AICJ高等学校のAIC IBディプロマコースでEnglish B HLを学んでいる方へ。物語の意味は分かっていても、短い抜粋を英語で説明したり、「なぜそう考えたのですか」と聞かれて根拠を示したりする場面で止まることがあります。本記事では、出来事・人物の考え・自分の読みを区別して話し、追加質問に答える練習をします。
慶英会が作った英語の創作3編、独自24問、全文和訳、全解答・解説を掲載します。学校の指定作品、授業課題、IBの過去問の転載ではありません。各編はこの教材のために書いた独立した短い場面で、実在する長編からの抜粋ではありません。正式なIndividual Oralの模試でも、HLで学ぶ文学二作品の代わりでもありません。
教材編集:慶英会 塾長|慶應義塾大学卒・英検1級。学校の課題と学問的誠実性に関する指示を優先し、ここでは本人が理解し、自分の言葉で話すための補助練習を行います。
AICJのEnglish B HLと、対象となる学習
AICJ公式のAIC IBディプロマコース紹介には、高1の2学期までのPre-IBと、高1の3学期からの2年間のDPが説明されています。2025年度設定教科に関する案内の時間割例には、HLの英語Bが含まれます。ただし科目・組合せは年度や時間割によって変わるため、本人の履修科目とレベルを確認してください。学校公式:AIC IBディプロマコース
IB公式のAICJ登録情報にもEnglish Bが掲載されています。これはAICJの全生徒がEnglish B HLを履修するという意味ではありません。本記事は高校のEnglish B HLの口頭活動につながる練習であり、中学生全員の必修課題を紹介するものではありません。IB公式:AICJの登録情報
IBのLanguage Bは、学習経験のある言語をさらに学ぶ科目です。HLではその言語で元から書かれた文学二作品を学び、口頭評価では学習した作品の抜粋に基づく発表・やり取りを行います。SLの視覚資料を用いる口頭評価や、English Aの文学比較とは区別してください。公式ページは2029年初回評価の新課程資料も別に案内しています。以下の形式説明は2026年公開指針と「First assessment 2020」のガイドに基づき、受験年度の条件は学校で確認します。IB公式:Language B
なお、2029年初回評価の更新案内では、評価モデルと評価構成要素は維持し、口頭評価の一部の記述を明確化すると説明されています。「2029年から口頭試験が別形式になる」という意味ではありません。IB公式:Language Bの更新案内
現行資料で確認できる口頭評価の流れ
現行ガイドのHLでは、授業で学んだ二作品からそれぞれ選ばれた、各およそ300語までの抜粋二つを提示され、一つを選んで準備します。準備は20分、口頭評価全体は12〜15分です。メモは最大10の短い箇条書きで、用意した原稿を読み上げるためのものではありません。IB公式:Language B guide(本文50〜52ページ。メモの共通条件は40ページ)
発表は3〜4分、抜粋をめぐる追加のやり取りは4〜5分、IBの指定テーマを出発点にした一般的な話題でのやり取りは5〜6分が目安です。発表の中心は、作品全体の紹介ではなく、抜粋にある出来事・人物・考えです。2026年指針はLanguage B HLで文学分析・批評を要求していないと明記しています。難しい文学用語を増やすより、抜粋の具体的内容を理解して説明することを優先します。IB公式:2026年Language B・口頭評価の指針
家庭練習では、短い説明と質問への返答を分ける
まず「誰が、どこで、何に迷い、何をしたか」を短く話します。次に、人物の考えについて自分の読みを述べ、その読みを支える言葉や行動を示します。「本文に書かれている事実」と「そこから自分が考えたこと」を混ぜないようにします。
返答は、質問に直接答える一文から始め、根拠と説明を足します。別の読みを示されたら、相手の見方を一度確認し、賛成できる部分と本文だけでは断定できない部分を分けます。単に長く話すために、聞かれていないあらすじを最初から繰り返す必要はありません。
以下の90〜120語の発表課題は、話す内容を整理するための慶英会独自の短い練習です。公式の語数条件でも、3〜4分の発表を満たす原稿でもありません。最初は書いて整理して構いませんが、次は全文を閉じ、短いメモから説明してください。解答例の暗記を本番準備の中心にしないでください。
各編の最後は、本文の説明から少し離れた一般的な話題への質問です。自分の経験を話しても、仮の例を使っても構いません。仮の経験を本当の出来事として話す必要はありません。文学の解釈と意見問題には、根拠や説明が成り立つ別解もあります。
創作A|The Map in the Drawer
練習の焦点:変化を受け入れる気持ちと、残しておきたいもの。以下はすべて慶英会の創作です。
[A1] Lina found the map while helping her grandfather pack for his move. It showed the streets around his old house, but it marked no shops or bus stops. Instead, beside a blue line, he had written, “Where your mother learned to ride a bicycle.” Near a small square, she read, “First snow with you.”
