
慶英会 塾長|慶應義塾大学卒・英検1級
中高一貫校の学校英語・NEW TREASURE・英検対策を専門とするオンライン個別指導塾です。塾長紹介
「顧客満足度No.1」「保護者が選ぶ塾No.1」「おすすめ率90%」といった広告は、塾を比較するときの判断材料になるのでしょうか。結論は、順位や割合の大きさよりも、誰に・何を・どの塾と比較して・いつ調査した結果なのかを確認することが重要です。十分な根拠に基づく表示まで疑う必要はありませんが、調査条件が分からない数字だけで、子どもに適した指導かどうかは判定できません。
消費者庁は2024年9月、「No.1表示に関する実態調査報告書」を公表しました。調査対象の広告主には学習塾・予備校も含まれます。本記事は、その公的資料と比較広告に関する公式説明を読み解き、中高一貫校の中1・中2の保護者が入塾前に実際に使える確認手順として整理したものです。特定の塾を順位付けする記事でも、独自アンケートの結果を発表する記事でもありません。
結論:塾広告の「No.1」は、4つの調査条件を確認して初めて比較材料になる
消費者庁の報告書では、主観的評価によるNo.1表示の合理的な根拠について、①比較対象、②調査対象者、③調査方法の公平性、④表示と調査結果の対応、という4点を挙げています。これは広告主の表示を評価する際の考え方です。保護者が塾選びに利用する場合にも、次のように読み替えられます。
| 消費者庁の確認観点 | 保護者が確認すること | 注意が必要な例 |
|---|---|---|
| ① 比較対象の選定 | 何社の、どの種別の塾と比べたのか。主要な競合は含まれるか | ごく少数の塾とだけ比較して「全国No.1」と印象付ける |
| ② 調査対象者の選定 | 実際に通塾した人か。保護者・生徒・一般消費者のどれか | ウェブサイトを見ただけの人に「顧客満足度」を聞く |
| ③ 調査の公平性 | 質問、選択肢、集計方法が公平か。調査時点を確認できるか | 自社を選択肢の先頭に固定し、回答を誘導する |
| ④ 表示と調査結果の対応 | 広告文に書かれた内容を、調査結果が本当に示しているか | 「利用してみたい」という調査を「利用者満足度」と表示する |
なお、この4項目を満たしたかどうかは、実際の調査票や集計資料を確認しなければ断定できません。出典表示が短いという理由だけで違法と決めつけるのも、調査会社の名前があるという理由だけで正確と断定するのも適切ではありません。
根拠を確かめる公的な4条件:消費者庁は「表示に関するQ&A」のQ27で、顧客満足度No.1などの主観的評価について、①比較対象が適切か、②回答者が適切か、③調査方法が公平か、④表示と調査結果が一致するかを示しています。調査会社が実施したという事実だけで広告の妥当性を保証するものではありません。保護者は調査条件を確認するとともに、学校教材への具体的な対応と体験授業での自力解答を比較してください。
消費者庁の一次調査から分かる3つの事実
事実1:No.1表示は、購入の意思決定に影響する
消費者庁は2024年8月1〜9日に消費者1,000人を対象とする意識調査を実施しました。そのうちNo.1表示を見たことがある825人に購入判断への影響を尋ねた設問では、「かなり影響する」4.6%と「やや影響する」44.4%を合わせて49.0%でした。消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年、8ページ)を参照した値です。対象は一般の広告表示であり、「塾の保護者の49%が入塾先を変えた」という意味ではありません。
事実2:利用者に聞いたと受け取られやすい
同調査の広告例では、「顧客満足度No.1」を見た消費者の56.8%が、実際の利用者に調査していると思うとの選択肢に肯定的に回答しました。一方、ウェブサイトへの印象を聞く「イメージ調査」は、サービスを利用した人の満足度調査とは異なります。「良さそうだと思った」と「使って満足した」を混同しないことが重要です。
事実3:調査会社に任せきりの広告主がいた
報告書では、No.1表示等を行う広告主15社へのヒアリングにおいて、質問項目、比較先、見せたウェブサイトの箇所など、調査の具体的内容を把握していた事業者は1社だったと記載されています。学習塾・予備校の事例としても、広告主が調査で提示した自社サイトの範囲や比較先を把握していなかった旨の回答が掲載されています。ただし、15社は特定の調査対象であり、全学習塾や広告主全体の割合を推定する標本ではありません。
