英語入試や英検利用入試で中高一貫校に入学した中学1・2年生でも、「英検3級に合格しているのに、学校の長文を最後まで読めない」「本文を読み終えたのに設問を解く時間が足りない」「知らない単語で止まり、根拠となる英文を見失う」と悩むことがあります。まず英文を読む時間・設問を理解する時間・本文から根拠を探す時間を分け、速さだけでなく正答率も記録しましょう。英検3級の公式一次試験はリーディング・ライティング65分、リスニング約25分で、長文内容一致は10問。一方、学校では和訳・語順整序・英作文・初見長文など別形式の対策が必要な場合もあります。英検3級合格という実績だけで学校の筆記問題すべてに対応できるとは限りません。本記事では試験形式を公式情報で確認した上で、慶英会が独自に作成した長文3題・21問、読み間違いの診断、時間配分の記録、14日間の復習法を解説します。
最初に結論:読む速さを上げる前に、時間が足りない原因を特定する
試験で時間が足りない原因は、英文そのものを読むのが遅い、設問を理解するのに時間がかかる、本文と選択肢を何度も往復する、分からない単語で止まる、正しい根拠を選べない、といった複数の要素に分かれます。まず学校の返却答案や家庭での演習記録を使い、「本文を読む時間」「設問を解く時間」「見直す時間」を大まかに分けてみてください。読解が不正確なまま読む速度だけを上げても正答率が下がる可能性があります。
英検3級の長文問題と学校の定期テストは何が違う?
日本英語検定協会の2026年度公式案内では、英検3級の一次試験はリーディング・ライティング65分、リスニング約25分です。リーディングには短文語句補充15問、会話文空所補充5問、長文内容一致10問があり、長文には掲示・案内、Eメール、説明文などが使われます。長文の内容一致は選択式で、本文全体を日本語へ訳す形式ではありません。対して、学校の定期テストでは教科書本文の内容確認、和訳、語順整序、英作文、初見長文などが出る場合があります。どの形式が実際に出るかは学校の範囲表と過去の答案を優先してください。
失点を招く5つの原因
1.分からない単語で止まり続ける
長文に未知語が一つあっても、前後から意味を推測できる場合があります。ただし主語や動詞など意味の中心を担う語なら、理解のために丁寧な確認が必要です。
2.疑問詞に注目していない
Whenを聞かれているのに場所を探す、Whyなのに行動だけ答える、といった失点が生じます。設問の疑問詞と動詞を先に確認してください。
3.本文と選択肢を往復しすぎる
どの段落に答えがあるかを把握できないと同じ文を何度も読みます。段落ごとに「何について書かれていたか」を短く記録しましょう。
4.代名詞・時制・否定を落とす
itやtheyの指すもの、beforeとafterの順序、notなどを誤ると全体の意味が変わります。速度より正確さを優先して読み直します。
5.易しい問題と難しい問題の時間配分が曖昧
一問に長く固執すると、後半の解ける問題を見直す時間が減ります。学校の試験時間と配点に合わせて、見直す問題の印を付ける方法が考えられます。
英文を読むときは4段階で処理する
第一にタイトル・冒頭を読んで文章の話題をつかみます。第二に段落ごとに誰が何をしたかを整理します。第三に設問の疑問詞や条件を見て、根拠を本文から探します。第四に回答した内容が本文の事実と合うかを確認します。実際の入試・テストで問題文を先に読むか本文を先に読むかは、文章の長さ、設問形式、本人の理解度によって調整してください。
演習1:学校図書館のお知らせ
オリジナル長文1:放課後の図書館
The school library used to close at four o’clock. Many students wanted more time to read and do homework. Last month, teachers decided to keep the library open until five on Tuesdays and Thursdays. Students must return borrowed books at the front desk. Drinks are not allowed near the computers. The school will review the new schedule at the end of the term.
設問1
以前の閉館時刻は?
設問2
延長する曜日は?
設問3
新しい閉館時刻は?
設問4
本を返す場所は?
