中高一貫校の中学1・2年生が英語の予習だけで毎日1時間以上かかり、復習や数学・国語の宿題に手が回らない場合、学校から指定された必須の課題と、自分で追加している単語調べ・全訳・ノート清書を分けることが最初の対策です。予習を早く終わらせるために、指定された和訳や提出物を自己判断で省いてはいけません。逆に学校が求めていない調べ物まで完璧に行っているなら、授業に必要な単語・基本文・疑問点へ優先順位をつけることで、理解と負担を両立できる余地があります。Education Endowment Foundation(EEF)の宿題に関する研究整理は、家庭学習の効果について、量だけでなく授業内容との関連・目的の明確さ・フィードバックの重要性を指摘しています。本記事では、3日間の時間記録、必須・任意の判定、予習時間が延びる原因別の対処、オリジナル10問と解答、14日間の改善計画を示します。
結論|予習1時間が悪いわけではない。「何に時間を使ったか」が重要
英語の予習に1時間かかること自体が、直ちに非効率や学力不足を示すものではありません。学校が質の高い予習課題を多く出している場合も、苦手な文法の理解に時間が必要な場合もあります。本記事の目標は『必ず30分以内に終えること』ではなく、学校から求められた成果を保ちながら、効果の薄い繰り返しや不必要な作業を減らすことです。
| 状態 | 最優先の確認 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 全訳・単語調べ・提出ノートが必須 | 学校の指示書・評価対象 | 担当教員へ量と優先順位を相談 |
| 自分で調べる語数が増えすぎる | 授業の理解に必要な語と枝葉の語 | 自主予習だけ調整 |
| 1文ごとに文法で止まる | 主語・動詞・時制を判別できるか | 既習の基本文に戻る |
| ノートの清書・色分けに時間がかかる | 形式指定があるか | 任意装飾を簡素化 |
| 予習は終わるが授業後に忘れる | 復習・再現時間が残るか | 短い振り返りと確認を確保 |
最初に三日間だけ学習時間を測る
予習開始から終了までの時間を、単語・本文・文法・ノート作成・調べ物の五つに分けて記録しましょう。例えば単語20分、本文35分、文法15分、ノート10分なら合計80分です。これは仮の例であり、適切な時間の基準ではありません。何に時間を使っているか可視化すると、課題の量そのものが多いのか、同じ箇所を何度も確認しているのか区別できます。
学校の必須課題と自主予習を区別する
まず英語科からの課題一覧、提出期限、予習ノートの指定、音読回数、教科書本文の和訳が必須かどうかを確認します。任意の作業であると確認できた部分だけ整理・短縮する判断ができます。提出物が多すぎて他教科や睡眠に影響している場合は、期限内に取り組もうとしている記録を示し、担当教員へ優先順位を相談してください。
| 作業 | 必須かどうかの確認方法 | 任意の場合の調整例 |
|---|---|---|
| 本文の全訳 | 学年の予習指示・提出物 | 大意・主語動詞・不明文を優先 |
| 単語を全語調べる | 指定語彙数・ノートの規則 | 重要語だけ先に確認 |
| 発音練習・音読 | 実施回数・録音など指定有無 | 短いモデル音声で不明語を確認 |
| ノート清書・色分け | 提出形式の指定 | 見出しと質問メモ中心に整理 |
研究上の注意|宿題は短くすれば必ず成績が上がるのか?
