甲陽学院の中3から高1へ進む時期に、「高校では自分で勉強してほしい」と考える保護者様へ。声かけを急にやめる前に、本人が自分の答案から一つの課題を選び、練習し、別の英文で確かめられるかを見てください。この記事では、その一巡を家庭で試せる独自20問と、親子で使う引き継ぎカードを用意しました。
対象は、中3後半から高1で学習の進め方を見直したいご家庭です。関係代名詞や現在完了などをまだ学んでいない場合は、その部分を飛ばして学校の既習範囲を優先してください。本教材は学校の考査・進級判定・指定課題ではなく、慶英会が作成した任意の家庭学習例です。学校との公認・提携を示すものではありません。
甲陽学院の中高接続で、公式情報から分かること
- 学院概説は、中学校で基礎学力や生活習慣の確立を、高等学校では自主性・創造性を育てることを重視すると説明しています。
- 高校の教育の特色では、中学校と高等学校を別の場所に設けていることが確認できます。
- 高校教育課程表の公開ページは、高1の英語を週6時間と示しています。公開表の数値だけで、現在の教材・進度・宿題量を決めつけることはできません。
ここから先の「引き継ぎカード」「4週間の進め方」「20問」は、これらの方針を踏まえた慶英会の学習提案です。学校がこの方法を指定しているという意味ではありません。進学後の授業時間割や通学の生活リズムは、ご家庭で実際の予定を確かめて組み直します。
まず分ける三つのこと|提出・理解・自力での再現
課題を提出できたこと、解説を読んで理解したこと、新しい英文でも解けたことは、別々に記録します。「終わった?」だけでは、自分で次の学習を選ぶ材料が残りません。本人に一つだけ答案を選んでもらい、「どこで止まったか」「次は何をするか」を短く説明してもらいます。
- 提出:期限と指定内容を確認し、学校の必須課題を終える。
- 理解:なぜその答えになるか、本文の語句や文法を使って説明する。
- 再現:見本を閉じ、題材を変えた英文でも同じ考え方を使う。
中学校で続けてきた予習復習を捨てて、高校用の教材を大量に追加する必要はありません。学校指定の作業を続けながら、任意の復習で「何を選ぶか」「どこで質問するか」を少しずつ本人へ任せます。
親子で使う「英語学習の引き継ぎカード」
紙1枚に次の7項目を書きます。学校の教材・答案は家庭内で確認し、第三者へ共有する場合は、学校や教材の利用条件と個人情報の扱いを確認してください。
- 今使う教材・指定範囲:学校からの最新の指示を書く。
- 提出期限:必須課題と任意の復習を別にする。
- 自力でできた例:英文や設問番号を一つ残す。
- 止まった例:自分の答案と、迷った箇所を残す。
- 次の小さな練習:「長い主語を3文で分ける」など、実行する作業を書く。
- 別問題で確かめる日:学校の予定に合わせて決める。
- 助けが必要な点:「訳全体が分からない」ではなく、語・構造・根拠・作文条件に分けて質問する。
記入例:「問2でmachinesに合わせてwereだと思った。主語の中心はreportだった。次は学校の既習例文から、ofやaboutで名詞を説明する文を3つ選ぶ。主語の中心と動詞に印を付け、数日後に問14で確認する。」このように答案と次の行動がつながれば、保護者が問題集のページまで毎日決めなくても見通しを持ちやすくなります。
独自20問の使い方|最初の12問と、別題材の8問
最初は問1〜12を、解答・和訳を見ずに取り組みます。辞書を使った箇所、ヒントをもらった箇所は印を残してください。4分野を一度に解く必要はなく、1日に1分野でも構いません。解答を確かめたら弱い分野を一つ選び、数日後に対応する問13〜20へ進みます。以下の人物・活動・調査はすべて教材用の創作で、甲陽学院の実際の授業・生徒・調査ではありません。
A|長い主語から、文の骨組みを取り出す
The students who helped at the workshop were tired. Their report about the two machines was short, but it explained the main difference clearly.
問1 第1文全体の主語の中心となる名詞と、それに対応する動詞を答えてください。
問2 第2文前半がwasとなる理由を、主語の中心となる語を使って説明してください。
問3 『その実験を計画した生徒は今ここにいます』を、The studentで始めて英語にしてください。
B|予定と実際の順序を分ける
Yuki planned to read an article before dinner. However, he spent that time finishing a school assignment. After dinner, he read the article for fifteen minutes. He has not written a summary yet.