設問5
新しい開館時間を見直すのはいつ?
オリジナル長文2:週末の科学クラブ
Mika joined the science club because she wanted to learn more about plants. In the first meeting, the members planted seeds in two small boxes. They put one box near a sunny window and the other in a darker place. Every day, Mika checked the soil and wrote notes about the plants. After two weeks, the plants near the window were taller. The students discussed why the two groups had grown differently.
設問6
ミカがクラブに入った理由は?
設問7
生徒たちが用意した箱はいくつ?
設問8
箱はどこに置いた?
設問9
ミカは毎日何をした?
設問10
2週間後に背が高かった植物は?
オリジナル長文3:交換留学生とのオンライン交流
Last Friday, Yuto’s class had an online meeting with students in another country. Before the meeting, the class prepared questions about food, sports, and school life. Yuto was nervous at first, but he asked a question about lunch. One student explained that many children brought lunch from home. After the meeting, Yuto wrote a short report about the differences between the two schools. He also decided to practice speaking English more often.
設問11
会議はいつ行われた?
設問12
事前に準備した質問の話題は?
設問13
ユウトが尋ねたことは?
設問14
会議の後に書いたものは?
設問15
今後もっと練習しようと決めたことは?
解答・解説:本文の根拠を必ず探す
長文1の解答
設問1の答え:午後4時。
設問2の答え:火曜日と木曜日。
設問3の答え:午後5時。
設問4の答え:受付カウンター。
設問5の答え:学期末。
読解ポイント:used to、until、must、not allowedなど時間・規則に関する表現を確認します。 解答後には、どの英文が答えの根拠になったのか線を引き、推測や想像だけで答えていないか確認してください。
長文2の解答
設問6の答え:植物についてもっと学びたかったから。
設問7の答え:2つ。
設問8の答え:一つは日当たりのよい窓の近く、もう一つは暗い場所。
設問9の答え:土を確認し、植物についてメモを取った。
設問10の答え:窓の近くの植物。
読解ポイント:becauseで理由、one…the otherで対比、After two weeksで経過時間を読み取ります。 解答後には、どの英文が答えの根拠になったのか線を引き、推測や想像だけで答えていないか確認してください。
長文3の解答
設問11の答え:先週の金曜日。
設問12の答え:食べ物、スポーツ、学校生活。
設問13の答え:昼食について。
設問14の答え:二つの学校の違いについての短い報告書。
設問15の答え:英語を話すこと。
読解ポイント:BeforeとAfter、butによる逆接、代名詞Heの指す人物を確認します。 解答後には、どの英文が答えの根拠になったのか線を引き、推測や想像だけで答えていないか確認してください。
【追加の独自6問】15問を解いたら「本文にない推測」を排除する
次の問16〜21は、上の3つのオリジナル英文だけを読んで解く発展問題です。学校や英検の過去問の転載ではありません。文章にない情報は「書かれていない」と答え、思い込みで補わない練習をします。
- 問16.長文1:The library is open until five every weekday. は本文の事実と一致しますか。根拠を示しなさい。
- 問17.長文1:Students must return books at the computers. は正しいですか。返却する場所を答えなさい。
