中学生が不登校や登校しぶりになり、学校を休む期間が長くなると、「勉強がどんどん遅れてしまうのでは」「高校進学に影響しないか」「家でオンライン学習をしても意味があるのか」と不安になる保護者様は少なくありません。
結論から言えば、不登校になったからといって、学校の授業と同じ時間割を自宅で再現する必要はありません。まず生活や本人の状態を優先しつつ、学習を再開できる段階になったら、現在地を確認し、優先科目を絞り、短時間から学習を再構築することが重要です。
また現在は、一定の要件を満たせば、自宅でICT等を使って行った学習や学校外施設での活動が、在籍校の判断によって指導要録上の「出席扱い」とされたり、学習成果が成績評価に反映されたりする制度があります。
この記事では、不登校の中学生が勉強の遅れを取り戻す方法、自宅学習の進め方、学校との連携、教育支援センター・フリースクール・オンライン学習・個別指導の使い分け、出席扱いと成績評価の考え方、高校進学を考えるときの注意点まで整理します。
結論|不登校中の勉強は「学校と同じ量を取り戻す」ことから始めない
不登校になった中学生の学習を考えるとき、最初に避けたいのは、
「休んだ授業を全部取り戻さなければならない」
と考えることです。
例えば3か月学校を休んだからといって、3か月分の5教科を一気に取り戻そうとすると、学習量が大きすぎます。
おすすめする順番は次の通りです。
- 学習できる状態か確認する
- 現在の理解度を確認する
- 英語・数学など積み上げ型科目を優先する
- 1日15〜30分程度から始める
- 学校教材または教科書準拠教材を中心に進める
- 学習記録を残す
- 在籍校と学習状況を共有する
- 必要に応じて教育支援センター、フリースクール、塾、家庭教師、オンライン指導等を利用する
最初の目的は、
「休んだ分を全部消化すること」ではなく、「再び学べる状態を作ること」
です。
不登校の中学生はどのくらいいる?
文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小・中学校における不登校児童生徒数は353,970人でした。
そのうち、
- 小学生:137,704人
- 中学生:216,266人
です。
中学生では、1,000人当たり67.9人が不登校として計上されています。
また、令和6年度の中学生の不登校生徒数216,266人に対して、新規に不登校となった生徒は83,409人でした。
不登校は一部の特殊な家庭だけで起こるものではありません。
毎年多くの中学生と保護者様が、
- 学校へ行けない
- 学習が遅れる
- 成績がつかないのではないか
- 高校へ進学できるのか
- 家庭で何をすればよいのか
という問題に直面しています。
「不登校」と「学校を少し休んでいる」は同じではない
文部科学省の調査では、不登校は、年度間に30日以上登校しなかった児童生徒のうち、病気や経済的理由などを除き、何らかの心理的、情緒的、身体的、社会的要因・背景によって登校しない、または登校したくてもできない状態として把握されています。
ただし、家庭で対応を考える際に、
「30日を超えたから突然不登校になる」
と考える必要はありません。
重要なのは日数そのものより、
- 学校へ行けない状態が続いている
- 朝になると強い抵抗が出る
- 教室には入れない
- 保健室や別室なら行ける
- 特定の曜日だけ難しい
- 学習も止まっている
など、本人の現在の状態です。
登校しぶりの初期段階から学校と相談して構いません。
不登校になったら最初から勉強させるべき?
