
慶英会 塾長|慶應義塾大学卒・英検1級
中高一貫校の学校英語・NEW TREASURE・英検対策を専門とするオンライン個別指導塾です。塾長紹介
セントヨゼフ女子学園中学校の英語学習で、歴史上の人物について調べたのに「年表の数字を読むだけになる」「功績を短くすると、本人がしていないことまで書いてしまう」ときは、いつ・誰が・何をしたかを分けてから英文にする練習が役立ちます。本記事は、三重県津市の同校の過年度CLIL発表記録を手掛かりに、伊能忠敬の年表を使って人物紹介を組み立てる独自8課題です。英語の文法と歴史の事実を、別々に確認しながらつなげます。
学校の活動記録は2021年。現在の課題とは区別
学校公式の2021年12月22日記事は、12月16日に中学2年S組が英語と社会のCLIL学習の発表を行ったと報告しています。日本の歴史的人物の人生や実績を調べ、スライドを使って英語で紹介した活動で、伊能忠敬も例に挙げられています。
これは2021年の特定のクラスの記録です。現在も同じクラス名・課題・実施月・発表形式で行われるという意味ではありません。本記事の8課題・英文・発表の構成は慶英会独自の家庭学習用で、当時の生徒のスライドや学校の配布原稿を再現していません。今の学校の課題・指定資料・発表時間があれば、そちらを優先してください。
最初に使う事実カード|人生と地図完成を分ける
以下の年代は、香取市・伊能忠敬記念館「伊能忠敬とは」の年表と国土地理院「測量・地図ミニ人物伝:伊能忠敬」で確認しました。資料全文の翻訳ではなく、今回の練習に必要な事実を選んだカードです。
カードA:1800年、第1次測量。
カードB:1818年、伊能忠敬が亡くなる。
カードC:1821年、『大日本沿海輿地全図』が完成。国土地理院は弟子たちの協力を説明しています。
カードD:1815~1816年の第9次測量について、香取市の年表は忠敬が不参加と記しています。
年表を短くまとめるとき、『有名な人だから、測量も完成もすべて一人で行った』とはしないことが大切です。カードDは、人の一生の年表に載っていても、そのすべての作業に本人が参加したとは限らないと気付くために使います。今回は年齢の数え方や地図の縮尺を問う教材ではありません。
課題1・2|数字より先に、出来事を結び付ける
課題1:次の英文を、出来事が起きた順番に並べてください。①The maps were completed in 1821. ②Ino Tadataka died in 1818. ③His first survey began in 1800.
課題2:His first survey began in 1800. の後に、He completed the maps in 1821. と続けた原稿があります。文法だけでなく事実カードに照らすと、どこに問題がありますか。Heを使わず、地図の完成を表す一文に直してください。
語句の助け:survey=測量、began=beginの過去形、died=亡くなった、were completed=完成した(受け身の形)。ここでmapsは『大日本沿海輿地全図』を構成する地図をまとめて指します。
課題3・4|短くするために主語を変えない
課題3:次の二つのうち、カードB・Cと一致する紹介を選んでください。
A:He died in 1818, but his students helped complete the maps in 1821.
B:He completed the maps in 1821 and died in 1818.
選んだ理由を『誰が完成に関わったか』と『年代』の二点で説明してください。
課題4:「本人が第9次測量の全行程を歩いた」と発表原稿に書こうとしています。カードDと矛盾する点を指摘し、次の英文の空所を埋めてください。He did ( ) take part in the ninth survey.(彼は第9次測量に参加しませんでした。)
課題5・6|事実・感想・資料にない発言を分ける
課題5:次の三文を、①カードで確認できる事実、②発表者の感想、③今回の資料から確認できない本人の言葉、に分類してください。
A:His first survey began in 1800.
B:I think this story shows the value of working with others.
C:Ino said, “I can finish all the maps alone.”