問4 夕食前に実際にしたことと、夕食後に実際にしたことを日本語で分けてください。
問5 Yuki has already written a summary.は本文と一致しますか。根拠も答えてください。
問6 『私は記事を読み終えましたが、まだ要約を書いていません』を、現在完了を使って英語にしてください。
C|観察した結果から言える範囲を決める
Ten students tried a new way to review vocabulary for one week. Seven said that the method helped them remember words. The group did not take the same test before and after the week. Their teacher suggested trying the method for longer and checking both spelling and meaning.
問7 『10人全員のテスト得点が上がった』と結論づけられますか。本文中の情報を二つ使って答えてください。
問8 先生が提案したことを二つ、日本語で答えてください。
問9 本文で確認できる結果を、Seven studentsで始まる1文の英語で書いてください。
D|自分の作文を、内容と形に分けて直す
Writing task: Explain one thing you will change in your English study next week. Give a specific action and a reason in two sentences.
Student draft: I will study harder next week. Because my answers are often wrong.
問10 この下書きには、具体的な行動が書かれていますか。足りない情報を一つ説明してください。
問11 第2文Because my answers are often wrong.を、この作文課題で独立した説明文として使う際の問題を説明してください。
問12 課題に合う2文へ書き直してください。具体的な行動と、それを選ぶ理由を含めます。
問1〜12の全文和訳・解答と解説
A|長い主語から、文の骨組みを取り出す
全文和訳:講習会を手伝った生徒たちは疲れていました。2台の機械についての彼らの報告書は短いものでしたが、主な違いをはっきり説明していました。
問1の解答・解説:students/were。who helped at the workshopはstudentsを説明する部分です。helpedを文全体の動詞と取り違えないようにします。
問2の解答・解説:主語の中心は単数のreportなのでwasです。直前のmachinesが複数でも、about the two machinesはreportを説明するまとまりです。
問3の解答・解説:The student who planned the experiment is here now.(その実験を計画した生徒は今ここにいます。)主節はThe student is here now.、修飾部分はwho planned the experimentです。whoの代わりにthatも使えます。
B|予定と実際の順序を分ける
全文和訳:ユキは夕食前に記事を読む予定でした。しかし、その時間は学校の課題を終えるために使いました。夕食後、彼はその記事を15分間読みました。彼はまだ要約を書いていません。
問4の解答・解説:夕食前は学校の課題を終えること、夕食後は記事を15分間読むことです。planned toは予定を表し、その行動を実行したことまでは意味しません。
問5の解答・解説:設問文は「ユキはすでに要約を書きました」の意味で、本文とは一致しません。He has not written a summary yet.が根拠です。already writtenは『すでに書いた』、not … yetはここでは『まだ書いていない』です。
問6の解答・解説:I have finished reading the article, but I have not written a summary yet.(私は記事を読み終えましたが、まだ要約を書いていません。)finishの後はreading。二つの完了状況をbutで分けます。
C|観察した結果から言える範囲を決める
全文和訳:10人の生徒が1週間、新しい単語の復習方法を試しました。7人は、その方法が単語を覚える助けになったと答えました。このグループは、その1週間の前後で同じテストを受けていませんでした。先生は、その方法をもっと長く試し、つづりと意味の両方を確認することを提案しました。
問7の解答・解説:結論づけられません。助けになったという感想を述べたのは7人であり、全員ではありません。また、本文には前後の得点比較が示されていません。比較するテストが同一なら必ず効果を証明できる、異なれば全く比較できない、という意味ではありません。感想をそのまま得点上昇へ置き換えることもできません。
問8の解答・解説:方法をもっと長く試すこと/つづりと意味の両方を確認すること。suggested以下のtryingとcheckingが並んでいます。
問9の解答・解説:Seven students said that the new method helped them remember words.(7人の生徒は、新しい方法が単語を覚える助けになったと答えました。)said thatを残すと、測定済みの効果ではなく生徒の回答であることを表せます。
D|自分の作文を、内容と形に分けて直す
全文和訳:作文課題:来週の英語学習で変えることを一つ説明してください。具体的な行動と理由を2文で書いてください。
生徒の下書き:私は来週もっと一生懸命勉強します。なぜなら私の答えはよく間違っているから。
