英検の長文が読めないときは、「単語の意味が分からない」「一文の構造が取れない」「文同士の関係が追えない」「選択肢の根拠を取り違える」を分けて確認しましょう。単語帳を増やす前に、どの段階で止まるかを見つけると、復習すべき内容を絞れます。時間をかければ正解できる人と、時間をかけても意味が変わってしまう人では、練習の順番が異なります。
この教材は、基礎的な英文から読解の失点原因を調べたい中学生・高校生向けです。短文6問と、まとまった英文2本に各3問、計12問を用意しました。慶英会の独自演習であり、英検公式問題・公式の級判定テストではありません。点数だけで受験級や合否は判断できません。
長文が読めない原因と、最初に直すこと
単語が分からず止まる:文章の中で意味を確かめる
知らない語に印を付け、まず前後から意味を仮置きします。その後に辞書で確認し、今回の文で使われている意味と例文をセットで復習しましょう。すべての未知語に同じ時間をかける必要はありません。ただし、設問の理由や結論を決める動詞、否定語、数量表現は飛ばさず確認します。
単語は分かるが訳せない:主語・動詞と修飾を分ける
長い名詞のかたまりを先に一つにまとめます。The students who joined the club learned new skills. なら、主節の主語はThe students、動詞はlearnedです。who joined the clubは「どの生徒か」を限定します。先頭から単語の訳を並べるだけでは、joinedとlearnedの関係を見失いやすくなります。
一文ずつは読める:指示語と論理をつなぐ
this、it、theyの指すものを具体的な語に戻します。howeverの前後は何が対照的なのか、becauseの後は何の理由なのかを短く説明しましょう。「逆接がある」と答えるだけでなく、「費用は高いが、時間は短縮できる」のように内容まで結び付けます。
本文は読めるのに選択肢で間違える:一致する範囲を見る
本文に登場する単語が含まれていても正解とは限りません。「一部」を「全員」に変えた選択肢、予定を実施済みとした選択肢、理由と結果を逆にした選択肢は不一致です。正解の根拠を示すときは、誰・いつ・何を・なぜのうち、設問が求める情報を対応させます。
独自診断12問|解答を見る前に取り組む
各問の答えを紙に書き、分からなかった語と、判断に使った箇所にも印を付けてください。最初は辞書を使わず、解答後に調べます。速さを比較したい場合は所要時間を記録しますが、以下の英文だけに共通の制限時間や合格基準は設定しません。
短文:語彙・構文・対比を確認する6問
問1:図書館の状況と、Kenが実際にできたことを日本語で書いてください。
Although the library was crowded, Ken found a quiet seat.
問2:行事は中止になったと断定できますか。postponedの意味と理由を答えてください。
The event was postponed because of heavy rain.
問3:This changeが指す具体的な変更を日本語で書いてください。
The school replaced paper notices with an app. This change reduced paper use.
問4:この計画の欠点と利点を、それぞれ答えてください。
The plan was expensive; however, it saved time.
問5:主節の主語の中心となる名詞と動詞を答え、who以下が何を修飾するか説明してください。
Students who joined the club learned new skills.
問6:金曜日と土曜日では、どちらが早く閉館しますか。具体的な時刻はこの文だけで分かりますか。
The museum closes earlier on Fridays than on Saturdays.
英文A:時間の変更と指示語
Mika planned to join a workshop on Saturday morning. On Friday, she received an email saying that the workshop would start at two in the afternoon instead. She could still attend, but her brother could not because he had a basketball game at that time. Mika asked whether she could bring a friend in his place. The organizer said yes, as long as she sent the friend’s name before noon on Saturday.
問7:変更後の開始日時を答えてください。
問8:at that timeが指す時間と、その時間に兄弟が参加できない理由を答えてください。
問9:Mikaが友人を連れて行くための条件を、期限を含めて答えてください。
英文B:試行の結果と、書かれていないこと
A school tested reusable cups at its sports festival. In the previous year, volunteers had collected 800 paper cups after the event. This year, they collected only 200. However, washing the reusable cups took more time than expected. The school will use them again next year, but it plans to add a washing station and ask for more volunteers. The report does not say whether the total cost was lower.