[A2] “I can make a better one on my phone,” Lina said. “It will show you the quickest way to everything.” Her grandfather folded a towel before answering. “That would be useful,” he said. “But this one tells me why I used to take the long way home.” Lina looked again at the blue line. She had always thought it was simply the road beside the river.
[A3] At the new apartment, Lina placed his map in a drawer so that it would not be lost among the boxes. Then she opened a map of the new neighbourhood on her phone. “We could start with the park,” she said. Her grandfather put on his coat, but stopped when she asked how long the walk would take. “We have not walked it yet,” he said.
[A4] Outside, Lina began to count the minutes. At the corner, he pointed to a tree with yellow leaves, and she put her phone away. That evening, she drew a new line on a blank sheet. Beside it she wrote, “The tree we stopped under.” She left the space for the walking time empty.
創作Aの8問
問1.祖父の古い地図には、普通の道案内と違って何が書かれていますか。例を一つ含む英語二文で説明しなさい。
問2.A2でリナが言う better は、最初はどのような意味ですか。祖父の考えと対比する英語二文を書きなさい。
問3.次の説明には、本文から断定できない部分があります。より慎重な英語二文へ直しなさい。Lina throws away the old map because her grandfather no longer cares about his old home.
問4.この場面を説明するための短い英語メモを5項目作りなさい。長い完成文の原稿にはしません。
問5.90〜120語の英語で短い発表を作りなさい。状況、リナの最初の考え、具体的な出来事、変化についての自分の読みを含めます。
問6.追加質問に英語2〜3文で答えなさい。Why does Lina leave the walking time blank?(リナはなぜ歩いた時間の欄を空白にしますか。)
問7.別の読みへの返答を英語2〜3文で作りなさい。I think the story says that phones are useless. Do you agree?(この物語はスマートフォンは役に立たないと言っていると思います。賛成ですか。)
問8.一般的な話題への質問に英語3〜4文で答えなさい。How can people make a new place feel familiar?(新しい場所を身近に感じられるようにするには、どんなことができますか。)
創作Aの全文和訳
[A1] リナは、祖父の引っ越しの荷造りを手伝っているときに、その地図を見つけました。古い家の周りの通りを描いたものでしたが、店もバス停も記されていませんでした。代わりに、青い線の横には「お母さんが自転車に乗ることを覚えた場所」と書いてありました。小さな四角の近くには、「あなたと見た初めての雪」とありました。
[A2] 「スマートフォンでもっとよい地図を作れるよ」とリナは言いました。「どこへ行くにも最も速い道が分かるから」。祖父は答える前にタオルをたたみました。「それは役に立つだろうね」と言いました。「でも、この地図は、私がなぜ遠回りをして家に帰っていたのかを教えてくれるんだ」。リナは青い線をもう一度見ました。それまでは、川のそばの道を示しているだけだと思っていました。
[A3] 新しいアパートで、リナは祖父の地図が箱の間でなくならないように引き出しに入れました。それからスマートフォンで新しい近所の地図を開きました。「まず公園に行ってみようよ」と言いました。祖父はコートを着ましたが、歩くのにどのくらいかかるかと聞かれると、いったん動きを止めました。「まだそこを歩いていないからね」と言いました。
[A4] 外に出ると、リナは何分たったかを数え始めました。角で祖父が黄色い葉の木を指し示すと、リナはスマートフォンをしまいました。その晩、白い紙に新しい線を引きました。その横には「二人で立ち止まった木」と書きました。歩いた時間を書く欄は空白のままにしました。
創作Aの全解答・解説
問1の解答例:The map records personal memories rather than practical destinations. For example, it marks the place where Lina’s mother learned to ride.