問10の解答・解説:十分には書かれていません。study harderだけでは何をするかが不明です。例えば『長い文の主語と動詞を3文で確認する』など、実際に取り組める行動が必要です。
問11の解答・解説:becauseで始まる理由の節だけで、主節がありません。会話の短い返答では使われることがありますが、この2文作文では主節を含む文に直すと構造が明確になります。
問12の解答・解説:Next week, I will choose three long sentences and find the subject and main verb in each. This will help me understand how the sentences are built.(来週、長い文を3文選び、それぞれの主語と主節の動詞を見つけます。これは文がどのように組み立てられているかを理解する助けになります。)行動・理由・2文の形が合えば別解も認めます。
答案を見て、今週の復習を一つ選ぶ
- A:問1〜3で止まった場合。先に文の骨組みを確認します。学校の既習文から主語が長い文を選び、修飾部分を括弧に入れて、主語の中心と主節の動詞を対応させます。つづりの誤りだけなら、構造全体をやり直す必要はありません。
- B:問4〜6で止まった場合。紙に「予定」「実行済み」「未了」の3欄を作り、本文の表現を振り分けます。実際の順序は分かるのにhave+過去分詞を書けない場合は、読解ではなく語形の復習を選びます。
- C:問7〜9で止まった場合。「誰の回答か」「何人か」「何を測ったか」を確認します。本文の感想を、全員に通用する効果へ広げない練習をします。根拠は説明できるが英文にできない場合は、said thatを使う1文から始めます。
- D:問10〜12で止まった場合。内容の点検を先に行い、「実行する行動」「理由」があるかを確認します。その後、各文に主語と動詞があるかを見ます。内容は十分なのに1語だけ誤る場合は、その箇所を直す練習へ絞ります。
複数分野で止まった場合は、今の学校課題に直結するものを先に選びます。語彙や文法が未習のため解けない問題を、本人の自立不足と扱わないでください。学校教材の説明を読み直しても分からないときは、自分の答案と疑問を持って担当の先生へ確認します。
別題材での再確認8問|同じ答えの暗記を避ける
対応する分野の解説を閉じて取り組みます。最初の全設問と一対一で対応するものではなく、例えばAでは文構造の読解を再確認します。元の問題を丸暗記していないかを確かめるための少数の新問であり、学校の成績や英検の合否を推定するテストではありません。
Aの再確認|問13・14
The photos that Ken selected show the old bridge. A description of the photos is on the next page.
問13 第1文の主語の中心と、それに対応する主節の動詞を答えてください。
問14 第2文でisが使われる理由を説明してください。
Bの再確認|問15・16
Mika was going to ask her question on Monday, but the teacher was away. She asked it on Tuesday. She has read the explanation twice, but she has not tried a new example yet.
問15 質問したのは何曜日ですか。また、現在まだしていないことは何ですか。
問16 『私はその規則を学びましたが、まだ新しい例で使っていません』を、現在完了を使って英語にしてください。
Cの再確認|問17・18
Eight volunteers read the same short story. Six wanted to read another story by the same writer. They were not asked whether the first story was easy. The teacher recorded their interest, not their reading speed.
問17 『この物語は8人全員に易しかった』と言えますか。理由を説明してください。
問18 確認できる結果を、Six of the eight volunteersで始まる英文にしてください。
Dの再確認|問19・20
Writing task: Suggest one practical step after reading an English text. Give the step and a reason in two sentences.
Student draft: I will review it. Because review is important.
問19 行動を具体化し、第1文を書き直してください。
問20 問19の行動に対応する理由を、独立した1文で書いてください。
問13〜20の全文和訳・解答と解説
Aの再確認|問13・14
全文和訳:ケンが選んだ写真には古い橋が写っています。写真の説明は次のページにあります。
問13の解答・解説:photos/show。that Ken selectedはphotosの説明です。Ken/selectedだけを答えると、修飾部分を文全体の骨組みと取り違えています。
問14の解答・解説:主語の中心descriptionが単数だからです。of the photosを外してA description is on the next page.とすると確認できます。
Bの再確認|問15・16
全文和訳:ミカは月曜日に質問するつもりでしたが、先生は不在でした。彼女は火曜日にその質問をしました。説明を2回読みましたが、まだ新しい例には取り組んでいません。
問15の解答・解説:火曜日/新しい例に取り組むこと。月曜日は予定、火曜日が実際です。説明を読んだことと新問を解いたことも分けます。