- 問18.長文2:Can we conclude that sunlight was the only reason the plants grew differently? 本文の記述だけで判断できるか答えなさい。
- 問19.長文2:What did Mika do every day besides checking the soil? 英語で答えなさい。
- 問20.長文3:Which country did the online students live in? 本文から国名を特定できますか。
- 問21.長文3:Did Yuto write his report before or after the meeting? 英語で答えなさい。
問16〜21の模範解答・根拠
- 16.一致しない。 新しい閉館時刻はTuesdays and Thursdaysの午後5時で、毎平日とは書かれていない。
- 17.正しくない。At the front desk. 本文は本の返却をfront deskで行うと記す。computersの近くでは飲み物が禁止という別の規則。
- 18.No, we cannot conclude that. 日当たりの違いと植物の成長が本文に書かれていても、その他の条件を統制した調査とは書かれていない。太陽光だけが原因と断定しない。
- 19.She wrote notes about the plants. checked the soil and wrote notesという二つの日課の後半が根拠。
- 20.特定できない。 another countryとあるだけで国名は書かれていない。
- 21.After the meeting. After the meeting, Yuto wrote a short report … の一文が根拠。
問18は科学的な因果関係まで推測せず、本文に「何が書かれているか」と「そこから何を確定できないか」を分ける問題です。英語の設問でも本文に記載のない結論を選ぶことが失点につながります。
【読解診断】時間が足りない場所を4欄で記録する
同程度の長さ・難易度の文章を使い、①英文を一度読み終えるまで、②設問の条件を理解するまで、③本文へ戻って根拠を探すまで、④見直し、の4段階を分けます。「全部を何分で解けたか」だけでは、次に何を学ぶべきか分かりません。
- 記録欄A:英文を読み終えた時間。未知語で止まった回数も記録。
- 記録欄B:設問を読み、何を聞かれているか判断するまでの時間。
- 記録欄C:本文から正答の根拠を見つけるまでの時間。
- 記録欄D:解答と照合し、根拠を説明できたか・正答したか。
例えば例として「本文を読むのに3分、設問と根拠探しに6分、正答3/5問」と記録できたなら、英文を速く読む練習だけでなく、設問の疑問詞・時間を表す語・否定の条件を正確に拾う練習が重要と考えられます。この数字は架空の記録例であり、英検や各学校の合格基準・学年平均ではありません。
同じ文章を何度も読むと速く見える問題への対応
一度読んだ文章を繰り返すと、内容を記憶しているため短時間で解けることがあります。文章を記憶した成果と初見の英文を理解する力を混同しないよう、学校の既習本文で文法を丁寧に確認する日と、同程度の初見英文で読解を測る日を分けて記録してください。
速く読もうとして正答率が下がるなら、いったん正確な根拠探しを優先します。反対に本文理解と正答が安定しているのに設問を読み直し続ける場合は、疑問詞と問われている条件の把握を練習するとよいでしょう。
学習法の根拠は「一般的な読解指導」であり、英検の点数上昇保証ではない
米国教育科学研究所IESの中高生向け読解指導ガイドは、語彙の明示的な指導、読解方略の具体的な指導、本文の意味について議論する機会などを推奨しています。これは一般の読解指導の研究資料であり、日本の英検3級を受ける中1・中2に特定の読解速度や14日間での得点向上を保証する研究結果ではありません。
したがって本記事では、英検の形式については日本英語検定協会、読み方の一般的な提案については読解指導研究を参照し、慶英会独自の練習問題と区別して記載します。
21問を採点するときの見方
正答数だけでなく、誤答した問題で「英文自体の意味が分からなかった」「根拠となる部分を見つけられなかった」「質問の条件を読み落とした」「時間内に解けなかった」のどれが原因か記録します。日本語で回答する今回の問題が解けたとしても、学校の英語での選択肢問題や英作文が必ず得意とは限りません。逆に誤答があっても、該当文法が未習なら先に基礎を学びましょう。
読む速度は正答率と一緒に記録する
一度目の演習でかかった時間を記録し、解答の根拠と正答率を確認します。二度目には設問を先に確認する、段落の話題を短く書くなど一つだけ方法を変更して比較します。速くなった一方で誤答が増えるなら、その方法が本人に合っているとは限りません。学校の試験時間に近い演習へ移るのは、意味理解が安定してからで構いません。