ここは本人の状態によって変わります。
学校へ行けなくなった直後に、
「学校へ行かないなら家で6時間勉強しなさい」
と学校と同じ時間割を要求するのはおすすめできません。
不登校の背景は一人ひとり異なります。
例えば、
- 友人関係
- 学業不振
- 学校生活への不安
- 生活リズム
- 心身の状態
- 学校環境への適応
- 複数要因の組み合わせ
などがあります。
学習以前に休息や相談が必要な状態であれば、それを優先する必要があります。
一方、本人が、
「学校には行けないけれど勉強はしたい」
と考えている場合は、学習機会まで止める必要はありません。
登校できるかどうかと、学習できるかどうかを別に考えることが重要です。
勉強の遅れを取り戻す前に「現在地」を確認する
不登校期間が長くなると、
「中2だから中2の問題集をやらなければ」
と考えがちです。
しかし、現在の学年ではなく、実際に理解できている地点から始める必要があります。
例えば中2の英語でも、
- be動詞
- 一般動詞
- 三単現
- 過去形
- 助動詞
- 不定詞
- 動名詞
など、中1から積み上がっています。
中1後半から理解が曖昧であれば、中2の現在単元だけを勉強しても苦しくなります。
数学も同様です。
まず、
- 学校の最新テスト
- 学校ワーク
- 教科書
- 小テスト
- 以前の成績
- 本人が最後に理解できていた単元
から現在地を確認します。
最初に優先したいのは英語と数学
5教科すべてを同時に取り戻そうとすると負担が大きくなります。
不登校期間が長い場合、最初は英語と数学を優先する方法があります。
理由は、どちらも前の単元を前提として次へ進む「積み上げ型」の性質が強いためです。
例えば英語なら、
中1の基礎文法 ↓ 中2文法 ↓ 中3文法 ↓ 高校英語
とつながります。
数学も、
計算 ↓ 方程式 ↓ 関数 ↓ 図形
など、前の理解が後の学習へ影響します。
国語・理科・社会も重要ですが、単元ごとに比較的独立して復習できる領域があります。
そのため、学習再開時には、
英語・数学の土台を確認しながら、本人が取り組みやすい科目を1科目加える
程度でも構いません。
1日何時間勉強すればよい?
不登校中だからといって、最初から学校と同じ5〜6時間を目標にする必要はありません。
学習が止まっていた場合は、
- 15分
- 30分
- 45分
程度から始めても構いません。
重要なのは、
長時間勉強した日を1日作ることより、学習できる日を増やすこと
です。
例えば最初の1週間なら、
月曜日
英単語15分
火曜日
数学15分
水曜日
英語文法20分
木曜日
数学20分
金曜日
理科または社会15分
程度でもよいでしょう。
続けられたら、
15分 ↓ 30分 ↓ 45分 ↓ 60分
と増やします。
朝から勉強しなければいけない?
学校へ行かない日でも、
「朝8時30分から学校と同じように勉強すべき」
とは限りません。
生活リズムを整える意味では昼夜逆転を避けることは大切ですが、学習開始時刻は本人の状態に合わせて構いません。
例えば、
- 午前中は動きにくい
- 午後なら集中できる
- 夜の方が落ち着く
という場合もあります。
まず「勉強できる時間帯」を探し、その後必要に応じて生活リズムを調整します。
自宅学習は学校の教科書を基準にすると戻りやすい
不登校中に教材を大量に購入する必要はありません。
最初は、
- 学校教科書
- 学校ワーク
- 学校配布プリント
- 教科書準拠問題集
などを中心にできます。
学校のカリキュラムとの接続を保ちやすいためです。
特に、将来的に学校へ戻る可能性がある場合は、
「学校では今どこをやっているか」
を確認しておくと復帰時のギャップを減らせます。
一方で、現在の学年教材が難しすぎる場合は、前学年へ戻って構いません。
中1・中2・中3で学習戦略を変える
中1|まず中学校学習の土台を作る
中1は、小学校から中学校へ学習環境が大きく変わる時期です。
英語・数学の基礎が十分に固まらないまま長期間休むと、中2以降に影響しやすくなります。
特に、
- 英単語
- 基本文法
- 正負の数
- 文字式
- 方程式
などの基礎を確認します。
「学校進度に追いつくこと」より先に、「次の学年でも使う基礎」を優先することが重要です。
中2|中1の穴と現在単元をつなぐ
中2では、すでに中1内容を前提に授業が進んでいます。
そのため、
「中1から全部やり直す」
でも、
「今の単元だけやる」
でもなく、現在単元に必要な部分へ戻る方法が効率的です。
例えば中2数学の一次関数が分からないなら、比例・反比例や方程式など必要な部分へ戻ります。
中3|高校進学を見据えて優先順位を絞る
中3では、高校進学との関係を確認します。