問16の解答・解説:I have learned the rule, but I have not used it in a new example yet.(私はその規則を学びましたが、まだ新しい例で使っていません。)learntも可。学習済みと使用未了を分けて表します。
Cの再確認|問17・18
全文和訳:8人の希望者が同じ短い物語を読みました。6人は同じ作家の別の物語を読みたいと思いました。最初の物語が易しかったかどうかは、彼らには尋ねられていません。先生が記録したのは、読む速さではなく彼らの関心でした。
問17の解答・解説:言えません。易しかったかどうかは尋ねていません。また6人が別作品を読みたいと思ったことは、8人全員の難易度評価を意味しません。関心・難易度・速度を分けます。
問18の解答・解説:Six of the eight volunteers wanted to read another story by the same writer.(8人の希望者のうち6人は、同じ作家の別の物語を読みたいと思いました。)対象の人数と、本文に書かれた希望の内容を保ちます。
Dの再確認|問19・20
全文和訳:作文課題:英文を読んだ後にできる、具体的な手順を一つ提案してください。その手順と理由を2文で書いてください。
生徒の下書き:私はそれを復習します。なぜなら復習は大切だから。
問19の解答・解説:I will close the text and write its main point in one sentence.(本文を閉じて、その要点を1文で書きます。)何をするかが実行できる形になれば別解も可。本文に戻って根拠を確認するなどの行動も選べます。
問20の解答・解説:This will show me whether I can explain the main point without looking at the text.(これで、本文を見ずに要点を説明できるかどうかが分かります。)問19で別の行動を選んだ場合は、その行動に対応する理由を認めます。because節だけにせず、主節を備えます。
4週間で、保護者の声かけをどう変えるか
次の期間は家庭で調整する目安です。高1になった日から一度に任せるのではなく、中3のうちに短い範囲で試すこともできます。学校の行事・考査・体調・他教科の負担に合わせて進めてください。
1週目|一緒に仕分ける
学校の必須課題と任意の復習を分け、問1〜12のうち取り組める分野を選びます。本人が先に解き、保護者は答えを教える前に「どこまでは分かった?」と尋ねます。カードの記入は一緒でも構いません。
2週目|練習を本人が選ぶ
本人が誤答を一つ選び、次の練習を決めます。保護者は「その作業は、今の間違いのどこに効くと思う?」と確認します。自力で決められなければ、問題集を追加するより「主語を分ける」「時系列を書く」など二つの候補から選べるようにします。
3週目|別の題材で確かめる
対応する問13〜20を解き、自分で説明できるかを見ます。最初の問題と新問は難しさも設問数も違うので、合計点の増減だけでは比べません。「修飾部分と主節を区別できた」など、同じ操作ができるかを記録します。答えだけ合って理由が言えない場合は、確認を続けます。
4週目|学校の教材へ戻して、本人が次週を説明する
学校で新しく扱った英文から、同じ種類の課題を一つ探します。本人が「今週分かったこと」「まだ質問したいこと」「次週すること」をカードで説明できれば、保護者の確認を毎日から週1回へ減らすなど、負担に合わせて試します。週1回が全家庭の正解という意味ではありません。
見守りへ移る目安と、支援を戻す目安
- 見守りを増やしやすい状態:必須課題の期限を自分で確認し、誤答と次の練習がつながり、別の英文で結果を確かめられる。
- 一緒に整理し直す状態:提出忘れが続く、何を練習しても同じ箇所で止まる、予定を組んでも睡眠や他教科を圧迫する。
- 学校へ確認する状態:指定範囲・採点理由・提出方法が分からない、未習と復習不足の区別がつかない。分からないまま外部教材を増やすより、学校の指示を先に確かめる。
自立は、一切質問しないことではありません。分からない点を具体的に伝え、説明を受けた後の練習を自分で再開できることも大切です。本記事の20問だけで、聞く力・話す力や高校英語全体を判定することはできません。学校で指定された音声・発話活動は別に続けてください。
保護者様からのよくある質問
中3のうちに高校の教材を先取りした方がよいですか?
学年だけで決めず、学校の既習文を根拠付きで読めるか、短い英文を自分で直せるかを先に確認します。学校から進学準備の課題が出た場合は、その指示を優先してください。本記事は採用教材や進度を推定するものではありません。
親が英語を教えられなくても使えますか?
解説を一緒に読み、本人に「自分の答えとの違い」「次にする作業」を説明してもらう役割で構いません。別解の正しさを判断できない場合は、その答案を残して先生に確認します。親がその場で全部採点する必要はありません。
高校へ上がったら、塾の回数を増やすべきですか?
進学だけを理由に回数を増やすのではなく、学校の課題で何が止まっているかを確認してください。質問後も同じ誤りが続く、練習の選択や解き直しを一人で進めにくいなど、追加支援が必要な部分を絞ると相談しやすくなります。
関連教材と学習相談
慶英会では、学校の学習を優先しながら、答案のどこで止まるかを整理する英語個別指導を行います。ご相談は無料体験・学習相談へ。体験や受講の条件は料金・コース・無料体験の最新案内をご確認ください。
参考にした学校公式情報
- 甲陽学院「学院概説」:中学校・高等学校で重視する教育上の方針。
- 甲陽学院高等学校「教育の特色」:中学校・高等学校の校地。
- 甲陽学院高等学校「教育課程表」:公開表における高1英語の時間数。
公式情報確認日:2026年11月4日(日本時間)。学校の方針・教育課程は公式ページを参照しました。実際の教材・進度・提出方法は、その年度・学年の学校案内を優先してください。英文、設問、解答、学習カードと期間例は慶英会が独自に作成しています。