課題6:感想を伝えるつもりで、Ino wanted every student today to become a mapmaker. と書きました。この文で未確認なのは何ですか。本人の意図を断定せず、『私はこの話を読んで、地図についてもっと学びたくなった』という発表者の感想に直してください。文の出だしは After reading this story, I … です。
注意:課題5C・課題6の誤りを含む例は、誤った断定を見分けるための創作文です。伊能忠敬の実際の言葉・意図ではありません。引用符を付ける場合は、本当に確認した原文と出典が必要です。
課題7・8|聞き手の質問に答え、出典へ戻る
創作の質問:Did Ino himself finish the maps in 1821?(1821年に地図を完成させたのは伊能忠敬本人ですか。)
課題7:Noで始め、1818年と弟子たちの協力に触れる英語2~3文で答えてください。長い生涯紹介を最初から繰り返す必要はありません。
課題8:発表の準備メモに、次の3項目を日本語で書いてください。①第1次測量の年を確認した資料、②地図完成に関わる弟子たちの協力を確認した資料、③学校の2021年の記事だけでは確認できない現在の課題条件を一つ。資料名と、その資料が支える事実を対応させましょう。
全8課題の解答・解説と英文の訳
1:③→②→①。③「最初の測量は1800年に始まりました。」②「伊能忠敬は1818年に亡くなりました。」①「地図は1821年に完成しました。」1818年より後の完成を、本人が生存中に行った行為と混同しないことが重要です。
2:He completed the maps in 1821. は「彼は1821年に地図を完成させました」という意味です。Heが伊能忠敬なら、1818年に亡くなったという事実と整合しません。修正例:The maps were completed in 1821.(地図は1821年に完成しました。)受け身にするのは単なる文法練習ではなく、誰が何をしたかを誤って言い切らないためです。別の文で弟子たちの協力も説明します。
3:A。Aは「彼は1818年に亡くなりましたが、弟子たちが1821年の地図完成に協力しました」。Bは「彼は1821年に地図を完成させ、1818年に亡くなりました」。Bは年代を逆順に置いただけでなく、本人を1821年の完成行為の主語にしてしまっています。文章を時系列に並べ替えるだけでは、この問題は直りません。Aのstudentsはこの歴史上の場面では『弟子たち』と訳します。
4:not。He did not take part in the ninth survey. は「彼は第9次測量に参加しませんでした」。did notの後はtakeの原形です。香取市の年表に不参加とあるため、本人が全行程を歩いたとは書けません。他の回まで不参加だったと広げたり、地図作りに貢献しなかったと結論したりすることもできません。
5:A=①、B=②、C=③。A「最初の測量は1800年に始まりました」はカードに対応します。B「この話は、他の人と協力する価値を示していると思います」は発表者の解釈です。Cは「伊能は『すべての地図を一人で完成させられる』と言いました」という意味ですが、その発言は確認していません。歴史の事実として使うことはできません。I thinkを付ければどんな事実の誤りも許されるわけではなく、感想の根拠も説明できるようにします。
6:誤りを含む文は「伊能は、現代のすべての生徒が地図製作者になることを望んでいた」という意味です。今回の資料ではその本人の意図は確認できません。修正例:After reading this story, I wanted to learn more about maps.(この話を読んで、私は地図についてもっと学びたくなりました。)自分が今そう考えているなら、I want to learn more about maps.(私は地図についてもっと学びたいです。)でも表せます。実際の自分の感想に合わせて使ってください。
7:No, he did not. He died in 1818. His students helped complete the maps in 1821.(いいえ、違います。彼は1818年に亡くなりました。弟子たちが1821年の地図完成に協力しました。)二文なら No. His students helped complete the maps in 1821, after his death in 1818. というまとめ方もできます。聞き手の『本人か』に先に答え、必要な根拠を続けます。
8:①香取市・伊能忠敬記念館『伊能忠敬とは』の年表で1800年の第1次測量を確認。②国土地理院『測量・地図ミニ人物伝:伊能忠敬』で、死後の1821年の完成と弟子たちの協力を確認。③現在の指定人物、原稿の語数、制限時間、資料の引用方法などから一つ。学校記事は当時の発表内容を支えますが、人物の詳しい生涯や現在の授業条件をすべて支える資料ではありません。
練習用の短い発表例|年表を読むだけで終わらせない
Today I will talk about Ino Tadataka. His first survey began in 1800. He died in 1818, but his students helped complete the maps in 1821. This means that we should not describe the final work as something he completed alone in that year. I think this story helps us notice the work of people who continued a project.
全文和訳:今日は伊能忠敬について話します。最初の測量は1800年に始まりました。彼は1818年に亡くなりましたが、弟子たちが1821年の地図完成に協力しました。つまり、最終的な成果を、その年に彼が一人で完成させたものと説明するべきではありません。この話は、事業を引き継いだ人たちの働きに目を向ける助けになると私は思います。
前半は確認した事実、最後の文は練習用の発表者の感想です。実際の発表では、自分が資料から考えたことへ置き換えます。学校が求める人物紹介の範囲によっては、目的・方法・歴史的な意味などを追加で調べる必要があります。この短い例だけで伊能忠敬の生涯や功績全体を網羅したことにはなりません。
家庭での進め方|英語の誤りと内容の誤りを別々に直す
初回はカードを見て1~4を解き、年代と主語の対応を確認します。次に5~8で、事実・感想・未確認事項を区別します。翌日は答えを隠し、誤った課題だけを解き直して、最後に7の質問へ口頭で答えます。学校の学習で受け身や過去形がまだ十分でなければ、日本語で事実を説明できることを先に確認してください。
保護者は難しい発音を採点する前に、『1821年に本人は生きていた?』『この文の主語は誰?』『その感想は本人の言葉、それとも自分の考え?』と尋ねられます。英文が流暢でも内容が正しいとは限りません。反対に、事実を正しく理解していてもdidの後の動詞などで間違える場合は、文法の復習を別に行います。完成原稿を保護者が代筆するのではなく、本人が資料のどこを使ったか説明することを目標にします。
関連教材・相談
セントヨゼフ女子学園の学校英語・定期テスト対策では、学校英語全体の復習を整理しています。ニュースの引用や本文根拠を読む練習は英字新聞の独自4ニュース40問へ。過去形・疑問文などの基礎は既存の無料教材から必要な内容を選べます。
本記事の8課題と全解説はページ内で無料で読めます。専用PDFや音声の完成を示すものではありません。人物の内容は説明できても英文に直せないなど、復習の順序に困る場合は慶英会の学習相談をご利用ください。体験・受講案内も確認できます。
公式情報確認日:2026年11月5日(日本時間)。学校の活動根拠は2021年12月の中2S組CLIL発表報告。歴史事項は香取市の伊能忠敬年表と国土地理院の人物紹介の該当記述を確認しました。英文・設問・全訳・解説・学習手順は慶英会独自制作です。学校公認・学校配布教材ではありません。