高校受験を予定している場合は、
- 志望校
- 入試方式
- 調査書
- 学力検査
- 出欠の扱い
- 学校成績
について早めに在籍校へ相談してください。
制度は都道府県や学校、入試方式によって異なるため、
「不登校だと高校へ行けない」
と一括りに考える必要はありません。
一方で、直前になって確認するより、早めに進路担当者と情報を共有した方が選択肢を整理しやすくなります。
自宅のオンライン学習が「出席扱い」になる場合がある
不登校の保護者様が特に知っておきたい制度の一つが、自宅学習の出席扱いです。
文部科学省は、義務教育段階の不登校児童生徒が自宅でICT等を活用した学習活動を行う場合、一定の要件を満たし、その学習が本人の自立を支えるうえで有効・適切であると在籍校の校長が判断した場合には、指導要録上の出席扱いとすることができるとしています。
重要なのは、
「オンライン学習をすれば自動的に出席になる」
わけではないことです。
最終的な判断は在籍校側が行います。
出席扱いになる主な条件
文部科学省の案内では、主な考え方として次のような条件が示されています。
保護者様と学校が連携していること
家庭だけで学習を行い、学校へ何も伝えない状態ではなく、学校と学習状況を共有していることが重要です。
ICT等を使った学習活動であること
対象になり得るものとして、
- インターネット学習
- パソコンによる個別学習
- 学校の授業配信
- 通信教育
- 学校プリント
などがあります。
本人の理解度に応じた計画的な学習であること
単に動画を自由に見るだけではなく、
「何を、どのように、どの程度学習したか」
が把握できることが重要です。
学校が学習状況を把握できること
学習記録や報告等を通じ、学校が状況を確認できることが必要です。
制度の適用は個別判断になるため、利用したい場合は、まず在籍校へ相談してください。
オンライン塾に通えば自動的に出席扱いになる?
なりません。
ここは非常に重要です。
オンライン塾、通信教材、オンライン家庭教師等を利用したからといって、自動的に学校の出席日数へ加算されるわけではありません。
文部科学省の制度では、
- 学習内容
- 本人の状況
- 学校との連携
- 学習状況の把握
- 学校側の判断
などを踏まえて出席扱いが判断されます。
したがって、
「このサービスなら必ず出席扱いになります」
という説明だけで判断しないようにしてください。
利用前に、
在籍校へ「この形式の学習を行った場合、どのような資料や連携が必要ですか」と確認する
ことが重要です。
学校外の施設へ通った場合も出席扱いになることがある
自宅学習だけではありません。
教育支援センターなど学校外の施設で相談・指導を受ける場合も、一定の要件を満たせば指導要録上の出席扱いとなることがあります。
対象になり得る場所としては、
- 教育支援センター
- 自治体等の公的支援機関
- 一定の条件を満たす民間施設
などがあります。
ただし、フリースクール等へ通えば一律に出席扱いになるわけではありません。
こちらも在籍校の校長による判断が必要です。
不登校中の学習成果を成績へ反映できる場合もある
不登校の保護者様から、
「学校へ行けないと通知表の成績は全部つかないのですか?」
という質問もあります。
2024年8月の学校教育法施行規則の改正等により、不登校児童生徒が欠席中に行った学習について、一定の要件の下で、その成果を成績評価に反映できることが法令上明確化されました。
文部科学省は、2026年にも保護者向けの「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について」というリーフレットを公開しています。
つまり、
教室へ登校していない=自宅等で行った学習を一切評価できない
という仕組みではありません。
ただし、
「家で問題集を解けば必ず5段階評定がつく」
という意味でもありません。
どのような学習成果を、どのような方法で評価へ反映するかは、学校が本人の状況や学習内容を踏まえて判断します。
成績評価を考えるなら「学習した証拠」を残す
自宅学習をしている場合は、学習履歴を残すことをおすすめします。
例えば、
- 学習日
- 学習時間
- 教科
- 単元
- 使用教材
- 解いたページ
- 確認テスト結果
- 提出した課題
などです。
オンライン教材に学習履歴機能がある場合は、それを利用できます。
個別指導等を利用している場合は、
- 授業日
- 指導内容
- 宿題
- 到達状況
などの記録を残してもらえるか確認してもよいでしょう。
学習記録は、学校へ状況を説明するときだけでなく、本人自身が、
「これだけ進んだ」
と確認する材料にもなります。
学校とは何を相談すればよい?