解答例の意味:地図には実用的な目的地よりも、個人的な思い出が記録されています。例えば、リナの母が自転車に乗ることを覚えた場所が記されています。
解説:A1の具体例を使います。店やバス停がないことから、道を全く表していない地図だとまでは言えません。
問2の解答例:At first, Lina thinks a better map will help her grandfather reach places more quickly. Her grandfather values the old map because it connects routes with memories.
解答例の意味:最初、リナはよりよい地図なら祖父がもっと速く目的地に着けると考えています。祖父は道と思い出を結び付ける古い地図を大切にしています。
解説:betterの基準を速さと記憶に分けます。祖父も新しい地図は useful と認めており、新技術すべてへの反対ではありません。
問3の解答例:Lina keeps the old map in a drawer so that it will not be lost. The extract suggests that her grandfather still values the memories connected with his old home.
解答例の意味:リナは古い地図がなくならないよう、引き出しに保管します。この場面からは、祖父が古い家につながる思い出を今も大切にしていると考えられます。
解説:A3では保管しており、捨ててはいません。A2も、古い家への関心を失ったという主張に合いません。
問4の解答例:move to new apartment / old map: memories / Lina: quickest routes / shared walk, yellow tree / new map: experience before speed
解答例の意味:新しいアパートへの引っ越し/古い地図は思い出/リナは最速の道/一緒の散歩と黄色い木/新しい地図は速さより経験
解説:場面の順序を思い出せる短い手掛かりにします。最後はこの解答の読みです。実際に話すときは本文の動作と結び付けて説明します。
問5の解答例:This scene shows Lina helping her grandfather move to a new apartment. At first, she sees maps mainly as tools for finding the quickest route. Her grandfather’s old map, however, records family memories. During their first walk in the new neighbourhood, he points out a tree, and Lina puts her phone away. Later, she draws the route and records where they stopped instead of how long they walked. I think she begins to understand that a place becomes meaningful through shared experiences. She does not destroy the old map or reject every practical use of technology. She adds another way of valuing a journey.
解答例の意味:この場面では、リナが祖父の新しいアパートへの引っ越しを手伝っています。最初は、地図を主に最速の道を見つける道具だと考えます。しかし祖父の古い地図は家族の思い出を記録しています。新しい近所での初めての散歩中、祖父が木を指すと、リナはスマートフォンをしまいます。その後、道を描き、歩いた時間ではなく立ち止まった場所を記録します。場所は共に過ごす経験を通して意味を持つことを、リナは理解し始めたのだと思います。古い地図を壊したり、技術の実用性すべてを拒否したりはしません。旅路の価値を考える新しい見方を加えます。
解説:104語。出来事の説明から、自分の読みへ I think で移ります。スマートフォンをしまう行動と最後の記録を根拠にしています。これは短い練習例で、正式な発表の所要時間を満たすものではありません。
問6の解答例:I think she is more interested in remembering their shared experience than timing their walk. She writes about the tree they stopped under, so the new map records what mattered to them during the walk.
解答例の意味:歩いた時間を測ることより、二人が共にした経験を覚えておくことに関心が向いているのだと思います。立ち止まった木のことを書くので、新しい地図は散歩中に二人にとって大切だったことを記録しています。
解説:「空白だから時間を忘れた」と断定せず、直前に何を書いたかを根拠に解釈します。
問7の解答例:Not completely. Her grandfather says the phone map would be useful, and Lina looks at a map of the new neighbourhood on her phone. I think the scene questions speed as the only priority, rather than rejecting phones themselves.
解答例の意味:全面的には賛成しません。祖父はスマートフォンの地図が役に立つと言い、リナはスマートフォンで新しい近所の地図を見ます。この場面はスマートフォン自体を否定するより、速さだけを優先することに疑問を向けていると思います。
解説:相手の主張へ直接返答し、A2・A3の情報を使います。A3は公園の散歩を提案した場面なので、実際の公園到着まで起きたことにはしません。
問8の解答例:People can build small routines in a new place. For example, they might visit the same park each week and notice how it changes. Sharing these visits with someone can create memories. Familiarity can grow gradually, so there is no need to feel at home immediately.