2026年3月26日の消費者庁長官会見でも、2024年報告書を踏まえ、利用経験の確認がない満足度調査や、根拠の確認が不十分なNo.1表示の問題が改めて説明されています。
塾の広告で見かける6種類の表現:何を確かめるべきか
| 広告・表示の例 | 数字からは分からないこと | 確認したい一次情報 |
|---|---|---|
| 顧客満足度No.1 | 回答者が実利用者か、何に満足したか | 利用経験の確認方法、質問票、比較対象、調査年 |
| 保護者に選ばれるNo.1 | 実際の入塾実績か、選びたいという意向か | 回答者属性、質問文、実際の調査項目 |
| おすすめしたい塾No.1 | 利用前のイメージか、継続後の推奨か | 対象者の受講経験、集計母数、実施時期 |
| 指導品質No.1 | 誰が授業を評価したか、品質の定義は何か | 評価指標、授業観察の有無、比較条件 |
| 合格実績No.1 | 人数・合格率・延べ件数のどれか | 対象年度、集計対象、重複合格の扱い、算出方法 |
| 口コミ評価4.9など | 投稿数、掲載期間、投稿促進の条件 | 口コミ件数、投稿元、評価分布、PR等の表示 |
表の6行は消費者庁が発表した塾ランキングではなく、慶英会が公的な表示の考え方から作成した独自の確認表です。「口コミ評価4.9」はNo.1表示そのものではありませんが、数字の意味を読み違えやすい例として併記しました。
とくに重要な違い:「顧客満足度」と「サイトの印象」
仮に、A塾のサイトを見せて「満足度が高そうなのはどの塾ですか」と尋ねたとします。この調査が示せるのは、調査条件のもとでの回答者の印象であって、実際にA塾で授業を受けた後の満足度ではありません。消費者庁は、利用経験がない人を対象にしたイメージ調査のみを根拠として「顧客満足度No.1」と表示することについて、景品表示法上問題になるおそれを示しています。
一方、受講経験のある人に対し、適切な比較対象と公平な方法で満足度を調査し、結果と整合する範囲で表示することまで否定されているわけではありません。大切なのは「No.1だから信じる」でも「No.1だから疑う」でもなく、表示された指標と測定された指標が同じかという一点です。
塾の合格実績も、同じ数字に見えて集計条件が異なる
消費者庁の比較広告の公式解説には、予備校が大学合格実績No.1と表示したものの、他校と異なる方法で数値化しており適正な比較ではなかったという例が掲載されています。この事例は、教育サービスの比較でも分母・対象期間・数え方が欠かせないことを示します。
- 「合格者数」なのか「受験者に対する合格率」なのかを区別する。合格者数の多さは母集団の規模にも左右されます。
- 複数の学校に合格した同一生徒を延べ件数として数えているかを確認する。延べ合格件数自体が不適切という意味ではなく、比較方法を揃えることが重要です。
- 全国の全教室と特定校舎、全学年と特定学年など、比較する集計範囲を揃える。
- 「合格率」を見る場合、受験者の範囲・選抜条件・在籍期間等の定義を確認する。
学校の英語についていけない中1・中2が必要とするのは、必ずしも「難関校への合格者を最も多く出した塾」と同じサービスではありません。授業内容が学校の進度・使用教材・試験範囲に合うかを、実際の指導内容から判断することが合理的です。
第三者評価・口コミを読むときの追加チェック
消費者庁は、2023年10月からのステルスマーケティング規制について、事業者が表示内容の決定に関与しているかどうかなどを具体例で説明しています。例えば、「口コミ投稿すれば割引」とするだけの場合と、「星5を付けることを条件に割引」とする場合では考え方が異なり、後者では事業者が表示内容の決定に関与していると考えられる旨が示されています。
口コミ自体を使わないのではなく、投稿者の属性、投稿数、具体性、評価が分かれた理由、広告やPRとの関係を検討しましょう。「先生が優しい」という感想と、「学校の英語の答案を分析し、毎週理解度を確認した」という記述では、後者のほうが自分の子どもの課題との適合を評価しやすくなります。ただし、それも個人の経験談であり、誰にでも同じ成果を保証するものではありません。