不登校になると、保護者様が学校へ何を聞けばよいか分からなくなることがあります。
最低限、次を確認しておくとよいでしょう。
1.現在の授業範囲
教科書や学校教材のどこまで進んでいるか確認します。
2.提出物
自宅から提出できる課題があるか確認します。
3.定期テスト
別室受験、時間調整などが可能か相談します。
対応は学校によって異なります。
4.出席扱い
自宅学習や学校外施設の利用を検討している場合、どのような条件が必要か確認します。
5.成績評価
自宅で行った学習について、何を提出・実施すれば評価の材料になり得るか確認します。
6.進路
中3であれば、調査書や高校入試への影響について早めに確認します。
学校へ戻ることだけを唯一の目標にしない
文部科学省の不登校支援では、単に「学校へ登校する」という結果だけを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す考え方が示されています。
したがって、
「来週から毎日学校へ戻れるか」
だけで学習支援の成功・失敗を判断する必要はありません。
例えば、
- 自宅で30分学習できた
- オンライン授業を受けられた
- 教育支援センターへ行けた
- 学校の先生とオンラインで話せた
- 別室でテストを受けられた
- 進路について考えられた
ことも前進です。
教育支援センターとは?
教育支援センターは、教育委員会等が設置する、不登校児童生徒等への相談・支援を行う施設です。
地域によって名称や支援内容は異なりますが、
- 学習支援
- 教育相談
- 集団活動
- 学校との連携
などを行う場合があります。
文部科学省のCOCOLOプラン進捗資料では、教育支援センターの設置・機能強化も進められています。
利用できる施設は自治体によって異なるため、
「自治体名+教育支援センター」 「市区町村名+不登校相談」
などで確認するか、学校や教育委員会へ問い合わせてください。
校内教育支援センターという選択肢もある
学校によっては、教室とは別の場所で学べる校内教育支援センター等を設けています。
「学校には行けるが教室には入りにくい」
という生徒にとって選択肢になる場合があります。
文部科学省のCOCOLOプランの進捗資料では、2025年度時点で校内教育支援センターの設置が全国で進められており、中学校での設置率は77.5%とされています。
ただし、すべての学校で設置されているわけではなく、名称や運用も学校・自治体ごとに異なります。
在籍校へ確認してください。
フリースクールはどう使う?
フリースクール等の民間施設も選択肢の一つです。
施設によって、
- 学習中心
- 居場所中心
- 体験活動中心
- 進路支援中心
- オンライン中心
など方針が大きく異なります。
選ぶ場合は、
- 本人が安心して過ごせるか
- 学習支援が必要なら対応しているか
- 在籍校と連携できるか
- 出席扱いについて学校と相談できるか
- 利用日数・費用
- 進路支援
などを確認してください。
「フリースクールだから勉強が遅れる」「フリースクールなら必ず学力が上がる」と一括りに考えることはできません。
施設ごとに役割が異なります。
通信教育・映像授業が向いているケース
通信教材や映像授業は、
- 自分のペースで進められる
- 他人と話さなくても始められる
- 短時間から取り組める
という利点があります。
一方で、
- 自分で開始しなければ進まない
- 分からないところで止まりやすい
- 学習計画を自分で作る必要がある
場合があります。
自学ができる生徒には効率的ですが、
「何をやればよいか分からない」
状態の生徒には、個別に計画を作る支援が必要になることがあります。
個別指導・家庭教師が向いているケース
不登校で学習の遅れが大きい場合は、一斉授業より個別指導が合うことがあります。
特に、
- 前学年まで戻る必要がある
- 学校進度と現在の学力に差がある
- 質問するのが苦手
- 1人だと勉強を始められない
- 学習計画まで一緒に作ってほしい
場合です。
例えば中2でも、
「中1のbe動詞から確認する」
ということができます。
本人の学年ではなく理解度から始められることが個別指導の利点です。
オンライン個別指導が向いているケース
学校へ行くこと自体に大きな負担を感じている場合、
「塾へ通う」
ことも難しい場合があります。
そのようなとき、自宅で受けられるオンライン個別指導は選択肢になります。
特に、
- 外出の負担を減らしたい
- 短時間から始めたい
- 学校教材を使いたい
- 自宅で1対1の指導を受けたい
- 遠方の講師を選びたい
場合です。
ただし、オンライン指導を利用する場合も、本人がその形式を負担に感じないか体験して判断してください。
不登校の中学生に「集団塾」は合わない?