解答例の意味:新しい場所で小さな習慣を作ることができます。例えば、毎週同じ公園を訪れ、その変化に気付けるかもしれません。誰かと一緒に訪れれば思い出が生まれます。親しみは少しずつ育つので、すぐにくつろげるようになる必要はありません。
解説:本文をもう一度要約するのではなく、一般的な方法と例を答えます。mightで仮の例と分かる表現にしています。
創作B|The Second Broadcast
練習の焦点:間違いを認める不安と、聞き手への責任。以下はすべて慶英会の創作です。
[B1] Niko had been waiting all term to read the lunchtime announcements. On his first day, he saw a message from a friend: “The drama performance might be cancelled. Someone said the hall has a problem.” The red light above the microphone came on. Niko wanted to sound calm and certain. “Today’s performance has been cancelled,” he announced.
[B2] Five minutes later, the drama teacher came into the room. The hall was being checked, she explained, but no decision had been made. “Please tell everyone what we actually know,” she said. Niko looked at the microphone. His first announcement had sounded so professional. A second one would show the whole school that he had been wrong.
[B3] He wrote, “There has been some confusion.” Then he crossed it out. There had been uncertainty before his announcement, but he had turned it into certainty. When the light came on again, he said, “I said earlier that the performance was cancelled. That was not confirmed. The hall is being checked, and the drama teacher will give us an update.”
[B4] After lunch, a friend told him the correction had sounded nervous. Niko listened to the recording and heard the pause before “I said earlier.” He could have deleted the recording from his practice folder. Instead, he kept it beside his notes for the next announcement. At the top of a fresh page, he wrote a question: “Who has confirmed this?”
創作Bの8問
問9.ニコが最初の放送で、元のメッセージの意味をどう変えたか、英語二文で説明しなさい。
問10.先生に訂正を求められたとき、ニコがためらう理由を英語二文で説明しなさい。
問11.本文で最後まで確定していないのは何ですか。次の説明を慎重な英語二文へ直しなさい。The performance goes ahead, and every student trusts Niko more than before.
問12.この場面の短い発表に使う英語メモを5項目作りなさい。情報の不確かさと訂正を区別します。
問13.90〜120語の英語で短い発表を作りなさい。誤り、ためらい、訂正、最後に残した問いを結び付けます。
問14.追加質問に英語2〜3文で答えなさい。Why does Niko cross out “There has been some confusion”?(なぜニコは「少し混乱がありました」を消しますか。)
問15.別の見方への返答を英語2〜3文で作りなさい。His voice sounds nervous, so the correction is a failure. Do you agree?(声が緊張しているので訂正は失敗です。賛成ですか。)
問16.一般的な話題への質問に英語3〜4文で答えなさい。What should people do before sharing uncertain information with a group?(不確かな情報を集団に伝える前に、何をするべきですか。)
創作Bの全文和訳
[B1] ニコは、昼休みの放送を読む機会を学期中ずっと待っていました。初日、友達から「演劇の公演は中止になるかもしれない。講堂に問題があると誰かが言っていた」というメッセージを目にしました。マイクの上の赤いランプがつきました。ニコは落ち着いて確信を持っているように聞こえたくて、「今日の公演は中止になりました」と放送しました。
[B2] 5分後、演劇の先生が部屋に来ました。先生の説明では、講堂は点検中でしたが、まだ決定はされていませんでした。「実際に分かっていることを皆さんに伝えてください」と先生は言いました。ニコはマイクを見ました。最初の放送はとてもプロらしく聞こえたのです。2回目の放送をすれば、自分が間違っていたと全校に知らせることになります。
[B3] ニコは「少し混乱がありました」と書きました。そしてその文を線で消しました。放送前には不確かな情報がありましたが、それを確かなことに変えたのはニコ自身でした。再びランプがつくと、「先ほど、公演は中止になったと伝えました。これは確認された情報ではありませんでした。講堂は点検中で、演劇の先生から続報があります」と言いました。
[B4] 昼休みの後、友達は訂正の放送が緊張して聞こえたと言いました。ニコは録音を聞き、「先ほど私が」の前に間があいたことに気付きました。練習用フォルダーから録音を消すこともできました。けれども、次の放送用のメモと一緒に残しました。新しいページの一番上には、「誰がこれを確認したのか」と問いを書きました。
創作Bの全解答・解説
問9の解答例:The message only says that the performance might be cancelled. Niko presents the cancellation as a confirmed fact.
