作文の支援は、講師が文章を代わりに完成させるより、生徒の主張、理由、具体例のつながりを見える形にすることから始めます。大学生講師は、内容を引き出す質問と、表現を整える質問を分けて用意しましょう。
架空作文を三つに分ける
練習用作文『私は、学校に本を紹介する掲示板があるとよいと思う。読書が好きだからだ。この前、友人にすすめられた本を読んだ。とてもおもしろかった。』では、主張は分かりますが、自分が読書好きであることと、学校に掲示板が必要なことの関係が弱くなっています。
理由を具体例につなげる質問
「友人の紹介がなかったら、その本を選んだかな」「掲示板を見る人には、どんなよさがありそう?」と聞きます。本人の考えを確認せず、講師の主張を入れないことが大切です。架空例であれば「友人の紹介で新しい本に出会えた経験を、ほかの人にも広げたい」という方向が考えられます。
推敲の一例
改善例『私は、学校に本を紹介する掲示板があるとよいと思う。自分では選ばない本に出会うきっかけになるからだ。私は友人の紹介で、初めて冒険小説を読んだ。紹介文があれば、ほかの生徒も新しい本を選びやすくなると思う。』
この改善例も架空の作文です。実際の生徒に存在しない経験を追加させてはいけません。主張、理由、具体例、まとめの役割を見せる材料として使います。指定字数がある場合は、必要な内容を決めてから長さを調整します。
添削の優先順位
まず題意に合っているか、次に理由と例がつながるか、最後に文の重複や表記を見ます。「とてもおもしろかった」を詳しくするなら、「どの場面の、何がおもしろかった?」と尋ねます。抽象語を機械的に禁止せず、読者に伝わる具体性が足りるかで判断します。
授業の最後は、生徒が自分で直した一文を説明できるか確認します。講師のきれいな文章を写すだけになっていれば、修正量を減らして本人の言葉へ戻しましょう。
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