慶英会 塾長|慶應義塾大学卒・英検1級
塾長の経歴・指導方針
中高一貫校の英語・定期テスト・英検の学習状況を整理し、必要な復習の優先順位を考えたい方は、無料体験・学習相談のご案内をご確認ください。最大1か月完全無料体験の対象・回数・担当講師は、お申し込み時にご案内します。
友だち追加後、学年・教材・困っていることと「学習相談希望(ブログ・記事中盤)」をお送りください。LINEを開くだけでは受付は完了しません。LINEを利用できない方はメールでの学習相談も可能です。料金・無料体験の期間と条件はコース・料金・無料体験のご案内でご確認ください。
5分でできる「塾広告の根拠」確認手順
- 1分目:広告文を書き写す。「No.1」と書かれている指標、対象地域、学年、年度を分けます。
- 2分目:出典を探す。調査会社名だけでなく、調査時期、回答者数、質問文、比較した塾の範囲が分かるか確認します。
- 3分目:利用経験を確認する。「満足度」の調査なら、その塾で実際に受講した人に聞いているかを見ます。
- 4分目:数字と説明の整合性を見る。「人気」「おすすめしたい」「満足した」「成績が上がった」は別の概念です。入れ替えていないかを点検します。
- 5分目:自分の子どもに引き付ける。中高一貫校の英語なら、現在の学校教材と答案を使ってどのように補習し、次の定期テストまで何を確認するかを聞きます。
この手順では、調査根拠が十分に読み取れない広告を直ちに違法と判定するのではなく、「現時点で確認できる情報」と「問い合わせが必要な点」を整理します。調査報告書そのものを公開していないことだけをもって、誤表示と断定することはできません。
中高一貫校の英語に悩む家庭が、数字より優先して確認したい5項目
- 学校との適合:学校で使用している英語教材・プリント・試験範囲に、具体的に対応できるか。
- 弱点の特定:単語・文法・読解・英作文のどこが失点源か、答案と実際の解答から診断できるか。
- 授業中の確認:生徒に説明させる、短い確認テストを行う等、理解度を見極める仕組みがあるか。
- 次回試験までの計画:直近のテスト日までに何を、何回、どのように復習するのか説明できるか。
- 家庭への共有:今週できたこと、課題、次週の宿題などが保護者にも分かるか。
例えば「英語40点台で学校の授業に追いつけない」生徒に対し、塾側が宣伝文句だけでなく実際の答案をもとに弱点と優先順位を説明できれば、選択の判断材料が増えます。この5項目は慶英会が保護者のサービス評価のために整理した実務上の提案であり、行政が定めた塾の評価指標ではありません。
学校教材への対応を広告からどう見分けるかについては、関連記事「学校教材対応」の宣伝と実際の指導を見分ける5段階チェックも参考になります。
想定ケースで比較:同じ「満足度No.1」でも意味が異なる
ケースA(架空):「顧客満足度No.1」と表示。出典はアンケート会社名のみで、利用経験、質問文、比較対象、実施年を確認できない。→ 表示が正しいか誤りかは未判断。入塾の根拠として採用するには追加確認が必要です。
ケースB(架空):同じ表現だが、調査期間、回答者の利用経験、対象とした主要サービス、質問票、集計方法が明示されている。→ 表示を理解する材料が多く、少なくとも調査条件を検討できます。ただし、必要な条件がそろったか、調査設計が妥当か、子どもとの相性が良いかまでは別途確認が必要です。
ここでのケースは説明用に作成した架空例であり、特定企業に関する調査結果ではありません。
保護者が塾に送れる、根拠確認の質問例
- 「『顧客満足度No.1』は、実際の受講者またはその保護者を対象にした調査ですか。回答者数と調査時期を教えてください。」
- 「比較の対象となった塾と、質問項目、調査方法の概要を確認できる資料はありますか。」
- 「今回の学校の英語の答案・定期テスト範囲を見て、次回テストまでの対策を具体的に説明していただけますか。」
- 「担当講師、指導時間、授業外での対応、保護者への報告方法はどのようになっていますか。」
すべての塾に長い質問状を送る必要はありません。数字に依存する宣伝が判断に強く影響したときに、根拠を2〜3点確かめてから実際の授業を見る、という使い方が現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「顧客満足度No.1」はすべて信用できないのでしょうか?