解答例の意味:メッセージは、公演が中止になるかもしれないとだけ伝えています。ニコは中止を確認済みの事実として話します。
解説:mightとhas been cancelledの差を押さえます。元のメッセージ自体に中止の決定はありません。
問10の解答例:He wants to appear professional and confident on his first day. He fears that a second announcement will reveal his mistake to everyone.
解答例の意味:初日からプロらしく、自信があるように見られたいのです。2回目の放送で自分の誤りが皆に明らかになることを恐れています。
解説:B1・B2の心情に基づきます。先生に罰せられる、担当を外されるなど、書かれていない処分を理由にしません。
問11の解答例:The extract does not tell us whether the performance takes place. It shows Niko correcting his announcement, but it does not establish how every student feels about him.
解答例の意味:公演が実施されるかは、この場面には書かれていません。ニコが放送を訂正することは描かれていますが、生徒全員がどう思うかは分かりません。
解説:公演の最終決定と全員の信頼は不明です。友達一人の声についての感想から、全員の評価を作らないようにします。
問12の解答例:first day: wants confidence / might becomes certainty / fear of admitting error / specific correction / recording kept; source check next time
解答例の意味:初日で自信を見せたい/かもしれないが断定になる/誤りを認める不安/具体的な訂正/録音を残し次回は情報源を確認
解説:単なる出来事の列ではなく、なぜ訂正が難しいかと、今後に向けた行動を話せるメモです。
問13の解答例:Niko makes an inaccurate announcement because he turns a possible cancellation into a definite one. On his first day, he wants to sound professional, so admitting the mistake feels embarrassing. However, he rejects a vague statement about confusion and clearly identifies what he said wrong. He explains what is known and who will provide an update. His voice still sounds nervous, but he keeps the recording and writes a question about confirmation. I think the scene shows that responsibility involves more than sounding confident. We cannot tell whether everyone trusts him afterwards, but we can see a change in how he plans to handle information.
解答例の意味:ニコは中止の可能性を確定に変えたため、不正確な放送をします。初日はプロらしく聞こえたいので、間違いを認めるのは恥ずかしく感じます。しかし曖昧な「混乱」という表現を退け、何を誤って言ったかを明らかにします。分かっていることと、誰が続報を伝えるかを説明します。声はまだ緊張していますが、録音を残し、確認についての問いを書きます。この場面は、責任を果たすには自信ありげに話すだけでは足りないことを示していると思います。その後皆が彼を信頼するかは不明ですが、情報の扱い方を変えようとする姿勢は分かります。
解説:105語。誤りを訂正したことと、評判が改善したという結果を分けます。最後の問いは今後への準備であり、以後一度も誤りがないという証拠ではありません。
問14の解答例:That sentence hides who made the error and what it was. Niko realises that he turned uncertainty into certainty, so he replaces it with a direct correction of his own announcement.
解答例の意味:その文は誰がどんな誤りを犯したかを隠します。ニコは不確かな情報を確定事項に変えたと気付き、自分の放送を直接訂正する文に置き換えます。
解説:B3の書き直しを理由と結び付けます。「短い文だったから」など、根拠のない文体上の理由にしません。
問15の解答例:I do not think nervousness makes the correction a failure. He still explains the mistake and gives the confirmed information. The extract does not prove that everyone is satisfied, but it shows him taking a necessary step.
解答例の意味:緊張しているからといって訂正が失敗だとは思いません。誤りを説明し、確認できた情報を伝えています。全員が満足したとは証明されませんが、必要な一歩を踏み出す姿を示しています。
解説:声の印象と訂正の中身を分けます。聞き手がどう反応したかは慎重に留保します。
問16の解答例:People should check who provided the information and whether that person can confirm it. They can contact the organiser when the claim concerns an event. If confirmation is unavailable, they should make the uncertainty clear or wait before sharing it. Sounding confident should not replace checking.