英検3級の公式過去問を使う方法
英検協会の公式3級ページには過去の問題冊子と解答、リスニング音源が公開されています。まず公式の形式で長文内容一致問題を解き、間違えた設問について本文の根拠を説明します。知らなかった単語を整理するときは、本文の理解に重要な語と、細かな補足語を分けて優先度を決めます。学校の定期テストが近い場合は学校配布教材を先に復習しましょう。
14日間の改善計画
1日目:時間と誤答を記録
長文1を解き、本文を読む時間と設問を解く時間を記録します。
2日目:主語と動詞
長文1の各文で主語と動詞を見つけ、誰が何をしたか説明します。
3日目:数字と時間表現
長文1のfour、five、Tuesday、Thursday、end of the termを正確に取り出します。
4日目:疑問詞への対応
自分でWhen、Where、Whyの質問を作り、本文から答えを探します。
5日目:因果関係
長文2のbecauseを使ってクラブ参加の理由を説明します。
6日目:対比の理解
長文2のone boxとthe otherの違いをまとめます。
7日目:一週間の再テスト
長文1と2で間違えた設問を、解答を見ずにやり直します。
8日目:時系列
長文3のBefore、Last Friday、After the meetingを順序どおり整理します。
9日目:代名詞
長文3でheが指す人を確認し、登場人物を取り違えないようにします。
10日目:初見の短文
学校の既習範囲で初めて読む短文を用い、中心内容を一文で説明します。
11日目:設問と根拠
答えがある英文へ下線を引き、選んだ理由を日本語で説明します。
12日目:時間配分
時間を測って問題を解き、難問に止まり続けない練習をします。
13日目:学校教材へ転用
学校指定の教科書・プリントの文章を読み、本文と設問の関係を確認します。
14日目:総合点検
初日の時間・正答率・誤答原因を比較し、次の二週間の課題を決めます。
NEW TREASUREを使用している場合の注意点
中高一貫校によってはNEW TREASURE(ニュー・トレジャー)などの教材を使用しますが、具体的な採用状況、版、Stage、Lesson、定期テストでのReadなどの扱いは各校の案内や配布教材で確認してください。この記事は特定学校の採用を断定していません。学校の試験に教科書本文の内容を問う問題があるなら、その本文の理解と問題形式を最優先にします。
英語長文が得意でも学校の点数が伸びない場合
リーディングが安定していても、単語の綴り、文法書き換え、和文英訳、英作文、リスニングに失点があれば総合点は伸びません。返却答案を大問別に集計し、配点の大きい弱点から取り組んでください。英検合格の実績を理由に学校英語の復習を省略しないことが重要です。
よくある質問
Q. 英検3級に合格しているのに長文が終わらないのは変ですか?
A. 変ではありません。英検と学校の試験は文章、設問形式、時間配分が異なる場合があります。
Q. 長文を速く読むには全文和訳をやめるべきですか?
A. 目的によります。構文理解が不十分なら丁寧な確認が必要ですが、内容理解ができている文章まで毎回一語ずつ訳す必要はない場合があります。
Q. 英検準2級へ進めば学校の長文も速く読めますか?
A. 必ずしもそうではありません。語彙・構文・設問処理の弱点を分析し、学校の形式に合わせて練習してください。
Q. 学校指定教材がNEW TREASUREか分かりません。
A. 学校配布の教科書や公式案内で確認してください。学校固有の採用状況を推測で判断しないでください。
長文読解・定期テスト・英検を組み合わせた個別指導
慶英会では、英語入試や英検利用で進学した中高一貫校の中学1・2年生を含め、学校教材の英文読解、英文法、英作文、リスニング、定期テストと英検のオンライン個別指導を提供しています。読む速度だけではなく、本文の意味理解と設問の根拠を確認し、学校の得点につながる学習へ整理することが大切です。最大1か月完全無料体験は慶英会公式サイトをご確認ください。
学校の和訳・文法・英作文で失点している場合は、リーディングだけを練習しても総合点が改善するとは限りません。ご相談の際には、現在の答案と学校の考査範囲、時間が足りなくなる大問を確認します。慶英会は英検・特定学校の公式提携塾ではなく、成績向上を保証するものではありません。
参考にした主な公式情報
情報再確認日:2026年10月14日。掲載した英文3題・21設問と14日間計画は独自作成です。
一般的な中学生向け読解指導の研究参考:米国IES|Improving Adolescent Literacy(語彙・読解方略)。英検の形式と区別してください。