EEFの宿題に関するTeaching and Learning Toolkitでは、特に中等教育段階で家庭学習の平均的な利点が報告されています。ただし証拠の強さは限定的であり、単純な作業時間より、授業で扱う学習内容とつながり、目的が明確で、フィードバックを受けられる課題が有効だと整理されています。これは『中高一貫校の英語予習は何分が最適』という研究結果ではありません。
EEFのフィードバックに関するガイダンスは、正誤だけでなく、何をどう改善するかを具体的に示して次の学習へつなぐことを重視します。予習で不明点を整理し、授業や質問で解決した後に自力で使えるかを確認する学習には合理性があります。
文部科学省の学習指導要領関連資料は外国語の理解と表現を重視する枠組みを示していますが、個別の私立中高一貫校の予習範囲・ノート作成法・和訳提出条件を規定したものではありません。学校ごとの最新の指示が最優先です。
予習の優先順位①|授業のテーマと文法をつかむ
翌日の見出し、単元名、例文を先に読み、どの文法事項を扱うか把握します。現在進行形の授業ならbe動詞+-ingの意味を確認し、She is reading a book.を『彼女は本を読んでいます』と理解できるか試します。文法が未習であれば、最初から完璧に解説を理解する必要はありません。分からない点を一つ書き、授業で確認する材料にします。
予習の優先順位②|重要な単語だけを先に確かめる
本文を読めない原因となる重要語を確認し、既知の単語を何度も辞書で調べることは避けましょう。単語が複数の意味を持つ場合は文脈に合う意味を確認します。たとえばrightは『右』だけでなく『正しい』という意味もあります。単語リストが学校から配布されている場合はその範囲を優先してください。
予習の優先順位③|本文の意味を大まかにつかむ
最初の一読では、登場人物、場所、時、出来事を確認します。分からない文があっても印を付けて先に進み、本文の話題を把握しましょう。学校が全文訳を指定している場合は必要な訳を完成させますが、指定がない場合に最初から全ての文章を美しく和訳する必要があるかは学習目的によって異なります。
予習の優先順位④|疑問点を短く残す
予習で大切なのは質問の材料を作ることです。『この文は分からない』より『Does she play?でplaysにならない理由が分からない』のように具体化します。単語、主語、動詞、時制、修飾語のどこで止まったかを書いておくと、授業の説明を聞く目的が明確になります。
完璧主義で予習が終わらない場合
一文の訳に20分以上かかる、辞書で調べた内容を全部ノートに書く、漢字や見出しの装飾に時間を使うといった場合、学校の必須条件を満たしているかを先に確認します。自主学習の範囲では一つの文に固執せず、印を付けて授業で確認する方法が考えられます。ただし試験範囲や提出課題で細部の正確さが求められる場合は、その項目を後から丁寧に復習しましょう。
予習と復習の役割は違う
予習では次の授業の内容を大まかに把握し、授業中に何を確認するか決めます。復習では説明を受けた内容を自力で使えるか確かめます。翌日の単元を予習する時間だけで一日が終わると、前に学んだ文法や単語を忘れやすくなる可能性があります。宿題と提出条件を優先しつつ、数分でも既習事項を思い出す練習を加えてください。
具体例|英文を完璧に訳す前に骨組みを見る
The girl sitting by the window is my sister.という英文では、中心となる主語はThe girl、動詞はisです。sitting by the windowはgirlを説明しています。単語の意味を一つずつつなげるより、『窓のそばに座っている女の子は私の妹です』と文のまとまりを捉えます。この表現が未習なら、予習段階では疑問点として残して構いません。
具体例|過去形が分からないとき
We visited a museum yesterday.ではyesterdayが過去の時を示し、visitedがvisitの過去形です。初見の文でvisitedの意味が分からなければ調べ、単語帳に原形・過去形を並べて記録します。既習の規則動詞であれば、意味の確認だけでなく別の文でも過去形を使えるか復習すると定期テスト対策につながります。
予習の優先順位が分かるオリジナル10問
次は慶英会が作成した家庭向け判断問題です。学校の実際の課題・試験問題ではありません。「何を削るか」でなく「何を学校に確認するか、どこから手を付けるか」を考えます。
- 学校から全文和訳を提出するよう指示されています。時間短縮のため省略してよいですか。
- 先生は新出単語10語の意味を調べるよう指示。自分でさらに30語を調べています。優先すべきことは。
- 英文:She went to the library to study English. 主語・動詞とto study Englishの意味を説明する。
- 英文:My brother doesn’t play tennis on Sundays. の主語と動詞の形を説明する。
- 英文:Does she go to school by bus? ではなぜgoesにならないのか説明する。
- 単語を辞書で調べても、次の授業で読めません。予習時に何を追加して確認する。
- 本文の内容が分かるのにノートの色分けに20分かかります。最初に何を確認する。
- 予習した英文を授業中に理解できなかったとき、何をメモして先生に質問する。
- 英文:He is reading a book now. を疑問文にする。