いいえ。No.1表示そのものが一律に禁止されているわけではありません。消費者庁は、合理的な根拠に基づかず事実と異なる表示について問題となると整理しています。適切な比較対象、利用経験等を踏まえた対象者、公平な調査、表示と結果の一致を確認しましょう。
Q2. 調査会社の名前が記載されていれば安心ですか?
調査会社の明示は参考情報の一つですが、それだけで調査の妥当性を証明するものではありません。消費者庁報告書では、調査の内容を広告主が十分理解していない事例も紹介されています。
Q3. 「口コミ評価が高い」と「成績が上がる」は同じ意味ですか?
違います。口コミは投稿者の経験・意見であり、評価対象が雰囲気、対応の丁寧さ、講師との相性の場合もあります。成績改善の判断には、受講前の学力、受講期間、学習内容、試験条件など別の情報が必要です。
Q4. 学習塾・予備校は消費者庁の2024年調査に含まれていますか?
含まれています。報告書には学習塾・予備校を含む複数業種の広告主へのヒアリングと、その一部の回答例が掲載されています。ただし、報告書は塾業界全体の違反率を示した統計ではありません。
Q5. 数字が立派な塾と、教材を丁寧に見てくれる塾のどちらを選ぶべきですか?
学習目的によって優先順位が異なります。中高一貫校の英語の遅れを取り戻したい場合は、調査の順位よりも、現在の教材・失点箇所・学校の進度に合わせて具体的な支援ができるかを重視することが合理的です。
関連記事:塾選びでは満足度No.1表示だけでなく、メディア掲載・受賞歴を比較材料にする際の12項目や、成績向上・英検合格率の人数と集計期間の確かめ方も役立ちます。いずれも広告の印象と授業の適合性を分け、体験授業の実際の説明・演習・本人の感想まで確認するための資料です。
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慶英会では、中高一貫校の英語、定期テスト、NEW TREASURE(ニュートレジャー)、英検などの学習相談・オンライン個別指導を案内しています。塾の広告にある数字だけでは分からない指導内容については、現在の英語の答案、学校教材、試験範囲をもとに具体的に確認することをおすすめします。対象学年・受講方法・無料体験の適用条件などは、慶英会公式サイトで最新案内をご確認ください。
参考にした主な公式情報
- 消費者庁「実態調査」(2024年9月26日公表のNo.1表示報告書・概要版への案内)
- 消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年、広告サンプル368件・消費者アンケート1,000人・広告主ヒアリング15社)
- 同・概要版(No.1表示の消費者意識と根拠となる4条件)
- 消費者庁「比較広告」(比較の実証・引用・公正さ、予備校の比較例)
- 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」(口コミ依頼とPR表示の判断)
- 消費者庁長官記者会見要旨(2026年3月26日)(No.1表示の調査根拠に関する説明)
資料の確認日:2026年10月11日。行政の公開調査の数字は教育サービスの全国順位、特定の学習塾の違反判定、または中高一貫校の保護者だけを対象とした統計ではありません。この記事の比較表・確認手順・ケースA/Bは公的資料に基づき慶英会が独自に構成したもので、独自アンケートの実施結果ではありません。

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