力を維持しながら学校の筆記へ対応する1週間
- 月:学校の英語課題・語彙と範囲表を確認。間違えた文を2つだけ書き直す。
- 火:自分が興味を持つ洋書・記事・音声などで得意な英語に触れる。内容を一文で説明。
- 水:学校の記述問題を3問解き、英語の内容理解と日本語の指示理解を分けて確認。
- 木:日常会話や意見発表を短時間行い、発話した英文を翌日書き戻せるようメモ。
- 金:学校の返却答案・単語テストの苦手を再テスト。
- 土:自分の得意な内容で少し長めの英文を書き、主張・理由・具体例を整える。
- 日:学校の宿題・休息を優先し、前週の誤答のうち残ったものだけ確認。
毎日決まった時間数を強制する方法ではなく、学校課題・本人の興味・部活動・睡眠に合わせて調整します。海外での生活・教育経験を大切にしながら、学校の特定の評価形式だけを補強する意図です。
8週間の学習計画:学校の成績と会話力を両方守る
- 第1週:返却答案・指定教材を集め、学校の失点と得意な英語技能を診断。
- 第2週:三単現・語順・時制など繰り返す文法誤答を少数の類題で修正。
- 第3週:学校の日本語での設問指示・和訳・並べ替えの形式を復習。
- 第4週:学校の短文・長文から根拠を探し、WhyやWhatに英語で答える。
- 第5週:本人の得意な話題で英作文し、学校指定の語数・条件に合わせる。
- 第6週:学校の課題とは別に、英語での読書・発話・聞く力を維持。
- 第7週:授業担当の先生へ質問し、学校の採点基準や次の試験範囲と照合。
- 第8週:初週と同じ種類の問題を再テストし、改善した点・残る課題・次の目標を確認。
これは慶英会の自主学習計画であり、8週間で必ず得点が上がるとの保証ではありません。定期テストが目前なら学校の指定範囲と提出物を最優先し、日程に合わせて必要な部分を圧縮してください。
保護者様は『英語ができるか』より4つのことを確認
- 本人の海外経験と得意な英語表現・関心を尊重できているか。
- 学校のどの設問形式で失点したのか、本人が説明できるか。
- 単語・文法・日本語の指示理解のうち、いま補うべき部分はどれか。
- 学校の担当教員・英語科へ、適切な教材や発展的な課題、個別の学習支援を相談できているか。
よくある質問
帰国子女で英検2級を取っていても中1の英語を復習すべきですか?
学校の答案で三単現や疑問文の語順などの誤りが繰り返される場合は必要な単元を復習します。基本がすでに正確であれば、全単元を一律にやり直す必要はありません。
英語が簡単すぎる場合は授業中の集中力が落ちても仕方ありませんか?
学校の授業を軽視するより、本人の学習目標に合った追加の読書・発表・英作文などを英語科へ相談しましょう。日本語での授業指示や提出物なども確認してください。
帰国生はNEW TREASUREやPROGRESSの文法問題で必ず困りますか?
必ずではありません。本人の英語学習歴、教材と実際の答案によって異なります。特定の学校の教材採用や定期考査への出題も学校で確認してください。
学校の和訳問題が苦手な場合、英語力が低いのですか?
英文を理解できていても、その意味を日本語で正確に表す練習が不足している場合があります。英文の理解と日本語の記述を分けて確認しましょう。
帰国生向けの取り出し授業を学校に要求できますか?
取り出し授業の有無や参加条件は学校ごとに異なります。本人の得意・不得意と学習上の必要性を学校へ伝え、利用可能な支援を相談してください。
英会話と英検2級の勉強だけ続ければ定期テスト対策になりますか?
学校の出題範囲・文法記述・語句整序・和訳などが英検と異なる場合、学校教材を使った別の復習が必要です。英語全体の力を保ちながら、学校の形式に合わせることがポイントです。
帰国生の学校英語・英作文について慶英会へ学習相談
慶英会では、帰国生を含む中高一貫校の中1・中2について、学校の返却答案、教科書と指定ワーク、英検の結果、本人が話し書いた英語を照合し、海外で育んだ英語力を維持しながら、学校の記述・定期テストで不足する技能を必要な範囲だけ補うことを重視します。オンライン個別指導と毎日のLINE学習サポートを通じて、学校の課題と英検・読書・発話の目標を整理します。学校の取り出し授業や公的な日本語指導制度の代替、特定学校との公式提携を意味しません。学習相談と最大1か月の無料体験は慶英会公式サイトをご確認ください。
公的資料・検定団体の一次情報
情報確認日:2026年10月12日。帰国生教育に関する方針は文部科学省、英検の出題形式は日本英語検定協会の公式情報に基づきます。独自12問・解答、添削例、8週間計画は慶英会作成の自主学習教材で、学校や英検協会の公式問題・採点基準ではありません。