解答例の意味:誰が情報を提供したのか、その人が確認できる立場なのかを調べるべきです。行事に関する話なら主催者へ確認できます。確認できない場合は、不確かさを明示するか、共有を待つべきです。自信を持って話すことを確認の代わりにしてはいけません。
解説:一般的な判断方法を具体化します。本文の人物名だけを使った再話で終わらず、他の場面にも使える説明にしています。
創作C|At the Finish Line
練習の焦点:自分に有利な結果と、公正さの間で迷う気持ち。以下はすべて慶英会の創作です。
[C1] Tariq crossed the finish line first in the club’s practice race. He had never beaten Ben before. While the others caught their breath, he pictured telling his older sister about the result. Then Ben asked whether anyone else had nearly missed the second turning. Tariq remembered only one turning after the bridge.
[C2] He walked back to the route board. A red line curved around a small field before returning to the path. He had followed the old arrow beside the bridge and gone straight on. “Perhaps your route was just as long,” his friend Ella said. Tariq wanted that to be true. But he could not tell from the small drawing.
[C3] The coach was putting the results into a folder. Tariq could wait until the next training session, when the excitement had passed. Instead, he asked her to leave his time unconfirmed. He described the path he had taken and pointed to the old arrow. “We need to check the distance,” the coach said. “And we need to change that sign before anyone runs the route again.”
[C4] On the way home, his sister sent a message asking who had won. Tariq typed, “I came first,” then deleted it. He wrote, “I finished first, but we are checking my route.” The reply was a question about what had happened, not a row of cheering faces. He began to explain. The result in the coach’s folder was still unfinished, and so was the story he would tell at home.
創作Cの8問
問17.タリクの結果について、確定していることと未確定のことを英語二文で区別しなさい。
問18.C2でエラの発言を信じたい理由を、本文に基づいて英語二文で説明しなさい。
問19.次の説明を、本文に合う慎重な英語二文へ直しなさい。Tariq deliberately cheats, and the coach immediately disqualifies him.
問20.この場面の短い発表に使う英語メモを5項目作りなさい。結末を未確定のまま扱います。
問21.90〜120語の英語で短い発表を作りなさい。喜び、疑問、有利な解釈への誘惑、確認を求める選択を結び付けます。
問22.追加質問に英語2〜3文で答えなさい。Why is his message to his sister more careful than “I came first”?(姉への実際のメッセージは、なぜ「1位になった」より慎重なのですか。)
問23.別の見方への返答を英語2〜3文で作りなさい。The old sign caused the problem, so Tariq has no responsibility now. Do you agree?(古い標識が原因なので、タリクには今何の責任もありません。賛成ですか。)
問24.一般的な話題への質問に英語3〜4文で答えなさい。What can a fair process offer when a result is uncertain?(結果が不確かなとき、公正な手続きにはどんな意義がありますか。)
創作Cの全文和訳
[C1] タリクはクラブの練習レースで最初にゴールしました。これまでベンに勝ったことは一度もありませんでした。他の人が息を整える間、結果を姉に伝えるところを想像しました。するとベンが、2番目の曲がり角を見落としかけた人は他にいないかと尋ねました。タリクには、橋の後に曲がった記憶が一度しかありませんでした。
[C2] タリクはコースの案内板へ戻りました。赤い線は小さな野原を回り、再び道につながっていました。タリクは橋のそばの古い矢印に従い、そのまま直進していたのです。「あなたのコースも同じ距離だったかもしれないよ」と友達のエラは言いました。タリクはそうであってほしいと思いました。でも、小さな図だけでは判断できませんでした。
[C3] コーチは結果をフォルダーに入れていました。タリクは、興奮が落ち着く次の練習まで待つこともできました。けれども、自分のタイムを未確定のままにしてほしいと頼みました。走った道を説明し、古い矢印を指さしました。「距離を確認する必要があるね」とコーチは言いました。「それに、次に誰かが走る前に標識を変える必要もあるね」。
[C4] 帰宅途中、姉から誰が勝ったかを尋ねるメッセージが届きました。タリクは「1位になった」と打ち、消しました。「最初にゴールしたけれど、走ったコースを確認している」と書きました。返事は歓声を表す顔文字の列ではなく、何があったかという質問でした。タリクは説明し始めました。コーチのフォルダーの結果はまだ確定しておらず、家で語る話もまだ完結していませんでした。
創作Cの全解答・解説
問17の解答例:Tariq finishes before the other runners. His result is not confirmed because the coach still needs to check the distance of the route he took.