- 来週テストですが、予習・復習・提出物の3つが重なりました。優先順位をどう決める。
10問の解答と判断理由
- 省略しません。 必須の指示を優先し、時間負担が大きい場合は担当教員に相談します。
- 指定10語を優先。 追加30語は授業理解に必要な部分を選び、調整可能かを確認。
- 主語She、動詞went。 to study Englishは『英語を勉強するために』という目的を表します。
- 主語My brother、動詞doesn’t play。 三単現でもdoesn’tの後は原形playです。
- Doesの後は動詞の原形。 goが正しく、Does she goes?は誤りです。
- 意味を言えるか・発音できるか・短文で使えるかを確認。 調べた記録だけで済ませないようにします。
- 提出形式が必須か確認。 任意の装飾なら、質問や重要例文を優先する方法を検討。
- 問題の英文・行番号・自分が理解した部分・疑問点。 具体的な根拠を示して質問します。
- Is he reading a book now? be動詞を主語の前へ移します。
- 学校の締切がある提出物と考査範囲を優先。 指示の不明点は学校へ確認し、自主予習だけ見直します。
正答した数は学校の成績ではなく、家庭で優先順位を考えるための参考です。英文法の問題が難しければ、予習の時間を削る前に、既習文法の理解を補う必要があります。
授業当日は予習で付けた印を使う
授業中は、前夜に印を付けた文や語句の説明に注目します。先生の解説で疑問が解決したら印を消すか短く補足を書き、残った疑問だけ質問します。予習ノートをすべて書き直すのではなく、理解が変わった点を記録すると復習時間を確保しやすくなります。
14日間の改善計画|予習の質と所要時間を両方確認
| 日 | 取り組むこと | 確認する成果 |
|---|---|---|
| 1〜3日 | 単語・和訳・文法・ノート・調べ物の時間を記録 | 最も時間を使う作業を特定 |
| 4日 | 学校の必須課題と自分で追加した作業を仕分け | 省略不可の項目が分かる |
| 5日 | 主語・動詞を先に見る練習 | 全文和訳前に英文の骨組みを理解 |
| 6日 | 指定語句を優先し、任意の語句を選別 | 次の授業で説明できる |
| 7日 | 疑問点を2〜3つメモし学校へ質問 | 単純な調べ直しを減らす |
| 8日 | 前週の予習時間・理解度と比較 | 減った時間の原因を把握 |
| 9日 | 学校指定音声・短い音読を活用 | 音と文字を照合 |
| 10日 | 任意のノート装飾を必要最小限に | 提出形式は遵守 |
| 11日 | 学校ワーク・必須課題を優先 | 未提出を防ぐ |
| 12日 | 授業後に重要例文を見ずに再現 | 予習が理解に結び付いたか |
| 13日 | 負担の大きい作業を担当教員に相談 | 指定課題を自己判断で削らない |
| 14日 | 3日分の所要時間・授業理解度を再測定 | 次の2週間の優先順位を決定 |
これは家庭で試す改善モデルであり、学校指定の14日間の授業計画ではありません。予習時間が減っても小テスト・授業理解が悪化した場合、削り方を再検討します。予習に時間がかかる主因が未習文法・英単語なら、必要な説明や練習の時間は削らないことが大切です。
保護者様が確認したい三つの点
第一に、学校の指定された予習・提出物が完了しているか。第二に、子どもが『翌日の授業で何を確かめたいか』を一つ説明できるか。第三に、予習に時間を使った結果、睡眠や他教科の勉強が圧迫されていないかです。予習の作業量だけを評価せず、本人が授業内容を理解できるようになっているかを確認してください。
学校に相談するときの伝え方
『英語の予習に毎日80分程度かかり、本文の和訳で時間を使っています。提出必須の項目と、授業前に理解しておくべき部分の優先順位を確認したいです』と、実際の作業時間と教材を示します。学校の指示が明確になると、家庭で優先すべき課題を判断しやすくなります。
個別指導を検討する基準
予習に長時間かけても授業中に何が分からないか把握できない、教科書の一文を自力で読めない、学校の進度に復習が追いつかない状態が続く場合は、学校の質問対応や個別指導を検討できます。慶英会では学校教材と定期テスト答案をもとに中高一貫校の英語学習を支援しています。慶英会公式サイトで最大1か月無料体験の詳細をご確認ください。
よくある質問
Q. 予習は毎日何分が理想ですか? A. 学校の課題量と本人の理解度により異なるため、一律の基準はありません。Q. 教科書を全部訳してから授業に行くべきですか? A. 学校の指定があれば従い、指定がない場合は授業の目的と本人の理解度に合わせます。Q. 分からない単語はすべて調べますか? A. まず学校で指定された範囲と本文理解に重要な語を優先します。Q. NEW TREASUREも同じ方法でよいですか? A. NEW TREASURE(ニュートレジャー)を使用している場合も応用できますが、学校の指定教材と課題を優先してください。
研究・公式資料と確認日
参考資料:EEF|Homework(宿題・授業との関連・目的)、EEF|Teacher Feedback to Improve Pupil Learning、文部科学省|中学校学習指導要領関連資料。各研究の評価対象は一般的な宿題・授業であり、本記事で示した時間・14日計画を実証したものではありません。学校ごとの予習・提出条件は在籍年度の指定を優先してください。情報確認日:2026年10月11日。