必ずしもそうではありません。
学校には行けなくても、塾には行ける生徒もいます。
また、
- 学習環境を変えたい
- 学校外の友人を作りたい
- 高校受験へ向けて学習したい
という生徒には集団塾が合う場合があります。
ただし、現在の学力が集団授業の進度と大きく離れている場合は注意が必要です。
その場合は個別指導と組み合わせる選択肢もあります。
1週間の学習再開モデル
長期間ほとんど勉強していなかった場合の一例です。
1〜2日目
英語15分 数学15分
内容は現在地確認を中心にします。
3〜4日目
英語20分 数学20分
分からない単元へ戻ります。
5日目
英語20分 本人が好きな科目20分
6日目
休む、または復習15分
7日目
1週間でできた内容を確認する
「できなかった量」より、
「続けられた時間」
を確認します。
翌週に問題なければ、少しずつ増やします。
5教科を取り戻す順番
すべて遅れている場合は、例えば次の順番で考えられます。
第1優先
英語・数学の基礎
第2優先
次回テストまたは現在の授業に直結する範囲
第3優先
国語・理科・社会の重要単元
第4優先
過去の細かな未習範囲
一番古いページからすべて順番にやる必要はありません。
今後の学習に必要なところから戻る
ことが重要です。
高校受験はどうなる?
不登校の中学生を持つ保護者様にとって、大きな不安の一つが高校進学です。
重要なのは、
「不登校だから高校受験できない」
と決めつけないことです。
入試制度は、
- 都道府県
- 公立・私立
- 学校
- 入試方式
によって異なります。
例えば、
- 学力検査
- 調査書
- 面接
- 作文
- 推薦条件
などの扱いが異なります。
中3になってから慌てて調べるのではなく、不登校期間が長くなっている場合は、中1・中2の段階でも進路選択について学校へ相談して構いません。
通信制高校だけが選択肢ではない
不登校経験があると、
「高校は通信制しか無理ですか?」
と考える保護者様もいます。
しかし、不登校経験だけを理由に進路が一つへ限定されるわけではありません。
状況によって、
- 全日制高校
- 定時制高校
- 通信制高校
- 高等専修学校
- その他の進路
など複数の選択肢があります。
本人の希望、現在の学力、生活状況、入試条件を確認して選びます。
中高一貫校の不登校では進級・内部進学条件を早めに確認する
私立・国立・公立中高一貫校の場合、高校受験がないこともあります。
しかし、
- 出席
- 成績
- 補習
- 追試
- 進級
- 内部進学
について独自の基準を設けている場合があります。
基準は学校ごとに異なるため、一般論で判断してはいけません。
特に不登校期間が長期化している場合は、
「出席日数はどう扱われるか」 「自宅学習は評価対象になり得るか」 「進級・内部進学に必要な条件は何か」
を学校へ直接確認してください。
保護者様が避けたい5つの対応
1.学校へ行かないなら家でずっと勉強させる
登校できないことへの罰として勉強を課すと、学習そのものまで嫌いになる可能性があります。
2.同級生との遅れを毎日伝える
「みんなはもうここまで進んでいる」
と言われ続けても、遅れは解決しません。
本人の現在地から始めます。
3.いきなり全教科を取り戻そうとする
優先順位を決めます。
4.自宅学習だけで学校との連絡を切る
出席扱いや成績評価を検討する場合にも、学校との連携は重要です。
5.進路を早い段階で狭める
現在の登校状況だけから、将来の進路を決めつけないことが重要です。
保護者様が学校へ相談するときの伝え方
例えば、次のように具体的に確認できます。
「現在、自宅では英語と数学を中心に学習しています。学校の進度に合わせるため、現在の授業範囲と提出可能な課題を教えていただけますでしょうか。また、自宅でのICT学習について、出席扱いや成績評価の対象となる可能性があるか、学校の基準も確認したいです。」
こう伝えると、
- 学習範囲
- 提出物
- 出席扱い
- 評価
をまとめて確認できます。
学習記録の簡単な付け方
複雑な記録表は必要ありません。
例えば、
「10月6日 英語30分 教科書Lesson3 単語20語 確認テスト16/20」
程度で構いません。
重要なのは、
- いつ
- 何を
- どこまで
- どの程度できたか
が分かることです。
不登校中の勉強で最も重要なのは「継続可能性」
学校の進度に追いつくために一時的に5時間勉強して、その後1週間何もできなくなるより、
毎日30分でも続けられる方が長期的には学習量を積み上げられます。
不登校の学習では、
「平均的な中学生が何時間勉強するか」
より、
本人が今どこまでなら継続できるか
を見ることが重要です。
よくある質問
Q1.不登校中でも勉強した方がよいですか?