解答例の意味:タリクは他の走者より先にゴールします。走ったコースの距離をコーチがまだ確認する必要があるため、結果は確定していません。
解説:ゴールの順番と有効な競技結果を分けます。短い道だった、失格になったという結論は出ていません。
問18の解答例:He has never beaten Ben before and is excited about telling his sister. If the distances are equal, he may be able to keep the result he wants, although the extract does not confirm this.
解答例の意味:それまでベンに勝ったことがなく、姉に話すのを楽しみにしています。距離が同じなら望む結果を維持できるかもしれませんが、本文では確定していません。
解説:C1とC2から欲しい結果への気持ちを読みます。距離が同じなら必ず正式勝者になるという競技規則までは与えられていません。
問19の解答例:Tariq follows an old arrow and later realises that his route differs from the one on the board. The coach plans to check the distance, but the extract gives no final decision about his result.
解答例の意味:タリクは古い矢印に従い、後で案内板のコースとの違いに気付きます。コーチは距離を確認する予定ですが、本文には結果への最終判断はありません。
解説:意図的な不正をした証拠はありません。コーチの確認方針を、その場での失格処分に変えてはいけません。
問20の解答例:first finish, hope of winning / different route; old arrow / Ella’s possibility, no proof / asks for unconfirmed time / careful message; result still open
解答例の意味:最初のゴールと勝利への期待/異なるコースと古い矢印/エラの可能性の話で証拠なし/タイムの確認保留を依頼/慎重なメッセージと未確定の結果
解説:嬉しさから疑問、確認への順を示します。最後を「失格」や「優勝確定」の一語で埋めないことが大切です。
問21の解答例:Tariq is pleased to finish first in a practice race, but a conversation makes him question his route. He discovers that he followed an old arrow instead of the route on the board. Ella suggests that the distances may be equal, and he wants to believe her. However, he asks the coach not to confirm his time until the route has been checked. His careful message to his sister shows the same choice. I think the scene explores fairness when honesty may threaten a result someone wants. The ending remains uncertain, so his decision matters before he knows whether he will gain or lose anything.
解答例の意味:タリクは練習レースで最初にゴールして喜びますが、会話をきっかけに自分のコースへ疑問を持ちます。案内板のコースではなく古い矢印に従ったと分かります。エラは距離が同じかもしれないと言い、彼は信じたがります。しかし、コースの確認までタイムを確定しないようコーチに頼みます。姉への慎重なメッセージにも同じ選択が表れます。この場面は、正直であることが望む結果を脅かしかねないときの公正さを扱っていると思います。結末が不確かなので、利益か不利益かを知る前の選択に意味があります。
解説:105語。結果で人物を評価するだけではなく、結果が分からない段階で何を選んだかを説明します。本文外の競技規則は追加しません。
問22の解答例:It separates the order of finishing from the final result. He says he finished first but also explains that his route is being checked, so he does not hide the uncertainty.
解答例の意味:ゴールの順番と最終結果を分けているからです。最初にゴールしたと伝える一方、コースを確認中だとも説明し、不確かさを隠していません。
解説:C4のbut以下が重要です。最初の言葉だけでは、姉が正式な勝利として受け取る可能性があります。
問23の解答例:The old sign helps explain his mistake, so I would not assume that he intended to cheat. However, once he notices the problem, he can take responsibility by reporting his route accurately. The coach also needs to correct the sign.
解答例の意味:古い標識は誤りの理由を説明するので、不正をするつもりだったとは決め付けません。しかし問題に気付いた後は、走ったコースを正確に報告する責任を果たせます。コーチにも標識を直す必要があります。
解説:過去の故意と、問題を知った後の行動を分けます。片方だけに全責任を押し付ける説明にしません。
問24の解答例:A fair process gives people a reason to trust how a decision is made. It allows relevant facts to be checked before a result is announced. For example, a competition organiser can explain what is being reviewed and when an update is expected. This may be less exciting than an immediate answer, but it avoids pretending that uncertainty has disappeared.