問10:回収された紙コップは前年と比べて何個減りましたか。
問11:翌年の計画として正しいものを選んでください。A:再使用できるコップをやめる/B:再使用できるコップを続け、洗う設備と人手を増やす/C:費用が下がったのでボランティアを減らす。
問12:「今年は総費用も下がった」と判断できますか。本文の根拠を示してください。
全12問の解答・和訳・間違えやすい点
問1:図書館は混雑していたが、Kenは静かな席を見つけた。全文訳も同じです。Althoughは「〜だけれども」。混雑していたことを理由に「席が見つからなかった」と逆転させないようにします。
問2:断定できません。postponedは「延期された」、理由は大雨です。全文訳:その行事は大雨のため延期された。中止はcanceledで、延期とは異なります。because ofの後はheavy rainという名詞のかたまりです。
問3:学校が紙のお知らせをアプリに置き換えたこと。全文訳:学校は紙のお知らせをアプリに置き換えた。この変更により紙の使用量が減った。This changeはappという物だけではなく、前文の変更全体を指します。
問4:欠点は費用が高かったこと、利点は時間を節約できたこと。全文訳:その計画は費用が高かったが、時間を節約できた。itはthe planを指します。「高いから採用しなかった」など、書かれていない結論は補いません。
問5:主語の中心はStudents、主節の動詞はlearned。who joined the clubはStudentsを修飾します。全文訳:そのクラブに入った生徒たちは新しい技能を学んだ。joinedは関係詞節の動詞です。
問6:金曜日のほうが早い。具体的な時刻は分かりません。全文訳:その博物館は、土曜日より金曜日のほうが早く閉館する。earlierは早い時刻を示します。「金曜日は休館」とは書かれていません。
問7:土曜日の午後2時。最初のSaturday morningは変更前の予定です。Fridayはメールを受け取った日で、開催日ではありません。
問8:土曜日の午後2時。Mikaの兄弟には、その時間にバスケットボールの試合があるからです。that timeをメール受信日の金曜日に戻すと、理由を取り違えます。
問9:土曜日の正午より前に友人の名前を送ること。as long asはここでは「〜という条件で」。before noonは正午より前で、開始時刻の午後2時までではありません。
問10:600個。800−200=600です。今年回収した数200個と、減った数600個を区別します。再使用できるコップの総数は書かれていません。
問11:B。will use them againが継続、add a washing stationとask for more volunteersが改善策です。Aは継続の記述と矛盾し、Cは費用減少も人数削減も本文にありません。
問12:判断できません。The report does not say whether the total cost was lower. が根拠です。「紙コップが減った」という事実から「総費用も減った」とは断定できません。
英文Aの全文和訳
Mikaは土曜日の午前にワークショップへ参加する予定だった。金曜日に、代わりに午後2時から始まるというメールを受け取った。Mikaは引き続き参加できたが、兄弟はその時間にバスケットボールの試合があったため参加できなかった。Mikaは兄弟の代わりに友人を連れて行ってよいか尋ねた。主催者は、土曜日の正午より前に友人の名前を送るならよいと答えた。
英文Bの全文和訳
ある学校が体育祭で再使用できるコップを試した。前年は行事後にボランティアが800個の紙コップを回収していた。今年は200個だけだった。しかし、再使用できるコップを洗うのは予想以上に時間がかかった。学校は翌年もそれらを使うが、洗い場を追加し、さらにボランティアを募る計画だ。報告書には総費用が下がったかどうかは書かれていない。
結果を復習につなげる|合計点より誤答の種類を見る
問1・2・4で止まった場合は、接続表現と動詞の意味を確認します。問5が曖昧なら、主節と修飾部分を分ける短文練習を優先しましょう。問3・8は指示語、問6・7・9・10は比較・時間・条件・数量、問11・12は根拠の範囲を確認する問題です。一問の誤答だけで原因を決めず、本人がどこを読んで答えたかも確認してください。
1日目は初見で解き、根拠を書きます。2日目は未知語と主語・動詞を確認。3日目は英文Aの予定変更を日本語で説明。4日目は英文Bの事実と今後の計画を分けます。5日目は英文を見ながら音読し意味を確かめ、6日目は解答を隠して再解答。7日目は別の初見英文に移り、同じ種類の誤答が残っているかを調べます。同じ問題の正解率だけが上がっても、読解力の改善とは限りません。
よくある質問
すべて和訳できるまで先に進まないほうがよいですか?
復習では、間違えた設問の根拠となる文を正確に説明できることを優先します。練習中に全訳を書くことは必須ではありませんが、否定・条件・比較を読み違えたまま、速さだけを求めるのは避けましょう。
読む速度を上げるには何を測ればよいですか?
所要時間と正答数を一緒に記録し、根拠を説明できたかも確認します。初見問題同士は難易度が異なるため、一回の結果だけで伸びを断定せず、同程度の複数の英文で比べます。
次に取り組む教材・学習相談
知らない単語を飛ばす・推測する練習/英検と学校英語を両立する週間計画。単語は覚えているのに初見長文で失点する場合は、「どの文をどう読んだか」から個別に確認しましょう。
慶英会は、学校英語・NEW TREASURE・英検を扱うオンライン個別指導塾です。慶應義塾大学卒・英検1級の塾長紹介もご覧ください。
最大1か月無料体験・学習相談はこちら。学年、使用教材または受験級、困っていることを分かる範囲でお知らせください。体験の時間・回数・担当講師は開始前にご案内します。
参考にした主な公式情報
日本英語検定協会:過去問・試験内容。受験する級の形式確認には公式資料をご利用ください。本記事の英文・設問・学習手順は慶英会の独自作成です。