本人が学習できる状態であれば、短時間から続けることには意味があります。ただし、心身の状態によっては休息や相談を優先すべき場合があります。無理に学校と同じ時間割を再現する必要はありません。
Q2.何か月分遅れているか分かりません。
教科書を最初から全部やり直す前に、学校テスト、ワーク、簡単な確認問題等を使って現在地を確認します。英語・数学は特に、最後に理解できている単元を探します。
Q3.オンライン学習なら出席扱いになりますか?
一定の要件を満たした場合に、在籍校の校長の判断で出席扱いとなることがあります。オンライン教材を利用しただけで自動的に出席になるわけではありません。事前に学校へ相談してください。
Q4.フリースクールへ行けば出席扱いになりますか?
一律ではありません。学校外施設での相談・指導も一定の要件を満たせば出席扱いとなる場合がありますが、最終的には在籍校側の判断になります。
Q5.自宅学習でも通知表の成績はつきますか?
一定の条件の下、不登校中の学習成果を成績評価に反映できることが法令上明確化されています。ただし、どのように評価するかは学校が個別に判断します。
Q6.学校へ戻るまで勉強は待った方がよいですか?
本人が学びたいと考えているなら、登校再開まで待つ必要はありません。自宅、教育支援センター、フリースクール、オンライン等、複数の学び方があります。
Q7.中2から不登校でも高校へ行けますか?
不登校経験だけで高校進学が不可能になるわけではありません。高校や入試方式によって条件が異なるため、学校の進路担当者と早めに確認してください。
Q8.不登校中に塾へ通ってもよいですか?
本人が負担なく利用できるのであれば選択肢になります。通塾が難しければ、家庭教師やオンライン個別指導も検討できます。
まとめ|不登校中でも「学びまで止める必要」はない
不登校になった中学生の学習について、最も重要なのは、
「学校へ戻れるまで待つ」
でも、
「休んだ授業をすべて今すぐ取り戻す」
でもありません。
本人の状態に応じて、
- 学習できる状態か確認する
- 現在地を確認する
- 英語・数学等の重要科目から始める
- 短時間から継続する
- 学習記録を残す
- 在籍校と連携する
- 必要に応じて学校外の学習支援を利用する
という順番で進めることができます。
現在は、自宅でのICT学習や学校外施設での学習についても、一定の条件の下で出席扱いや成績評価につなげられる制度があります。
知らないまま家庭だけで抱え込むのではなく、早い段階で在籍校や教育委員会等へ確認することが重要です。
現在の状況に応じて、登校しぶりへの初期対応、学校外の学習・支援先の比較、不登校からの高校受験対策も参照してください。学習支援と学校・専門機関による支援は、目的を分けて組み合わせることが大切です。
参考にした主な公式情報
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
- 文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1397802_00005.htm
- 文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00005.htm
- 文部科学省「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00004.htm
- 文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00002.htm
- 文部科学省「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について(保護者等向け)」
https://www.mext.go.jp/content/20260407-mxt_jidou01-000028870-002.pdf
情報確認日:2026年10月6日
不登校中の学習をどこから再開すればよいか分からない保護者様へ
慶英会では、中学生・中高一貫校生を対象にオンライン個別指導を行っています。
不登校や登校しぶりで学校の授業から離れている場合でも、現在の学年だけで判断せず、
- 最後に理解できている単元
- 学校で現在進んでいる範囲
- 今後必要になる基礎
- 本人が無理なく取り組める学習量
を整理しながら学習計画を作ることができます。
特に英語では、中1内容まで戻って基礎を確認しながら学校進度へつなげるなど、本人の現在地に合わせた指導が可能です。
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