解答例の意味:公正な手続きは、決定の仕方を信頼する理由になります。結果を発表する前に関係する事実を確認できます。例えば大会主催者は、何を検討中か、いつ続報が見込まれるかを説明できます。即答ほど盛り上がらなくても、不確かさが消えたふりをせずに済みます。
解説:一般的な質問に、役割・具体例・理由を示して答えます。いつ確定するかが不明なとき、根拠なく期限を約束するという意味ではありません。
自分の録音を聞くときの確認と、次の練習
最初の3問で迷う場合は、事実・推測・未確定の事項を紙に分けてから話します。発表で止まる場合は、5つのメモだけを見て一度説明し、言えなかった箇所の語彙や文法を確認します。追加質問で止まる場合は、最初の一文が質問への返答になっているかを聞き直してください。
録音では、①場面に合う説明か、②自分の読みの根拠が言えているか、③質問に直接答えているか、④相手が理解できる発音とつながりになっているかを確認します。これは家庭練習用のチェックで、IBの公式採点規準や点数換算表ではありません。言い直しが一度あっただけで全体を失敗扱いせず、意味が伝わるかを見ます。
次の日には、聞き手が質問の順番や言葉を変えます。発表原稿を再生するだけでなく、聞かれた内容に合わせて情報を選び直してください。その後、学校で学習中の作品へ戻り、人物や出来事を本文に沿って説明する練習をします。学校の正式評価で使う抜粋を事前に特定したり、提出・評価される発表を外部に代作させたりするための教材ではありません。
よくある質問
English Aの文学比較と同じ練習をすればよいですか。
課題の目的が異なります。English B HLでは、抜粋について内容の理解を示し、相手とやり取りする練習を優先します。専門的な文学批評や二作品比較を、本記事の発表へ無理に加える必要はありません。本人がEnglish Aを履修している場合は、下の別教材を利用してください。
抜粋にない前後の出来事も説明するべきですか。
実際に学習した作品の文脈を短く示すことは役立ちますが、抜粋の説明が中心です。本記事の創作には別の章や長編全体が存在しないので、作者の経歴、後の成功、登場人物の過去などを事実として補わないでください。
解答例より簡単な英語ではいけませんか。
簡単でも、問いへの答えと根拠が正確に伝わる文から始められます。そこから語彙や文構造を広げます。難しい表現を覚えたために意味が曖昧になったり、自分で説明できなくなったりしていないかを確かめてください。
英検の上位級なら、口頭評価は十分に準備できていますか。
語彙・読解・発話の経験は役立ちますが、履修している文学作品を理解し、目の前の抜粋や質問に即して話す準備は別に必要です。級だけで科目の適性や評点は判断できません。
この練習の正答数から、IBの評点を予測できますか。
できません。本教材は技能を分けた自主練習であり、正式な時間・評価条件で行った口頭評価ではありません。学校の担当教員による助言や、受験年度の正式資料を優先してください。
学習相談・関連教材
AICJ高校IB English Aの文学比較・創作4編32問
AICJ中学校の英語プレゼン・ディスカッション40問
English B英作文の読み手・目的・文体を変える32問(札幌日大高校向け記事)
英語で内容や根拠を説明するときに困る場合は、履修科目・学校の指示・本人が書いた短い説明・答えにくかった質問を整理すると、相談点が明確になります。慶英会は学校やIBの公認指導機関ではなく、公式採点や提出課題の代筆を行うサービスではありません。指導内容と受付条件は無料体験・学習相談でご確認ください。
確認した一次資料
AICJ公式:AIC IBディプロマコース
IB公式:AICJ Junior and Senior High School
IB公式:Language B(現行概要と2029年初回評価資料の案内)
IB公式:Language Bの更新案内
IB公式:Language B guide, First assessment 2020
IB公式:Examiner Instructions 2026, Language B
確認日:2026年11月4日。学校・IBの公式情報と慶英会の独自教材・練習方法を区別して掲載しています。創作内の人物・施設・出来事は架空で、特定の在校生の学習状況や学校の出題を示すものではありません。

