国語の記述答案は、最初に設問への対応、次に内容の根拠、最後に主語と述語や表記を確認すると、直す目的が明確になります。大学生講師が添削を練習するときも、すべてを赤字で書き換えるより、生徒が自分で一か所直せる問いを用意しましょう。
共通の練習文と設問
以下は創作の練習文です。『葵は委員会の発表を一人で準備していた。しかし図を作るのに時間がかかり、友人に手伝ってほしいと頼んだ。友人と分担すると資料がまとまり、葵はほっとした。』設問は「葵がほっとしたのはなぜか」です。
答えの核は、友人と分担することで資料がまとまったことです。頼んだことだけ、友人がいたことだけでは、安堵した理由とのつながりが十分ではありません。
答案1:問いに対応していない
答案「葵はほっとした」。本文の表現を使っていますが、「なぜか」に対する理由がありません。「どんな気持ちかではなく、なぜその気持ちになったのかな」と聞きます。改善例は「友人と分担し、準備していた資料がまとまったから」です。
語尾を「から」にするだけで直るとは限りません。「ほっとしたから」では内容が循環します。理由となる出来事を入れるところまで確認します。
答案2:本文にない情報を足している
答案「友人が全部作ってくれて、発表で一番になったから」。資料がまとまったことは読めますが、すべて友人が作ったことや順位は書かれていません。本文で確かめられる部分に線を引き、確かめられない部分を削ります。
改善例は「友人と作業を分担した結果、資料がまとまったから」。想像力を否定するのではなく、この設問では本文の範囲で答えるという条件を伝えます。
答案3:主語と述語がつながらない
答案「葵が安心した理由は、友人と資料をまとめた」。理由を主語にした文としては、述語の形が不自然です。「理由は」で始めるなら「友人と分担して資料をまとめられたことだ」と整えられます。
先に内容が正しいことを伝えてから、「理由は」に続く文末を一緒に読み直します。文全体を声に出し、何について何を述べているか確かめると、表面的な語尾修正で終わりにくくなります。
添削前後を残すチェック
一度に扱う課題は、設問への対応など一つに絞ります。生徒の元の答案、講師の質問、生徒が直した答案を並べ、どこを自分で修正したか記録します。次の一題では同じ型を丸写しさせず、理由以外の設問にも対応できるかを見ます。
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